Salon du livre2012/03/15 22:06:50

Préparation des stands du salon du livre 2012 au parc des expositions de la porte de Versailles. Paris, le 14 mars 2012. ALEXANDRE GELEBART/ 20 MINUTES
20minutes.fr というニュースサイトが好きでときどき眺めているのだが、そこにパリのポルト・ドゥ・ヴェルサイユで開かれるサロン・ドゥ・リーヴル(書籍の展示会)のニュースが載っていた。上の写真は準備中の様子。
パリは中世、ぐるりと城壁に囲まれていたので、その名残で地名に「門」(ポルト)のつくところが多い。中心部からはかなり離れていて、門の外はいわゆる「郊外」(バンリユー)だ。中心部でないということは家があまり建て込んでいなかったりしたので、とっとと再開発の対象になり、大きな見本市会場とかスタジアムとか、会議場とか、巨大集合住宅なんぞが建てられたわけである。

日本でいうとたぶんインターナショナルブックフェア、みたいなタイトルがつく出版物見本市は、フランス全国各地で年に何回も開かれている。が、有名なものはやはりパリの、ポルト・ドゥ・なんとか、というまちで開かれるやつが多いような気がする。気がする、というのは、実はこういうことについてきちんと調べたこともなければ、足を運んだこともないからだ。

まだ娘が小さい頃だが、あれやこれやで精神的に追いつめられていた私は、ちきしょー外に出てやる、とフランス旅行を企てた。当時零細フランス系出版社にいたので、休暇は難なく取らせてくれたが、その理由が「アンタたちの顔見たくないからしばし脱出すんのよ」とは言いにくく(笑)、咄嗟に、時期を同じくして開催されると知っていたポルト・ドゥ・モントルイユ(だったっけ?)のサロン・ドゥ・リーヴルに行くのよと、さも仕事にもかかわるでしょ、みたいな口ぶりで言ったことを覚えている。言ってしまってから、そうだいい考えだ、せっかくだから本の展示会を見てこよう。可愛い絵本があるかもしれないし。そして娘を連れて渡仏したのだが、到着2日目か3日目にしてパリの地下鉄でスリに遭い、所持金すべてとクレジットカードを盗られてしまったのである。

そんなわけで、サロン・ドゥ・リーヴルと聞くと、忌まわしいスリ少年の白い顔に記憶が直結し、痛い経験が思い出されて苦々しいのである。
それはともかくサロン・ドゥ・リーヴルといえば、フランスでは必ずと言っていいほど「日本」のコーナーが設けられている。日本の「MANGA」はもはや国際語だが、漫画ばかりがもてはやされているわけではないのだ。現に私の友達の愛読書は桐野夏生と東野圭吾だ(仏訳されているのよ)。私だって読んでいないのに(原書をね。笑)。