家庭教師 ― 2007/10/23 19:42:22
佳子さんというその大学生のお姉さんは、私が言うのは大変生意気だが、容姿も話し振りも可もなく不可もなくといった感じであった。しかし教え方は非常に上手であったのだろう。中学一、二年の復習を終えて三年の範囲を学習したあと、夏休み頃には難関私立高受験用の問題集にとりかかるほどであった。佳子先生は母に自分の出身校でもある女子高を勧めます、と言ったそうである。女の園と制服のある学校は私にとっては論外だったので、ある日、「これ以上難しい問題はしなくていいでしょ」と言い募った。すると佳子先生は少し悲しそうな顔をして、それもそうねと自身に言い聞かせるようにつぶやいた。
佳子先生が来る日には、少し上等のコーヒーとケーキを用意してもらえた。将来何になりたいの? 画家よ、サラリーマンは嫌。あら、サラリーマンも悪くないわよ。そんな会話をした。珈琲の香りを嗅ぎながら、先生の彼氏がサラリーマンなんだろうなと少し大人びた想像をした。
レベルの低い公立高に楽勝で合格した私に、佳子さんは私が以前欲しいといった高村光太郎の詩集をお祝いに持ってきてくれた。「悔いのない高校生活を過ごしてね」。佳子さんは私の手を握ったあと母に深々とお辞儀をして、さして上等でもない我が家の玄関の扉を丁寧に両手で閉めて、帰っていった。
コメント
_ よっぱ ― 2007/10/23 20:33:18
_ ヴァッキーノ ― 2007/10/23 20:45:31
女教師とは言っても男教師とは言わないのもその潮流ですかね。
女医はいても……すいません(涙)
_ midi ― 2007/10/24 06:47:20
よっぱさん。まだです、投稿。「仮面」じゃないから、別に事前公開してもいいですよね。どれか持っていきます? どれもイマイチなんで、お薦めできません。アイデアの足しになれば望外の喜びですが。
ヴァッキーさん。律儀に全部にコメントサンキュー。
佳子先生はそんなピンク映画とはまったく無縁の清廉潔白なサラリーマンとおつきあいしてるというふうでしたよ。ご自身は、今思うと色気があったなあ、そこはかとなく。

まだ、一行も考えられていない僕に一つ下さいm(_ _)m
また、今日も羨ましがってしまった…(泪)