悲しいことばかり2008/10/07 19:03:27

大好きな大好きな俳優・緒方拳の訃報に立ち直れないほどの衝撃を受けている。

(※私は頻繁に「立ち直れないほどの衝撃」を受けるのだが、泣いて寝ても翌日は起きて会社へ出勤しているのでどのような出来事も私を打ちのめすことなんてできないんだなあ、と思ってよく悲しくなる)

つい先日、とある場所でとある映像を観て、そのナレーションが緒方家のある人の声で、声は「ええ声」だがナレーションのしかたがあまりといえばあまりな出来映えだったので、会う人ごとに「サイテーだったよ!」と吹聴しまくっていたのだが、しばらくは口を慎まねば、となんだか沈んだ気持ちになった。あんまり意味ないけど。

緒方拳は『鬼畜』が最高だった。ついでにいうと、岩下志麻も、あの映画が最高だった。

私の父が患っていたのと同じ病気で亡くなったようである。同列に論じては申しわけないが、それにしてもここ数年、70代前半で亡くなる方はほとんどみなさん、若い頃の既往症に肝炎を持ち、肝がんで亡くなっている。医療体制がずさんだった、彼らが20代前半から30代にかけての頃、注射針や輸血で感染したと思われる。いちど黄疸が出て、回復するが、肝炎ウイルスは40年かけて癌へ成長するのである。

もういちど、白髪の老人役で、緒方拳を観たかったよ(号泣)
合掌。

話を変えるが、今日はアンナの命日なんだ。
で、アンナの本の話をしようと思っていたけど。チェチェンニュースにこんなくだりがあったので抜き出して紹介する。

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10月3日の東京新聞夕刊に掲載された「放射線」というコラムに、作家の星野智幸さんの意見が掲載されていた。

「10月7日は、私が世界で最も尊敬するロシア人ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤの命日である。2006年のこの日、プーチン政権の闇を暴き続けてきたポリトコフスカヤは、自宅前で何者かに銃で殺された。(……)今、日露の関係はよくも悪くもない。だが、両国とも「愛国教育」を過熱させており、何らかの摩擦が起これば、相手を敵視することもありうる。そんな愚かな歴史を繰り返さないためにも、私はポリトコフスカヤを読み返す」

紙面では、チェチェンで戦った若き日のトルストイや、明治の知識人、そして現在の戦争と、星野さんならではの視点で追悼が語られている。
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星野智幸さんという作家の本を私は当然ながら読んだことはないんだけど、アンナのことを「世界で最も尊敬する」と形容しておられるという点(だけ)で彼と私は同志であるからして、機会があったら星野作品を読んでみようと強く思ったのであった。

アンナを知ってから、そして彼女が殺されてから、世界は何も変わらないどころか、悪くなっていく一方である。そして次々と、人が逝く。


チェチェンニュース Vol.08 No.11 2008.10.07
http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20081006/1223300258