C'est pas vrai!!!2011/08/25 22:07:43

今日から高校が始まった。正確には昨日からだったが、陸上競技大会があったので娘を含む部員は公休扱いだった。で、今日から。クラスのみんなの顔を見るのは、久しぶりだな。楽しみでもあり、憂鬱でもある。憂鬱なのはもちろん、ベンキョーしてないからだ。休暇明けには提出物のチェックが済み次第テスト攻めに遭う。そんなことは休暇に入る前からわかっていたが、バレエ三昧日本晴れ時々雨でも陸上の練習はあるのよね、というような毎日で、予習復習はおろか、宿題すらこなしていなかったので、ここ数日は凄まじい分刻みのタイムスケジュールでプリントを捌いていた。母の私はヤツの読書感想文用に400字詰め原稿用紙を会社で出力してやったり(手書きで縦書きという指定。家のマックでテンプレートのダウンロードはできてもプリンタがない)、ヤツの800字小論文を会社で出力してやったり(ワープロ打ちでA4横書きという指定。我が家にマックは2台あるがプリンタは1台もない)、相変わらず使われている(笑)。子どものことで時間を費やすなんて今のうちよねなんて自分に言い聞かせてせっせとなんでも手助けしてやってきたが、背丈も態度も「上から目線」になり、「お母さん、やっぱ居酒屋チェーン○○のご飯が安うておいしかったで。お小遣いで足りるし来月また行くねん」などと居酒屋通い(笑)を始めた15歳のデカ娘に振り回されるのは、いいかげん止めんとこっちは身が持たんぜよ、という気になってはいるのである。いるのであるが、ぜんぜん止まんのである。「お母さん、それって正しいけど今はまだするべきでない、みたいなことってなんて言う?」「お母さん、こういうのって変、おかしいと感じた、みたいなとき、なんて言う?」「二次熟語とかでな、知的に聞こえる言い方が知りたいねん」……あのなあ、コピーライターの私を「意味から引く国語辞典」代わりに使うなっつーの。といいながら、お弁当の卵焼きを巻きながら、「時期尚早、とかかなあ」「違和感を覚えた、かなあ」「茶番だ、滑稽な、とかいろいろあるけど意味はちょっとずつ違うで」などと解説してしまうのである。「おおお、今日のお弁当はなかなかカラフルよん」といった自画自賛つぶやきと混ぜながら。

トウシューズはどうなったん? とご心配くださるかたもいらっしゃるのではと思うので後日談。
「あのー予約していたシューズのことですが……」
「入荷予定は10月下旬です」
「へ? はい? 10月?」
「お待たせして申し訳ないですけどー」
「来月初めには舞台なんですよぉ」
「あら、たいへん(ウチの購入履歴を調べている様子)前にお買い上げくださったのはもうダメなんですねえ」
「ぐにょぐにょにやわらかくなっちゃって」
「同じ型番ので、ソールがワンランク硬いのでしたら2足在庫がありますけど」
「え、さらにまた硬いやつ?」
「はい。あ、前回ひとつレベルを上げはったとこなんですね」
「足にきつくないかなあ」
「お嬢さんの足ならいけるかもですよ。ほかには、スーパーソフトしかないですからね、ツーレベル下の柔らかいやつです」
「ほかに手はないですね……それ、硬いほう、ウチのために取り置きお願いします」

「10月下旬入荷やて」
「最悪」
「今履いてるやつより硬いソールのしかないって」
「それならあんの?」
「2足」
「うーん」
「どうする? それ買うて慣らすしか、今回は他に道はないと思うで」
「そやな。わかった。買うといて」

トウシューズのソール(底板)は、皮をニスで固めたもので、力がかかるともちろん、しなる。皮の固め方によって硬さをレベル分けしている。メーカーによって呼称はさまざまだが、S・M・H(ソフト、ミディアム、ハード)の3種類にSS(スーパーソフト)やSH(スーパーハード)が上下について5種類くらいである。インソールの初期の硬度やしなやかさはたいへん重要だが、それだけがトウシューズ選びのポイントではない。柔らかいのを履くのが初心者で、硬いのはプロ、というわけでもない。ボックスの深さやプラットフォームの形、大きさなど要検討事項は政権与党ほどではないが山のようにあるのである。
娘は、インソールは柔らかいほうが好きで、長い間ソフトタイプを購入してきたが、今の店に替えたとき、同じソフトという表記だがずいぶん硬いタイプを買ったのだった。それが思いのほかしっくりきたので、以来、この店で買っている。2、3度他店他メーカーも試したが、やはり現在の店がいい。この夏に買ったときソールの硬さレベルを上げたのだったが、慣れるのに時間はかからなかった。で、これはよいぞと追加注文をしたのだったが。

取り置いてもらっていた2足を引き取った。
「硬いというより、分厚いだけって感じもする」
手にとってソールを叩いてみた娘の感想。
「明日、履く?」
「うん」
うん、といわれたので夜更けまでかかってリボンとゴムを縫いつけた。やれやれ。衣裳のサイズ調整も、シューズのリボンつけも、高校生になったら自分でするしな! と高らかにヤツは私に約束したはずだったが、すっかり忘れ去ったようである。慣らし始めたハードタイプのシューズは「うん、いい感じ」だそうだ。では、軽やかな猫のステップを楽しみにしているぞなもし。