J'ai mal aux yeux... sacré des pollens !!!!!2012/03/30 19:42:44

……ったくもう、目が痒いったらありゃしない。
私の周囲の花粉症持ちはみな目が痒いと言っている。もちろんマスクをして言う。鼻水・くしゃみの症状もあるわけだ。が、目の痒みは年々ひどくなる一方だという。思うに、花粉症の症状は、発症後数年間は主に鼻腔に症状が出るが、だんだんと眼に移行していくのであろうか。まるで足並みを揃えるように、周囲では眼の症状を訴える人が増えてきた。
「鼻と眼は顔の奥でつながってますから、点鼻薬は眼の症状にも効果がありますよ。もちろん、眼のほうからの点眼薬も必要だけどね」と私の耳鼻咽喉科医は言う。
噴霧された点鼻薬が眼球を覆う上下まぶたにまで届くというのなら(いや、医師はそうは言ってないんだけど)、花粉に反応する受容体も鼻腔から徐々に移動するんだろうか。いやあ、まさか、そりゃ違うだろうな。まぶたはまぶたで、受容体が発生してると考えるほうが自然だな。
私の場合、眼が何かに反応してアレルギー症状を起こすのは、花粉症という言葉がこんなに流通する以前にもあった。それは、ただ私の眼が人より虚弱で敏感な上にコンタクトを装着しているからだと思っていた。この眼の症状にかんする最後の記憶は、忘れもしない、ある秋のことだった。赤子の娘を預けている保育園で保育士と交わした会話。さなぎちゃんのお母さん、眼鏡ってかけておられましたっけ? いえ、いつもはコンタクトなんですが、目が痛痒くて、腫れと目やにがすごくてコンタクトレンズはしばらく止めなさいって医者に言われたんです、時々あるんですよね、こういうことが。そうですか、お大事に、それにしても眼鏡、お似合いですよとっても。
そう、季節を問わずその症状はいきなり訪れ、どうしようもない目の痒みとともに、とてつもなく大量の目やにだとか、止まらない涙だとか、そんなものに悩まされる日々が続き、コンタクトレンズを使えないので学生時代に使っていた古い眼鏡を引っ張り出して昭和な顔になったりしたものだ。当時、花粉症じたいはすでにあったと思われるが、まだポピュラーではなかった。
いわゆる「鼻水・くしゃみの花粉症」は、娘が3、4歳の頃だろうか、遊びに行った動物園で、突然始まった。猿を見てたか象を見てたか忘れたが、止まらないくしゃみと鼻水に、いきなり、襲われた。ゴールデンウイークのさなかだった。晴れていた。暑かった。風邪などひく理由がない。

仕事の関係者にその話をした。
「ちょーこさん、それは花粉症です」
「え? だって、スギやヒノキはもう終わったでしょ? 花粉って3月から4月までじゃないんですか」
彼はふっふっふと薄笑いを浮かべ、まるで最後通牒のようにこう告げたのだ。
「イネ科は今飛んでますよ」

その年から毎年、人より少し遅れてGW前後を皮切りに、私の花粉デイズが始まることとなった。春のその症状が出始めてから、例の原因不明の眼の突発性アレルギー症状がぴたりと出なくなった。あれはいったいなんだったのだろう。起こった理由もなくなった理由も追求せずじまいである。

GWを発症時期の目安にしていたが、それをヒノキのピークである4月初めに修正するのにそう年数はかからなかった。そして、かつてとは異なる痒みや異物感を目に発症するのも、まもなくのことだった。4月・5月・6月と続く花粉デイズは、やがてスギ・ヒノキ・イネの3本立てで3月・4月・5月・6月にまたがることとなる。これってさ、1年の約3分の1だぞ。大きくないかい。

薬を飲み始めるとどうしても体がだるくなり疲労感が増すので、飲み始める時期を後ろへずらそうとつい思う。医師はそれがよくないという。早めに飲み始めるのが結局は楽に過ごすための道なんですよ。ちきしょーめ製薬会社と国の陰謀には加担しないぞ。いや、だからというわけではなく、単に時間がなかったので今年も3月下旬になってようやくかかりつけの耳鼻科へ行った。飛散量の多寡や天候は、あまり関係がないと私は思っている。わずかでも飛んでれば反応する。雨の日は、その日の花粉は水滴が落としてくれるかもしれないが、家も職場も取引先も、昨日おとといの花粉が室内に残ったままである。取り込んだ洗濯物や、同僚のコートが花粉を室内に持ち込む。昨日や今日のようによく晴れて気温も高いと当然よく開花して大量の花粉が飛散するが、明日あさってが雨だからって、インドアライフの私のまわりは花粉だらけに違いはないのである。

そして多数派のスギさんヒノキさんが終わったら、世の中は花粉シーズンも終わったよかったよかったと一気に夏のイベント宣伝へと舵を切る。ったくバカヤローだよ。私の戦いはまだまだ続くというのに。

そんなわけで、例年お岩状態と表現する私の顔だが、今年はどちらかというと、殴り合いの喧嘩をして負けたやんちゃ坊主みたいである。目の周りに丸く痣をつくった顔、あれである。
つい手で目をこすったりしないように自制するつもりで、アイメイクをしっかり施すように心がけているのだが、過剰な瞬きのせいか、夕方になるとメイクが滲んでパンダ目である。
思うに、眼の症状を訴える人が増えているから、「夕方パンダ族」はこっそり増えているはずだ。仕事の後のお出かけには入念なメイク直しが必要なことであろう。

私はといえば花粉症の薬を服用中は禁酒してるんだけど、毎夕ひどい顔になるし化粧直しのパワーもないので、どのみち飲み会なんぞへは足が向かない。まったくゼロってわけにもいかないにしても、約4か月近く外出も晩酌もしない私。これが10年以上続いていることが恐ろしい。何ゆえ私は耐えているのか。ああ、黒ビール飲みたい。

コメント

トラックバック