そういえばエスパー魔美は14歳で超能力が開花したんだっけ、とマンガは読んでないけど娘のために何度も録画したTVドラマをちょっと思い出したの巻2009/06/25 20:02:47

今年もこんなのがたくさん生りました♪


『14歳の本棚 部活学園編―青春小説傑作選』
北上次郎編
新潮文庫(2007年)


ついこないだウチの娘が13歳になったばかりだというのに、娘の周辺では次々に友達が14歳になっていく。偶然に過ぎないのだけど、6月から8月に集中してやたら友達の誕生日がある。去年はこの時期100円ショップに駆け込んでストラップや髪留めをみつくろっていたウチのさなぎは、今年はさすがに百均商品1点オンリーで済ませるのは気が咎めるらしく(笑)チマチマためた小遣いを全部はたく勢いで友達のプレゼントを物色している。

(しかし小遣いといっても、彼女には小学生時代には「お小遣い」を与えていなかった。おつかいにやった時に持ち帰ったお釣りの38円とか14円とかをそのまま与える程度だった。中学生になって月に100円、二年生になって200円にアップした。アップといっていいかは疑問だが。皆さんお間違えのないように、去年1000円今年2000円ではない。だからどうやっても次々来る友達の誕生日をクリアできるとは思えないのだけど。笑)

こないだちょっと触れた仲良しのさくらちゃん。彼女も7月が誕生日だ。がんばる中学生の鏡・さくらには、いしいしんじの『トリツカレ男』を私からプレゼントすると約束してある。さくらちゃん家にはたびたびさなぎがお邪魔していろいろともてなしていただいていることもある。
『トリツカレ男』に加えてもう一冊どれにしようかなと物色していて、14歳をターゲットにした本(13歳のとき同様の結果しか、期待はしていなかったが)ってどんなんかいなと、14歳をキーワードに探してみた。

14歳(検索トップは千原ジュニアだった……誰か読んだ人がいたら中身教えてほしい)
14歳からの世界金融危機(そそらないタイトルだ……)
14歳からの社会学(アバウト)
14歳からの哲学(故池田晶子さんの本)
これでいいのだ14歳(バカボンのパパに聞く……とか何とか副題がついてた。面白いかも。笑)
14歳からのお金の話(お小遣いはいくらか、という話ではなさそうである)
14歳からの商い(流行ってるんやねえ、こーゆーの)
14歳からの仕事道(「希望学」の玄田さんの本である。「よりみちパン!セ」シリーズ)
14歳の子を持つ親たちへ(愛するウチダと名越医師との対談。持ってるが、実はイマイチ)
14歳からの世界恐慌入門(だから、そそらないって。意味わからんって)
14歳からの政治(薦めたかないがウチの子は好きかもしれん。泣)
14歳からの日本の選挙(同上)
14歳からの戦争学(だから、それってどーよ)
14歳の危機―自立を先送りする子どもたち―(自立できん30代が多いのは中学生時代に原因があるって話なのだろうか?)
ヴィーナスは14歳(ぷちぴちプルプル写真集。これっ。お母さんはそんな子に育てた覚えは……!)

やはりろくなものがなかった中で(ほとんど読んでないのでそげなこつ言う資格はないが)、一冊だけ光っていたのは本書、『14歳の本棚 部活学園編』であった。実はこの本は図書館の文庫書架の前にボーっと立っていて偶然目に留まったものだった。ちょうど私の目の高さに並んでいたのである。なんとなく引っ張り出して、表紙を見て内心をををををを!!!と叫んでいた。そこには森鴎外、井上靖、大岡昇平の名前が並んでいたのである。

これは中学生を主人公にした短篇もしくは長編の抜粋が編まれたものである。
ラインナップをばらしちゃう。ついでに独断評価を著者名の横に♪
「空のクロール」角田光代 ○
「ブラス!ブラス!!ブラス!!!」中沢けい ×
「ヰタ・セクスアリス」(抄) 森鴎外 ⇒読んでない
「夏草冬濤」(抄) 井上 靖 ◎
「クララ白書」(抄) 氷室冴子 ⇒読んでない
「決戦は金曜日」川西 蘭 ◎
「F列十二番」松村雄策 ◎
「青山学院」大岡昇平 ◎

角田さんのは、えっ終わり?と思うような終わりかたがごく微妙に物足りなかったが、大変面白い一編である。実は角田さんの本を一冊も読んでいなかったのだが、受賞作や評判を呼んでいる長編にいずれ手を伸ばそうかという気になった。
川西蘭とか松村雄策とか、まるで知らない名前だったのだが、それぞれすごく味のある作品だ。そんな中学生いるか?と、思うようなくだりもあるけど、昔は中学生は骨太だったからなあ。この二作品は、石につまずいて転んでよく石を見たら宝石だった、というたとえが適切かどうかは別にしてそう形容したくなるほど私には発見であった。
井上靖の『しろばんば』をこよなく愛する私は、主人公・洪作のその後が気になったまま、続編を読まなかった。なんとなく青春時代に忘れ物をしたようだった。本書の中で、中学生になった洪作と会った。ううう、やはり洪作は可愛いのである。感涙。
大岡昇平は内容に関わらず大岡昇平であるというだけで二重丸。

このシリーズにはあと二つあって、『14歳の本棚 初恋友情編』『(同)家族兄弟編』がある。興味のあるかたはそちらも検索されてどんな本か覗いてみてください。私の場合、『部活』以外はまったく関心を惹かなかった。図書館にはどちらもあったけど、いずれも、表紙の最初に書かれている作家名でアウトであった(笑)。

「14歳」をキーワードに検索したら、当然このシリーズもひっかかった。けれど、ほかの実用書まがいのろくでもない本に隠れて目立たなかった。たまたま「14歳」だから書名検索でひっかかったけど、例えば中学生に読ませたい古今の小説が集められた本を探すとき、どんなキーワードが有効なんだろう? 前も書いたけど、お話の主人公になるにも読者になるにも、かなり中途半端な年代、それが中学生だ。中学生に読ませたい本の主人公はもちろん中学生とは限らないが、主人公が同世代だと感情移入しやすいのは確かだ。
(さなぎは私の嫌いなイシダイラのフォーティーンとか何とかいう本を読んで、たいして面白くなかったけど登場人物が同じ年頃だったから気持ちがよくわかった、などといっていた)

ということで、さくらには本書を『トリツカレ男』にプラスしてプレゼントすることに決めたのである。
14歳は飛躍の年齢かもしれない。さくらは今、心身が充実しているのか「むっちゃテンション高い」(さなぎ談)。先月誕生日だったしのぶには彼氏ができたし。
だけど挫折の年齢かもしれない。陸上部きっての俊足ユウカは、誕生日を前に剥離骨折した。

さてウチの子の14歳はどんなふうに訪れるのだろう。

コメント

_ 儚い預言者 ― 2009/06/26 06:29:16

 おっ ハニー

 現実とは可能性の海である。意識できることはすべて現実である。それは全能であることだ。
 しかしまた制限の、思い込みの世界でもある。自分の解釈がそのまま世界に反映している。
 もともと肉体とは単に魂の表現でしかない。肉体に備わった表現の主(エゴ)が、魂に代わって自分を表現しようした時点で、宇宙が固まったのだ。
 私の主張はこうだ。エゴとは無くてはならない表現の焦点である。魂という舞を踊るには、肉体がなければ、何を現わせられるのだろう。だから本当に問いかけなければならない。
 真に普遍豊饒なることに、特別な自分の役割とは。

 躓きの石とは宝石である。失敗とは成功のことである。気づきが宇宙の本質を顕わにする。

_ midi ― 2009/06/26 10:13:27

ほんとうに、よくぞこの身体によくぞこの魂が宿れり、と思いますよね。生きていることは生まれた以上当たり前だけれどもそれでも奇跡かもしれないと、マイケルの訃報に思う今朝の私でした。

_ 儚い預言者 ― 2009/06/26 11:54:20

 肉体の生死は真実の世界では、ただの衣替えだ。
 しかしです、しかしだからこそ大事なのです。一期一会、そこの急所を押さえれば、どんなことも新たなる光が差し込むでしょう。
 カルマはあります。それは因果応報という、何かをすれば、何かが応えるという、時間のズレを利用したものです。勿論、例外はない。だからいい因果をいい想いをいつも今持ち続けることが肝心です。それには何をすればいいか。案外簡単なことです。楽しむということ。何の状況であっても、それを楽しむという態度。そこには、自分が世界を創造しているという意志があるからです。宇宙の真理は簡単です。共振するということ。自分の振動ないし波動がそのままに世界が応答してくれるということです。
 すべてがあなたの手中にある。それはわたしへの愛も・・・・。

_ midi ― 2009/06/26 15:17:17

そっかー。マイケルも衣替えしたんだね。ぼろぼろだったんだろうな、あの体……。

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