Il a peur des radiations, moi non, je me dis que quand c'est ton heure (de mourir), tu ne choisis pas quand cela doit arriver.2011/04/07 01:17:16

「何でもない日常を平凡に過ごすことがホントありがたいですね」
「そうですね」
「ウチは本社から米と水を(被災地に)送らしてもらいました」
「そうですか」
「私ごとを言いますと、姉が1歳の子どもを連れて里帰りしています、北関東から」
「1歳ですか、それはそのほうがいいですね」
「ダンナは逆単身赴任で気の毒ですが」
「そんな家庭、多いでしょうね」
「多いようですよ。姉のママ友さんたちも、何らかの形で子どもを連れて避難してるらしくて。残っているのは男ばかりで(笑)」
「子どもは放射能から遠ざけるに越したことはありませんからね、賢い選択です」
「いつまでいる気なんだろう、とちょっぴり思ったりしてますが(笑)」
「原発が落ち着いて、漏れるにしても微量だということが確認されればいいでしょうけどね。なんとなく、そんな時は永遠に来ないような、そんな気、しません?」
「長引きそうですよね」
「なんか、一段落して、ああ、少し安心できるかな……と思ったときにドカンとふたたび爆発起こりそうな。そんなことになったら原発を廃炉に導くまでに50年、周囲の自然環境が元に戻るまで100年」
「やめてくださいよ。姉がずっとウチに居るじゃないですか」

ある大手レストランチェーンを取材した時の、店長さんとの会話概略。茶化しておられたが、ほんとうはその1歳の姪御さんが可愛くてしょうがないのだ。「姉は小うるさいからダンナの元へ帰して、姪っ子は僕が預かってもいいかもな」とつぶやいておられた。

「歓送迎会のシーズンでしたが、まったくありません。宴会ゼロです」
「卒業式もままならない被災地を思うと、そんな浮かれた気分になれないのでしょうね」
「そういうこともあると思いますが、それより人がいないんです。ここは土地柄、自衛隊員さんにすごく贔屓にしてもらっていますが、皆さん出払ってしまって」
「あ、なるほど。そういえば不在者投票していましたね」
「宴会だけでなく、普段の寄り合いやグループでの食事にもよくご利用いただいてたんで、その方々が軒並みいらっしゃらないと大打撃です」

自衛隊駐屯地に近い、ある和食レストラン取材時の会話概略。私たちの街の自衛隊のみなさんも駆り出されているのだな。

「なんやのあんたら、なにもかも中止にしてしもて。震災に便乗してサボることばっかり考えて。あんたらはいつも楽しよ、楽しよて、そんなふうにしか考えへん」
「そんなあ。女将さん、そんなことありませんよ。やむを得ず、なんです」
「なにが、やむを得ず、よ。だいたい、昔からやる気ないわなあ」

印刷物制作屋の私はあちこち走り回って各地の「お祭り」を取り上げた。だが軒並み中止になった。それは、不特定多数の人々がぎっしり集まる場所には警察官と警備員が必要だが、みんな駆り出されて出払ってしまって、イベントじたい十分な体制を整えることができないからだ。くだんの女将さんも、いつもならイベントの恩恵にあずかるのだが…………