Eh voilà ça commence! ― 2011/01/06 00:07:52
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〈連載〉巻頭インタビュー
「中国は覇権を求めない」程永華(駐日中国大使)
《小康社会の建設というビジョンの実現のために自国の建設に力を入れていく。小康とは中国語のニュアンスでは衣食足りて少し豊かになったという意味であり、調和のとれたゆとりある社会を指す。……》
《……都市と農村の格差や都市内部の所得格差は、どれくらいが許容範囲であり合理的か、判断のうえ対応できれば、それはそれで調和のとれた社会といえるのではないか。》
《……そもそも絶対的な民主化、自由などというものはありえない。……他国がどのような体制をとっていても、それを中国に導入するという議論にはならない。……》
《……あくまでも平和発展を目指し、国は大きくなっても覇権は求めないというのが、数千年来の中国の理念であり、現実的な政策だ。……》
ページの中央に程さんの聡明そうなお顔。この人勉強できたんだろうな。でもって仕事もできるんだろうな。そんな感じだ。日本で留学経験も大使館勤務経験もあり、就くべくして就いた今のポストで、言うべきことと言ってはならないことを心得て、インタビュアーを煙に巻いている。格差の許容範囲だなんて。あんたんちいったいどんだけ格差あんのよ。ウチとこだってよそのこと、とやかく言えんけどさ。そりゃ米国流の、どこにでも米国版民主主義を押しつけて、その地独自の文化を踏みにじって民主化するやりかたは誰だって嫌悪感をもつけど、それ以上にあんたんちの内情、ヘドが出るほどひどいってこと、みんな知ってるって、知ってるの? 知ってるんでしょうね。知っていて、しれっと「ありえない」とか「導入するという議論にはならない」とか言ってるんでしょうね。さすがオートフォンクショネールシノワ。そんな控えめなもの言いしなくても、その調子で人口増やしていけば在外人も合わせて20億人も遠い話ではないでしょうし、嫌でも覇権はあんたんちに転がり込むわよ。
仕事が始まってしまった。やっぱあと一週間、欲しいな、休暇。二週間あれば、一週間は私が休むのに使い、もう一週間を母が休むのに充てることができる。けっきょく、私が休暇だろうと夕飯どきだろうとずっと仕事をしている状態なので、私の母は家事から解放されて「何もしない日」というのをもつことができない。冷蔵庫の中の残り物をやりくりしたり、孫娘の帰宅時間に合わせて自分の外出時間を決めたりといったことは、彼女の老化防止に大いに役立っているかもしれないが、たまには「何もしない日」をつくってやらないと突然倒れるかもしれぬ。いつ何が起こってもおかしくない年齢にもなっているのだから。だが悲しいかな、私が仕事や内職をセーヴしたりするととたんに食えなくなる我が家。もうちょっと頑張らないとなあ。ホントに去年は仕事でひどい目に遭ったので、でも今年も同じ仕事をしていかなくちゃならないのだから、改善しつつパワーアップもしないと。でもさ、仕事始めの席に着くとさ、なんか、あああ、て感じで気が萎えちゃう。初日からもう勘弁してよね、みたいな依頼というのか要求というのか有無をいわさず指示が来る。まったく、空気はこんなに清廉なのに、ヘドロのような重い何かを体の中に抱えて帰る。でもね、でもでも、お帰りといってくれる家族がいるのさ。
中国の農村部や地方都市の惨状についての本を読んだり、一方で程さんのような人の「できた」話を見聞きすると、それでも私たちは幸せなはずだと思うし、幸せである権利を行使しなくちゃとも思う。だってあの国で貧困に喘いでいる人たちには基本的な権利さえ保障されていないのだから。そりゃ、こっちの国にしても、何もしようとせずブーたれていたら、アカンままである。だけどその気になりさえすれば「アカンまま」から脱することが(できなくなろうとしているという噂だが)できるのが、私たちの国なのだから。
とはいうものの、やっぱ、始まってしまったと思うと暗くなる。今日は何も思考することができなかったので、マイブログいじりばかりしてました。ああ、モンペリエに帰りたい。