無印良品がイスラエルに出店2010/08/07 14:21:09

チェチェンニュース #346からの転載。

Date: Fri, 6 Aug 2010 21:54:03
From: "チェチェンニュース編集室"
Subject: チェチェンニュース #346
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■無印良品のイスラエル出店について。
 飾らない愛とはなにか?

 パレスチナ人に対する、イスラエルのアパルトヘイト政策を終わらせるために、世界各地で、イスラエルに対するボイコットの動きが高まっています。ところがそんななか、無印良品が、日本の小売店として史上初めて、イスラエルへの出店計画を発表しました。
 出店が実現すれば、アパルトヘイトを無視して、同じように出店する企業が次々に出てきても、おかしくありません。まるで、南アフリカで「名誉白人」などとおだてられて投資してきた、かつての日本のようになってしまいます。
 無印良品にはかつて、「愛は飾らない。」という、印象的なコピーがありました。気取りのないシンプルな製品を、過剰な包装をせずに提供してきた、無印良品。今回の出店計画は、このクリーンなイメージを、差別主義を土台とするイスラエル経済の中で、パレスチナ人の犠牲の上に利益を確保する企業という、ダーティーなものに変えてしまいます。
 グローバル化と、国家による暴力が続くこの世界での「愛」とは、何なのでしょうか。少なくとも、アパルトヘイトを無視して商行為にいそしむことは、愛からはもっとも遠いはずです。
 多くの人が、無印の製品を買ったり、使っています。これは、無印良品で買い物をしているみなさんすべてに関係することだと思います。ぜひ、この計画に反対する意思表示をしてください。次のサイトに、その具体的な方法が書かれています。
Stop!無印良品キャンペーン
アパルトヘイト国家イスラエルへの出店に反対します。
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(転載終わり)


……とあったので、さっそくサイトへ行ってみた。
※メッセージカードはここから


私はイスラエルに日本の小売業者が出店していないなんて思いもしなかったので、「日本の小売店として史上初めて」という部分にびっくりしてしまった。そうだったんだ。
上記サイトへ行かれるとわかるが、思いっきり「無印カラー」でサイトが作られていて、まるで無印良品の宣伝ページといってもおかしくなくて、でもよく読むと、あ、無印さんに抗議してるのね、とわかるんだけど、ちょっと紛らわしい。

つねづね、イスラエルめ許さん!と憤慨している私だが、無印良品の出店は、いいんじゃないのと思えてしまうんだがそんな私はおかしいのだろうか。このサイトがいうように、無印良品が出店したら日本の小売業に道を拓いてしまい、次から次へと出店企業が後続する、そうなったら、イスラエルの町には日本の小売店満開状態になり、ひいては、日本はイスラエル国家を支持するよという政治的態度の表明に等しくなる、というような状況を産んでしまう……って、そんなの、日本はもうイスラエル国家支持派じゃないのさ。

日本人はパレスチナ問題にほとんど関心がない。それ、どこ?みたいな。イスラエルをぜんぜん知らないかというとそんなことはなくて、だってユダヤの民の国だからね、ユダヤ人といえばナチに大量虐殺された気の毒な民族だから、知らないわけがないもん、『六千人の命のビザ』は推薦図書だしね、であるからしてイスラエルのことは(好意的に)若干知っている。でも、パレスチナのことは、このカタカナ五文字に見覚えはあっても何が起こっているか知らない。

イスラエルはパレスチナを弾圧している。これまで再三起こってきたように、被弾圧者サイドからの抵抗運動(レジスタンス)が当然ある。それが一般に自爆テロと呼ばれる行為だ。自身の体に爆弾をくくりつけて爆破対象に自ら飛び込んで道連れにするという行為を私は絶対に容認しないが、これを自爆「テロ」と呼ぶことに、いつだってとてもためらうのである。国語辞典で「テロル」「テロリズム」などを引いてもらうとわかるが、そもそも政治目的を達成するための暴力的破壊行為のことをテロという。だからどちらかというとイスラエル国家によるパレスチナ人居住地域に対する行為がテロルなのだ。パレスチナ人の自爆行為は弾圧への抵抗である。だからといって絶対に許容されてはならないが、そもそも、どっちが先に仕掛けたのか、をたまには冷静に考えよう、ということがいいたいのである。

無印良品という商品が世に出始めた頃は、本当に「良品」であったので、私も初期の製品をいくつか持っていて愛用している。そう、長持ちするのである。ここ数年は寄りついたこともなかったので今も「良品」なのかは知らないが、ある時期からこの企業は立派なブランドの発信者となり、「無印」なんぞではなくなったので、これは私の感覚だがその名にも製品にも魅力を感じなくなったのだった。

したがって、引用したような、「気取りのないシンプルな製品を、過剰な包装をせずに提供してきた」のは事実であっても、それがことさら「クリーンなイメージ」だとは、私だけでなく、もはや誰も思っていないんじゃないかな。無印良品にクリーンなイメージ、もってます? んで、それがダーティーに変わるというのも、あまり説得力ない。

無印良品だから問題なのではなく、どこが店を出そうが、日本の製品(メイドインチャイナやタイランドだったりするけど)を買って買ってー♪と嬉しそうに陳列する商行為に出ることは、こと差別主義政策をとっている国ではまずいだろうな。「あんなことやってる国で店出すなんて」とためらう人が企業内にまったくいなかったわけでもないだろう。しかし「まずいかもだけど、それでも儲けたい」のが企業である。利潤追求の前には「そんなこと」どうでもいいんだから、そんな人々は、もうほうっておくしかないのである。

イスラエルは、パレスチナの抵抗行為があるたびに、パレスチナ人居住区域への銃撃やライフライン断絶などの制裁を行って報復してきた。近年は何もなくてもしたい放題である。日本では「自爆テロ」ばかりが報道されて、イスラエルによる対パレスチナ人迫害行為はまったく報道されない。それはしかたがない。私たちは米国の核の傘の下にいるので、米国がしかめ面をするようなニュースは伝わらないのである。

無印良品が店を出すなら、子会社による現地採用だけにしないで、ぜひ日本から駐在社員を派遣してほしい。そして日本人の目で見たイスラエルの町の様子を伝えてほしい。イスラエル人のライフスタイルや好みなどを私たちに伝えてほしい。今世界中でイスラエルをボイコットしようとしている、と上記サイトはいうけれど、イスラエルがアメリカ合衆国を味方につけている以上、いくらボイコットしても、この両国が鼻で笑うだけである。
ならいっそ、イスラエル人がもういやよジャパニーズには辟易するわと嫌がるほど、日本の小売店で埋め尽くしてしまったらどうであろうか。日本の小売店がいっぱいある国なら安全ねと日本からの旅行客もきっと増えるであろう。その地に足を下ろしてみないとわからないことはいっぱいある。結果として、イスラエルびいきの日本人が増えるだけかもしれないし、パレスチナへの無理解は度を深めるばかりかもしれないが、何もしないよりはましである。イスラエル行ってきたのよーとってもよかったわ!日本語も通じるのよー♪という人もいれば、もしかして、パレスチナ居住区方面には近寄れないように有刺鉄線が張ってある、とか実際に見てくる人もいるかもしれないし。

イスラエルにとっては、自国を支持してくれる国家の名前に日本が連なることは別に嫌でもないだろうが熱望しているわけでもないだろう。この先イスラエルとパレスチナがどうなろうと日米同盟ある限り、間接的に日本は不動のイスラエル支持国であり、アパルトヘイト支持国なのである。そんなの、世界のどこへ行っても、ちょい情けないけど常識だ。
いずれにしても、上記サイトはなかなか読んでいて面白い。
ぜひ、ざっとでもお目通しください。「よくある質問」だけでも。

パレスチナ人の居住区に出店する計画はないのかな?

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