いずれ誰も何も言えない世界になる2007/09/11 10:02:42

ある方のブログで知ったのだけれど、ウズベキスタンのイルホム劇場演出家、マルク・ヴェイル氏が9月6日、自宅で殺害されたそうだ。
イルホム劇場は今年来日公演を果たしている。
http://tif.anj.or.jp/program/ilkhom.html


事件についてはざくっとこちらを。↓
http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/DoH/2007031001.html#A1994
http://www.ilkhom.com/english

ロシアのジャーナリストや関係者が暗殺襲撃されている一連の事件と、殺害の手口が似ていると言われている。
ヴェイル氏の暗殺(かどうかわからないけど)とロシアの反プーチンジャーナリスト暗殺とのあいだに共通点があるとしたら、その被害者たちがいずれも「言い(表現し)にくいことを堂々と表現することをためらわなかった」ことである。

世界が必要としている特別な人ほど、「ある人間」から見れば目障りに映る。
たいして必要のない人間は、その代わり誰からも邪魔扱いされないから生活は安泰だ。
どちらがいいのか。
その人にしかできない仕事を成し遂げる、稀有な存在。
いつでも取り替えのきく存在。

私たちは、立場によっては両方でありうる。私の仕事は他にいくらでも替えがきくけれど、家族にとっては私の代わりはいない。毎日実に多くの事件・訃報に接するけれど、取るに足らない命などひとつとして、ない。すべて等しく重いのである。

とはいっても、やはり「今ここで絶たれるべきではなかった命」というのはたしかにある。
ヴェイル氏の死は、あまりに残念だ。