Listening test2010/12/29 12:01:54

娘がよく私のMacにリスニングCDなんつうもんを入れて英語の聴き取り練習をしている。中学校に入ってから定期考査には必ずリスニング問題が出題されていたし、高校入試科目も、一部の専門学科以外はほとんどがリスニング問題を出題していて、過去問題集なんぞを買うと必ずCDが付録でついてくる。
もっといえば、小学校の国語のテストにもリスニング問題というのが出題されていた。娘が持ち帰った問題用紙を見ると、「放送をよく聞いて次の問いに答えなさい」なんて設問がある。どんな問題が出るのか訊くと、たとえば、児童A、児童B、児童Cの学習発表を聞いて、誰が何について発表していたかそれぞれの主題を選択肢から選びなさいとか、誰の発表がわかりやすかったかあなたの意見を述べなさいとか、そんな感じだ。あるいは、売り声を聞いて何を売っているかとか(笑)、それはテストだったかどうか忘れたが(笑)とにかく、けっこう、「聞く」学習が増えていたように思う。それは、PISAの結果を見て慌てた役人たちが、日本の子どもの読解力が低下しているぞ大変だなんとかしなければいかんぞおっと読解力にすぐれているのはフィンランドだフィンランドはどんな勉強をしているのだろうフィンランドに行こうフィンランドの教科書を使おうフィンランドの子どもたちみたいに勉強させよう、といい、フィンランドの真似した読解の授業なんて私は冗談だと思っていたのだが、ほんとうにフィンランドの教科書の日本語訳が出版されて、ほんとうにそれを使って授業がされるようになったのだった。その流れで聴き取り授業も登場したように思う。が、それとは関係なく、英語の授業における聴き取り学習はかなり以前から実施されていたそうだ。国際化国際化と連呼して久しいもんな、たしかに。もう何年も前だがどっかの大学教授を取材した時、彼がぼそっと言っていたことが記憶に残る。「公立中高卒の子って、英語上手なんだよね。発音もいいしね。なんていうのか、たとえばDo you play tennis? Yes I do.くらいならスラスラって言えちゃうよね。もっと混みいった会話ができる子もいるよね。この点は、私学卒の子に勝るんだよ。でもねー読めないんだよね、長文がね。ついでにいうと書けないんだよね。英作文とか全然。こっちは私学がましなんだ。あ、英作文云々よりさ、日本語作文、全然なんだよね。公立私立関係なくね」。つーことは、公立校では文科省指導のもとに、会話重視の英語学習に力を入れて、道で会った外国人に道案内くらいはできるようになりましょう、それが国際化デビューへの第一歩であるかのように、子どもと教師を鼓舞して英会話マスターの道を進ませてきたわけである。娘の学校の英語の授業では驚くほど長文を読ませる機会が少ない。去年参観に行ったときには、声を出させてばんばん英語で発言させていた。宿題は山のように出るが、疑問文&回答文のコンビネーションを○秒以内でスラスラ暗唱できるように、といった内容がほとんどで、長い文章をしっかり読んで日本語にするとか要約するとか、そんな宿題見たことない。でもねえ、先生、高校入試問題って長文読解がメインなんだけどねーー。ま、いいけどね。今さら遅いし。というか、私は娘が英語できないことを愚痴るつもりでコレ書いてるんじゃなくて、いったいいつから「リスニング」というようになったかなと思ったからである。私が学生の頃も、もちろん聴き取り学習はあったのだが、「ヒアリング」と呼んでいた。そうじゃない? 高校2年生のときの担任は英語科担当で、私は美大系か外語系か進路を決めかねていたのだが、英語が好きならチャレンジしてみろと、若干難易度の高い「ヒアリング学習セット」というのを私のために見繕ってくれたのであった。折しも同学年にアメリカからの留学生が来ていて、彼女と仲良くなっていたこともあり、その「ヒアリングセット」と彼女との会話とで、けっこう英語に浸かった高校時代だった。だが、当時、聴き取り学習を指して「リスニング」という習慣はなかったのである。ところで、くだんの留学生の日本語上達のほうが私の英会話上達より速かったので、早々に彼女は学習相手にはならなくなっちゃった。また、英語ではなく他教科に難点のあった私は外語系への進学は早々と止めたんであった。例があちこちへ飛ぶが、私は英検の受験経験はないが仏検はある。仏検でも「ヒアリングテスト」と言っていたぞ。そのうち、というよりまったくもっていつからかはわからないけどいつの間にか「ヒアリング」というのが「ご意見お伺い」「公聴会」みたいな意味で使われる機会に遭遇するようになり、学習の現場では「リスニング」大勢となった。 hear と listen、あるいは look と see、中高時代からその区別には難儀してたけど、実際どうなん? わかる人いたら教えてー。娘に説明できひんねん困ってんねん。