よく降るね(笑)2009/08/02 04:53:29

今、凄まじい雨が降っていますが……なんなのよ、もう、って感じで。みなさんのとこはどうなんでしょうか。
雨のおかげで、暑さを感じる物理的時間がとても短いように思います。昨日も、土砂降り中も窓を開けておいたら、会社の中は風が通って涼しかった(ええ、休日出勤だったざんす)。体は楽だけれど、うっとうしいですねえ。でも、一日中デスクワークだと今度は肩とか腰が痛くなるので困ります。

毎年梅雨の時期、腰を非常に痛がる弟が、今年はちょうど台湾赴任だったもので、向こうの整体師というのか針灸師というのかそういう類いの人に診てもらうことができて、かなりヤバいところまで症状が進んだにもかかわらず、一気に楽になったといっていました。診てくれた人が、日本に帰っちゃって大丈夫?と心配してくれたそうな。日本には同じ治療をできる人はいないそうですから。ははは腰痛おきるたびに台北飛んでいけば?と私が笑うと、事情さえ許せばそうしたいよ、と真面目な顔でいいました。そのくらい、劇的な回復だったそうです。というか、弟は中国系の医療と相性がいいんだと思います。学生のとき初めて行った大陸への旅行で喉を痛めて高熱を出したとき、現地の漢方薬屋に駆け込んで処方してもらった薬でひゅんっと治った経験をもちます。

昼ごろまで強く降るみたいです。昨日の朝、意地になって山のような洗濯を済ませておいてよかった。今日の朝は、その弟家族が午後遊びにくるので洗濯ではなく掃除の朝なのです。
それにしても長梅雨で強梅雨なので、我が家では雨漏り受けのバケツがちっとも片付かず。今も、ぽと、ぽと、とリズミカルで、たくもう、とほほ、です(笑)

ムチャ暑い(再)2009/08/04 17:43:15

梅雨、明けたらしいですね。
その声聞いたとたん、昨日今日と、この陽射しの凄まじさ(笑)なんなのよ、もう。

でも、職場では冷房の風が直接当たるところに座席があって、非常に悪コンディションである。それでなくても万年肩凝りなのに、ガンガン冷やされて首筋から腰にかけて真っ青になってしまいそうである。もちろん、現在の職場でこき使われるようになって早5年、夏を迎えるたびに同じ思いをしているので、体調をコントロールするためにもじっと座りっぱなしでいないように心がけている。

お茶を淹れる、トイレに立つ、用もないのに他の社員にちょっかい出しに行く、用もないのに上司のご機嫌をとりに行く、用もないのに資料を探すふりして書架の前に立つ、誰も来てないのに「あれ?お客さんかな?」といって玄関まで走る(うなぎの寝床の奥にいるので遠いんです)、などなど、以上室内移動。
コンビニにおやつを買いに行く、コンビニに切手を買いに行く、コンビニに上司の煙草を買いに行く、メインバンクとサブバンクのATMがあるので用もないのに残高照会しに行ってため息をつく、目と鼻の先にあるペットショップへ行って子犬子猫の顔を見て癒される、などなど、以上外出。

そういうふうにして外に出たら。
ガスバーナーであぶられてるんじゃあないかいと思うほど、暑い。つーか熱い(笑)
いくらお日さま大好きの私でも、ちょいと兄さんそりゃたまらんぜよってくらいに暑いのでやはり長時間は居られない。

しかし、短時間だとまことに具合がいいのである。
外に出た瞬間、なんというか、解かされる気分。
ふにゃ~とろろろ~
人間に戻れる感じがする。
ああ、人間らしく生きていきたい。

よく降るね(再)2009/08/09 19:16:58

ムチャ暑い、と書いてから、でも朝夕涼しい、と続けたかったけど全然朝夕涼しくない(笑)。本格的にようやく夏なのねと思ったら本日は未明から雨。しかもずっと降ってます。昼過ぎに少し止んだけれども、とりあえず、降っとかなアカンわな今のうちに、てな感じでずっと降っている。

娘は今日久しぶりに記録会で早朝出て行った。久しぶり、といったわけは、7月最初にあった競技会で記録を出せずに予選落ちしてから、翌週以降ずっと休日返上で毎週毎週どこかの競技場へ出かけているが、自分ではなく人の走りを見に行くばかりだったのである。応援であったり見学だったり。やっと自分で走る日が来たので気合いも入るというものである。ま、走るのが誰であろうと早朝出かけて夕方まで帰ってこないのはほかでもない私の娘だからして彼女のためにお弁当つくるのは私である。応援、とか見学、とかのときは、「普通の」お弁当、つまりお弁当箱の、一段目におかずをいれて二段目にご飯を詰めるというパターンのお弁当を作る。ちなみにウチの子のお弁当箱は「Men's Lunch Box」という商品名のなかなかにビッグなヤツである。小学6年生のときに使っていた、それより一回り小さいウサギ柄の二段弁当箱で中学一年生になって初の日曜参観に持たせたら、帰宅して開口一番「お弁当、少ない」とぬかしよったので、近くのスーパーに慌てて探しにいったら、ウサギ柄より大きいのはもう大人男子用しかなかったのであった。
その後、可愛げも何もない紺色一色のお弁当箱に炊き込みご飯をいっぱいつめた弁当を持たせたら、「お母さん、ご飯詰め過ぎ」「あ、多かった、やっぱり?」「違う。食べにくい」

我が娘は大飯食らいである。かくして「Men's Lunch Box」はすっかり彼女の弁当箱として活躍している。しかし自分が出場する記録会や競技会のときは、「Men's Lunch Box」には出番がないのである。いつものように昼飯どきに昼飯をいただけないのである。出場する2時間半前には腹八分目の食事を摂る。13時にスタートだとしたら、10時半に空腹を満たしておくわけだ。朝は6時前に朝食を摂っている。たいていその2時間後あたりに小腹が空くのでバナナを食べる。スタートに備えて10時半頃におにぎりを2、3個放り込む。お腹と相談しながらウォーミングアップ。出番が終わって、もし二次予選に進めたとしたらまたそれに備えてお腹の調整をする。負けてしまったら、観客席で、遅い昼食(お弁当の残り)をほおばりながら仲間の応援をしていればいい、のではなく、補助員としてトラック&フィールドに出てお手伝いをしたりするのである。そんなだから持参したお弁当をすっかり平らげられるのは、運良く、競技会終了前に少し時間があるときぐらいである。

……というようなことは、小学生の陸上競技大会に参加していたときからわかっていたので、中学1年生で初めての競技会に参加した日には、とりあえずお弁当箱弁当ではなく、ラップおにぎりを何個も持たせたのだった。ところが帰ってきたヤツがいうには「お母さん、おかずも欲しい」。

というようなわけで、小学校低学年時のときのお弁当箱におかずを詰めて、ラップおにぎりを5個、バナナ2本。これが競技会の日の昼食アンド間食である。たいてい冷凍食品のヘルプを借りるたいした中身ではないのだが、料理の苦手なお母さんには一大事なのよ、お弁当作りは。この夏、土日はずっと5時起きである。5時に起きなきゃと思うと、もう3時頃に、暑さも手伝って目が覚めてしまう。

それなのに、「お母さん、今日3種目も出たから全然ご飯食べるヒマなかったー」と夕方帰宅した娘は録画しておいた鋼の錬金術師を見ながら残ったおにぎりをほおばり、弁当箱を空っぽにした。12時間以上前に作ったお弁当だけど……ま、いーか。(もちろん、そのあと夕食はいただいたのである)

チェチェンニュースからの転載2009/08/17 10:03:00

日本人にとって夏は鎮魂の季節である。いろいろと考えること、思いを馳せる人や時代や出来事があって、暑いとか雨うっとしーとか、そんなことは小さい小さいことのように思えてしまうのである。そんな小さいこと、といったが、毎年夏には、その酷暑や豪雨が原因で必ずかけがえのない命が奪われる。やはり鎮魂の季節なのだ。
怒りの矛先をどこへ向けたらよいやらわからぬまま、あるいは収まりのつかない気持ちを抱えたまま、はたまた大きな未練を現世に残したまま、亡くなった人たち、そういう人たちが、がばーっとまとまってユーレイ・クレーマー・デモ隊とかになって「ちょっとどうしてくれんのよ!」「責任者出て来い!」とかいいながら集団で上空を旋回してくれたらちょっとは涼しいかもしんねえぞ、などともつい考えてしまう私はやはりどこまでも俗人なのであった。

久し振りにチェチェンニュースを転載します。
とにかくもう、いい加減、頭にきているのである。
誰も関心もたないと思って、やりたい放題である。許せん。
以下、ちょっと長くて読むのがめんどっちいかもしれないが、要は相変わらず誰彼なしに殺されているので声を挙げよう!ということが書いてある。だからどやねんといわれるとグウの音も出ないが、のりピーの長男君の行く末も若干心配だがチェチェンの子どもたちの将来はその100万倍くらい心配なのである、私は。

どうかみなさん、ちびっとでも、関心をもってくださいませ。
苦境にある人々や地域に目を向けることは、自身の足許を見つめ直すことにもつながります。(よけいなお世話って? 自問自答してんだからほっといて!)

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チェチェンニュース #304 【転載・転送歓迎】

*【声明】チェチェン人人権活動家の連続殺害事件について
先月から続く、チェチェンでの連続殺害事件について、チェチェン連絡会議の声明文を発行します。
事件をめぐっては、新聞での扱いが小さい上、記事だけでは混乱してしまう部分もあり、この声明では、できるだけ具体的に説明しています。
末尾に賛同フォームがあります。ぜひ、ご賛同をお願いします。

また、アムネスティ・インターナショナルも、「人権活動家狩りに終止符を」という国際ニュースを発行しました。こちらも、ぜひお読みください。
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=694&sel_lang=japanese

なお参考として、ラムザン・カディロフへのインタビューを掲載しました。
http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090813/1250163104
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【声明】チェチェン人人権活動家の連続殺害事件について

2009年8月14日
呼びかけ:チェチェン連絡会議

ロシア南部、チェチェン共和国において、誘拐・殺害事件が相次いでいます。7月15日、チェチェン人の人権活動家で、ロシアの人権団体「メモリアル」の現地代表を務めていたナターシャ・エステミロワさんが何者かに誘拐され、その日のうちに銃殺遺体となって発見されました。

また、8月10日には、チェチェンの首都グローズヌイで、「若者を守ろう」という、戦争を経験した若年層や孤児を支援するNGOを運営していたザレーマ・サドゥラーエワさんと、夫のアリク・ジャブライロフさんが、二人同時に誘拐されたあと、すぐに銃殺され、翌11日に遺体が自動車のトランクに詰め込まれているのを発見されました。この他にも、大勢の一般市民が、同様の手口で誘拐/殺害されており、その件数は今年になって増加しています。

暴力の蔓延するチェチェンの中で、勇気をふりしぼって、人権のために活動していた人々が、こうして残酷に殺害されていることを知り、私たちは、悲しみと強い憤りを感じずにはいられません。

心から、この勇気ある方々のご冥福をお祈りいたします。

1991年に独立を宣言したチェチェン共和国は、2度にわたるロシアの軍事侵攻を受け、現在はロシア政府が後押しするラムザン・カディロフ大統領の親ロシア政権が、その大部分を支配しています。カディロフ氏は、これまで多数の虐待と非合法処刑事件に関して、チェチェン人のみならず、アムネスティ・インターナショナル、ヒューマンライツ・ウォッチなど、多くの人権団体から批判を受けています。

相次ぐ事件のうち、とりわけ、エステミロワさんの殺害については、カディロフ大統領派の関与が強く疑われています。事件のあった日は、カディロフ派が行った虐待事件に関して、エステミロワさんは被害者の前で報告する予定でした。また、「メモリアル」は、カディロフ氏自身が、エステミロワさんに対して直接、脅迫をしていたと声明を出しています。

さらにカディロフ氏は、殺害への関与を否定しつつも、メディアを通じ、エステミロワさんに関して「誰も相手にしていない、恥知らずの人物」などと呼び、人権活動家に対するイメージダウンと、さらなる犯罪を誘発しかねない発言を繰り返しています。

このような要因を考えるとき、ロシア政府には、カディロフ氏に対する捜査も含め、実体のある公正な犯罪捜査を行い、事件の再発を防止する責任があります。もしもそうしないのであれば、ロシア政府は、このような未解決の事件に対して、カディロフ氏と同様の責任を有する──犯罪を容認し、これを支援していると言っても、過言ではないでしょう。

日本のメディアは、「現在のチェチェン国内は比較的『平穏』である」と解説する傾向があります。しかしこれは、このような人権侵害事件や、散発的に発生するゲリラ戦を知りながら、現実をあえて無視する表現であると、私たちは考えます。

また、サドゥラーエワさん夫妻の殺害事件に関しては、「武装勢力」によるものだという見出しが目立ちました。これまでのチェチェン報道において「武装勢力」とは、主にロシア軍に抵抗するチェチェン独立派を指すものでした。
しかし、今回のように、チェチェンで人権活動家たちを襲っているのは独立派ではなく、前述のようにカディロフ大統領派である可能性が、かなり高いと言えます。

人を誘拐し、銃殺する集団は、独立派であれ、親ロシア派であれ、「武装勢力」と呼べるでしょう。しかし、これまでの文脈に照らすとき、こうした文言は、犯行主体が独立派であるかのように誤解させるものでしかなく、それを避けるために、より具体性のある文言をあてることは容易なはずです。

また、チェチェン侵攻にはじまる暴力の渦が、チェチェンから、近隣のコーカサス諸国へと波及し、年々、腐敗と人権侵害、武力衝突が増えています。とりわけイングーシの人々には、カディロフ氏が国境を越えて「治安作戦」を行おうとしていることに対する反感や恐怖が強く、このような暴力の輸出はただちに止めなければなりません。

私たちは次のことを、ロシア政府および、国際社会に訴えます。

1、ロシア政府は、エステミロワさんおよびサドゥラーエワさん夫妻の殺害犯と、それを指示した人間を逮捕し、公正な裁判を通して真相を明らかにすること。アンナ・ポリトコフスカヤおよびアレクサンドル・リトビネンコの暗殺事件についても、公正かつ実体のある捜査・訴追の手続きを行うこと

1、ロシア政府は、これらの事件の根にある対チェチェン政策を根本的に見直し、チェチェンの人々の政治的権利と基本的人権を保障し、チェチェン領内での国際機関、報道機関、NGOの安全と自由な活動を保証すること

1、チェチェンにおいて、人権活動家や非武装の市民が次々と殺害されたり強制的に失踪させられていること、また、その犯行を疑われる人物自身が現地政府を支配している現状に対し、国際社会は一歩踏み込んだ対策をとる必要があります。日本を含む各国政府は、国際法上の普遍的管轄権を今こそ行使し、チェチェンにおける国際人道法および国際人権法の重大な違反行為について、犯罪捜査を開始すべきです

最後に、この声明を読んでいる皆さまへのお願いがあります。

チェチェンに生きる人権活動家や、一般の市民が日々体験している恐怖は、想像を絶するものがあります。こうした人々に、より多くの人々が関心を持つことこそが、チェチェン問題の平和的解決につながります。とりわけ、マスメディアに携わっている方々には、より公正な報道をお願いします。

そして、暴力のただ中で、発言を封じられている人々のためにも、この声明に賛同し、暴力に反対する意志を表明してください。多くの人々が憂慮を共有していることを、国際社会と、チェチェンの人々に伝えましょう。

チェチェンに平和と人権を!

呼びかけ:チェチェン連絡会議
賛同人:青山正(市民平和基金)
大富亮(チェチェン連絡会議)
岡田一男(チェチェンの子どもたち日本委員会共同代表・映像作家)
 
(この声明はロシア大使館、日本外務省、報道各社に送付し、 ロシア語または英語で、インターネット上で公開します)

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誰が読むのだろう……高校生? 行間や文章の裏側を読み取れないとしんどいかもの巻2009/08/21 19:13:28

ある日大好物のアボガドを食べました。種を取っておいて、植えました。芽が出ました(でもよくわからんね)。これは7月下旬の写真です。


『学校がアホらしいキミへ』
日垣隆著
大和書房(2008年)


学校なんかあほらしくて行けるか、と、「真剣」に思っている小中高生は実際どれくらいいるのだろう。
「学校がつまらない」子は多いだろう。「学校に居辛い」子も多いだろう。そういう子のうちの何人かは一度のずる休みが引き金になってずるずると不登校に陥ってしまうのだろう。その一方で、学校は楽しいと感じている子も多いはずだ。娘の通う中学校の場合だが、娘の学年200人弱のうち、不登校になっちゃって全然学校来てないのは5~6人くらいらしい。この数字、多いのか、少ないのか?

そのうちの2人は娘と同じ小学校出身の男の子で、うち1人は娘によると「むっちゃカネモ」(=彼の家庭はたいへんなお金持ち)、もう1人は同「お母さんコワキモ」(=彼の母親は怖そうに見え、かつ気持ち悪くも見える)。「カネモ」のほうはゲーマー君らしくて、ゆえにウチの子やその周囲の子らとは縁がまるでなかったので私も全然知らない。「コワキモ」のほうは、娘がそういうのもわかるような(すみません←誰に謝ってるかというともちろんコワキモのお母さん)見た目ド迫力のお母さんで、しかも息子はひ弱そうで、したがってというべきか、傍目にもたいへんな母子密着ぶりが透けて見えて匂いがぷんぷんしていたように記憶している。小学校のときから、たとえば運動会などでは撮影に熱心な保護者はどこにもいるものだが、コワキモさんは競技中にもかかわらず校庭のど真ん中へ自分の息子だけを撮影しにドコドコのしのし歩いていく人だった。保護者のかたは保護者席で応援お願いしますーとか、危ないですからトラックの外へ出てくださーいとか、スピーカーががなりたてても聞いていないのである。しかも図体がでかいので、とりあえず邪魔なのである。駆け寄って注意する教員やPTAの委員とかがいるんだけど、そっちに顔は向けても視線はあさっての方角を向いてるような表情で、歪んだデビ夫人のような顔でにっと笑うだけで動かないのである。肯定的な表現をすればマイペースなおかたであったが、端的に言うとタチが悪いのである。
あの存在感からして、学校に来ていたら見かけないはずはない。でも、全然見ない。コワキモ君は、いつからかわからないけど中1の後半あたりからは確実に来ていないようである。
娘に言わせるとふたりとも、「勉強は全然できてなかった」らしい。

学校がアホらしい、と思うには「けっこう高い知性」が必要なんじゃないかと、私は思うのである。「はん、あほらしっ」そういい捨てて教室から退去するには、そこで行われていたことが、「つきあってらんねー」くらいに幼稚であったりレベルが低かったりしないといけない。生徒らに自分たちで話し合って結論を出せといいながらけっきょく全部教師が決めてしまっているとか、逆に教師が生徒に振り回されて収拾つかない(学級崩壊)とか。
こういう環境に対し、たいていの子は、やだなー、でもなんとかしなきゃ……と思っている。とはいえなんともできないので、やだなーいつもこうだよつまんないなー、となる。つまんないが度を超えると学校に来なくなるかもしれない。それは「アホらしい」と思うこととは、思考のベクトルが違う。

本書は、『学校がアホらしいキミへ』というタイトルだが、対象読者は、「ガッコつまんねー」と四六時中思いながら思い切った行動をとらないままうだうだいじいじしながら学校生活を送るティーンエイジャーである。著者が送るメッセージはたいへん正当である。学校が面白くないのはあたりまえだ、昔は学校がいちばん面白いところだったが今は娯楽がたくさんあるし、学校はコンテンツに乏しいんだ、コンテンツという言葉の意味がわからなかったら辞書を引け。先生はつまらない、彼らはただのレッスンプロ、毎年同じことをやっているのだから面白い人であるわけがない、研究者ともプロスポーツ選手とも違うんだから、先生に面白さを求めずに自分が面白い人間になろう。世の中には答えの決まっていない問題が山のようにあるから自分で考える必要がある、答えの決まっている学力試験を侮るな、答えの決まっている問題を解く努力をしないやつが、答えが幾通りもあるような問題に立ち向かえるはずがないのだ、云々、かんぬん。
(正確な引用ではありません)

たいへんまっとうな議論が続く。一人称が「俺」なので、語り口は近所のオヤジが悪ガキに話しかけている格好だ。あえてそうしているのだろうし、それはそれでいいのだが、なんとなく、ときどき議論が飛躍するように感じるくだりがあって、これじゃ子どもにはわからないぞと思うことたびたび。
飛躍するというより、言わなくてもわかるだろといわんばかりに説明をはしょっているといったほうがいいのか。
文体は簡潔で歯切れがいいので(言葉は悪いが)騙されそうになるけれど、え、どういう意味? と冒頭に戻って読み返したりする必要を強いられることしばしば。そんな文章は、たとえフレンドリーでも親切とはいえない。
私が読解力なさ過ぎなのかな?
普段、くどいくらいに(ある意味)丁寧親切なウチダの文章に慣れ親しんでいるので、そっけなく感じるだけなのか?
ま、いいけど。
単にお勉強ができるだけの頭のよさではなくて、他人のいうことを鵜呑みにしないとか、勘繰ってみるとか、言葉の裏を読むとか、テーマの社会的背景に思いを馳せるとか、けっこう高度な思考行動をともなう読書になる。

高校生にだって無理じゃないかい?
学校を「アホらしい」と見下せるくらいの知性のあるティーンエイジャーなら、本書に書かれていることは軽々クリアじゃん、という気もするし。知性のあるティーンエイジャーが不登校であってもそれはアホらしいから行かないのであって、なのに本書は「アホらしい場所にだって行かねばならない」理由は書いていない(と私には読める)。

ただ、巻末付録に、自殺してしまった著者の長男の友人君へのメッセージがあるのだが、この友人君がどうやら「学校がアホらしい」から学校に行くのを拒絶した、天才肌の少年だったようである。その少年に、著者は「アホらしい場所かもしれないけど、一度行ってみないとわからないだろ」と、大学進学を勧めていたらしい。
でも彼はセンター試験の日に会場へ向かわず、命を絶った。

というわけで、この本はどっちを向いているのかちょっとわからなくなったりしたのであった。娘がもし関心を示したら読ませることにしよう。でも感想を述べる彼女の顔が目に見えるようだ。「いみがわからへん」

小さい頃は一重まぶただったけど十代で片目だけ二重になって今は両目とも二重まぶたです、ってのは関係ないの巻2009/08/24 11:41:05

petits bebes d'avocat
前のエントリの写真の芽はあのあと何者かにかじられて(ネズミに決まってるけどさ。泣)がっかりしてたんですが、その後、脇からニュー芽が出てきた。2本も♪ これは先週の写真。今朝はこれよりもうちょっと伸びていました。


『まぶた』
小川洋子著
新潮文庫(2004年)


例のYonda!マーク集めと娘の読書記録の足しになるようにと思って夏休み前に買った、3冊の新潮文庫のうちの一冊。

『博士の愛した数式』でビッグネームになった小川洋子さんである。その『博士―』だが、ベストセラー嫌いだからではないけど、これまでチャンスがなくて私はまだ読んでいないのである。ずいぶん前にウチの娘が学校から借りて読んでいたので、隙を狙って読むことができなくもなかったが、全然関心を引かなかった(ヤツが友達から借りてきたバレエ漫画「まいあ」とかはヤツが読み始めないうちからさっさと読んでしまうのだが)。それに『博士―』は藤原正彦氏の顔がちらついてしまうので素直に小説世界に入れない気がしていたのである。

で、なんで小川さんを読む気になったかというと、これが短編集で、420円だったからである(長編を文庫化したものは300円台でないと買わないことにしている)。

というわけで、初めて読む小川さんである。
『まぶた』は短篇集なので、面白い話も面白くない話もある。でも、どれも、なんというか「オガワヨーコ色」というか「小川洋子エアー」みたいなもんに満ちていて、その空気そのものは、なんだかとても自分にフィットしているように思えたのである。
ふうん、こんな小説を書く人なのね。
なるほど、外国人受けするかもしれない、と思った。
そこには日本臭さがまったくない。
といって、言葉のはしばしなどに外国のトッピングがやたら感じられる、いわば異文化の押し売りをされているような物語世界ではない。
『まぶた』所収作品には、飛行機で外国へ移動する主人公が登場するものがいくつかあるので、日本臭さのなさは、そういう舞台設定にあるのかもしれない。
んなこといってても、日本臭さがないと思うのは日本人だけ、あるいは本書の作品群だけかもしれない。外国人にはいかにも日本の小説だ、と読めるのかもしれない。

いずれにしろ、小川さんの小説はずいぶんと世界各国に翻訳されていて、概して好評である。実をいうと彼女の名を初めて知ったのはフランスの書評マガジン誌上であった。大きなご本人の写真付きで、インタビュー記事が載っていた。その記事を読んだのはもう十年くらい前のことだ。ずいぶん早くから世界でも認められていた作家さんなのであるが、私はだからといってYoko Ogawa, Ecrivain japonaisに興味をもつことなく(その書評誌には別のお目当ての記事があったし)現在に至ってしまったのであった。そんなだったから、その記事の内容はほとんど覚えていないけど、扱われかたは、もうすっかりフランスの文学ファンにおなじみの、というノリだったように記憶している。

気に入ったのは「バックストローク」と「リンデンバウム通りの双子」。前者は、川西蘭のスポーツ少年少女青春小説集『光る汗』を読んだ後に読んだので、よけいにとても切なく、悲しく感じた。後者は、海外に自作品のレギュラー翻訳者を確立している小川さんならではの一編だ。いいなあ。あたしもこんなふうに小説家に「書かれる」翻訳家になりたいよ、はあ~。

表題作の「まぶた」は、もう少し「男」の素性がわかったほうがいいんじゃないかと思いつつ、読み直すとやはりこれはこれぐらいがいいのだろうなどと納得してみたり。「中国野菜の育て方」は、ん?終わり?みたいな感じで終わってちょっと残念だった。「お料理教室」は、逆流する生ゴミの様子をちょっと想像しかねたけれど、わりと好きなほうだった。「匂いの収集」は、物語の行く末が見えてしまったのが残念だったけど、好きなタイプのお話だ。

同世代の作家で共感できる人を探していると前に書いたけど、いまのとこ、小川さんは私の中でなかなかにいい位置を占めている。
当ブログにお越しのかたのなかにはもう何冊も小川洋子を読んだというかたがきっとおられると思うので、よかったら推薦図書などご紹介ください。
とりあえずは『薬指の標本』を借りてるところです。

チェチェンニュースから転載2009/08/26 14:57:09

Anna
あれから三年。


先日、久し振りにチェチェンニュースを転載したんですが。
http://midi.asablo.jp/blog/2009/08/17/4520875

「賛同の声明」について報告がありましたのでまた載せます。賛同者にはバレエの伝道師を名乗っておられる法政大学教授の鈴木晶さんのお名前も見えます(あーあウチの子もこの先生に批評してもらえるくらいの舞台に立てたらなー)。

『チェチェンへ アレクサンドラの旅』
★★池袋の新文芸坐で【明日上映】です!!!★★
詳細下記。


****************************************************
チェチェンニュース #305
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■人権活動家殺害抗議声明についてのご報告

8月14日にチェチェン連絡会議が発行した声明、「チェチェン人人権活動家の連続殺害事件について」に、多くの方からご賛同をいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090814/1250228020

声明文は報道各社およびロシア大使館、外務省ロシア課に送付しました。
数日の間に、100人を超える方々から賛同の署名をいただきました。メッセージも多数いただいていますので、次のサイトに掲載しております。ぜひご一読ください。
http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090812/1250258885

また、声明の英語版もできました。(Special Thanks to Ms Chelsea Watson)海外のご友人にも、ぜひご紹介ください。
英語版声明文:
“Peace and Human Rights for Chechnya!”
Statement of the Japanese People Regarding the Killing of Chechen Human Rights Defenders
http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090818/1250592389

今後も、チェチェン問題に関心をお持ちいただければ幸いです。
ありがとうございました。

■イベント情報(抜粋)
▲映画の上映

8月27日(木)
『チェチェンへ アレクサンドラの旅』(2007年/露仏/パンドラ)
東京・池袋 新文芸坐(03-3971-9422)
12:45/16:45/20:45(終映22:15)

孫へのまなざし 平和への祈り ロシアの見たチェチェン
http://www.chechen.jp/
↓ 上映当初に行われたトークショーなどが掲載されています。
http://chechen.exblog.jp/

11月20日(金)
文京 シビック小ホール
アンナ・ポリトコフスカヤ暗殺3周年・追悼特別上映会
『アンナへの手紙』
http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090821

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発行部数:1390部 発行人:大富亮
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『チェチェンへ アレクサンドラの旅』も『アンナへの手紙』も、私は観たことがありません。ほかにもいろいろと映像記録や映画作品はありますし上映の機会もあるんですが、観賞するにいたっていません。もしもご覧になられた方がいらしたら、感想をお聞かせくださいませ。(by midi)