Et donc... elle est partie à Berlin. Elle va rentrer dans une semaine.2013/02/16 21:50:01

けさ、ようやく娘が出発した。まったく、この日まで長かったことといったら。用事の多かったことといったら。最後の最後まで手のかかることだこと! あたしゃ明け方近くまで衣装の寸法調整してたんだぞ。まったく、娘付きのお針子状態だ。

先月、『ファースト・ポジション』という映画をふたりで観た。なかなかよくできた映画だった。毎年米国で開催されるバレエの国際コンクールに挑戦する子どもたちを追ったドキュメンタリーである。まったく手のかかるこっちゃ!と愚痴ったばかりだが、この映画に出てくる(つまり、国際コンクールで勝ち残れる)子どもたちへの、親の手のかけかたは文字どおり「桁違い」である。バレエをやっていくには素質も才能も必要だが、主役を張れるダンサーとして世界に認知してもらうには幼い頃から国際コンクールに出場していないと、名だたるバレエ団や養成学校の教師陣の目に留まらない。「ほんものの舞台」で踊るための階段の前で、一段引っ張り上げてもらうためには、それなりに「目立つ恰好」をしていなくてはならない。「目立つ恰好をして階段の前に立つ」ためにどれほどの費用が湯水のように流れていくことだろう。『ファースト・ポジション』の主人公たちの家庭は例外なくセレブである。
間違ってもらっては困るが、映画の主人公たちが金に物言わせて駆け上がっている、と言いたいわけではない。惜しげもなく遣う費用もたしかに桁外れだけれど、なにより本人たちの血のにじむような努力と情熱こそが、凡人とは桁違いであるのだ。

映画のあとはバスキン・ロビンス。



まあ、ともかくそんなわけで私も、ないお金を絞りに絞って捻出しては湯水のように流して(笑)娘のバレエにつぎ込んでいるのだが、どういうわけか(ほんとにいったいなんでなのかわからないのだが)とある国際ダンスフェスティバルへの参加権をもらい、今朝、出発したのであった。先述の米国のコンクールや、有名なローザンヌなどに比べるとずっとお祭り色の濃い、楽しむことが第一のフェスである。だからいくぶん気が楽、というか、そんなんだからウチの子みたいなへたくそでも出してもらえるわけである。せっかくだから存分に楽しんでおいで、初めて訪れる街だから珍しいもん何でも買うといで、と送り出したのだった。


毎年年頭にはふたりで初詣に出かけ、おみくじを引くのだけど、今年詣った弁天さんのおみくじはとってもクラシカルないでたちで、なかなか、解読するのも楽しい漢詩調であった。言葉遣いも古典的、漢字も旧字体だったりする。娘は吉。先人の助言を受けて成功する、将来ヘの道筋が見えるかも、待ち人は来る、病気は恐るるに足りない、かかってもすぐ治る、事故に遭っても生還間違いなし……なんていう、漢詩調なんだけど、とてもフレンドリーな内容であった。翻って私は「凶」。きょう。は? 何よ。何なのよ!
「凶」ってあーた、宝くじに当たったみたいなもんやん、喜ぶべきやで。などと友達は気楽なことを言う。そんなんゆーけどさ、書かれていることの悲惨なこと。病気になったら七割方快復しない、事故に遭ったら十中八九死ぬ、住み替え、職替えよろしくない、旅行も難あり、待ち人来ず(えーん)。娘の「吉」と正反対(そらそうや)。こんちくしょうめ、今年は自分については何にも期待でけん! あとは君に任せた!

そんなわけで、我が家のいいことは全部娘にふりかかりますように。願いをこめつつ、先日お誕生日も祝いました。


次の土曜に帰国する。早くも、早く帰ってこないかなーと退屈な私(笑)。