Septembre, le typhon, la lune, le chat2011/09/03 01:37:32

暑いとか涼しいとかよく降るとか節電節電と大騒ぎした割には電気も足りてるやん、だいいちウチはとっくの昔から超節電状態やねんこれ以上どこで搾れっつーのよとかいろいろ、実りのない世迷い言だけがアタマの前のほうを駆け巡っているのを感じながら、ああ、もっと、アタマの後ろを深ーい思考で満たしたいよなあなどと無理な願いを見えない星にかけたりしているうちに9月になった。

9月の声を聞いたとたん台風である。
およそ、地球が地球であるがゆえに引き起こされる人間にとって手に負えない巨大な規模の自然現象のうちのほとんどが、日本には起こる。地震、津波,台風、豪雨、火山の噴火、洪水、土砂崩れ。よく北米大陸に起こる竜巻は、地形のせいか日本ではほとんど発生しないみたいだ。『オズの魔法使い』のように飛ばされた家の中から外の風景を見るなんてことに憧れた時代はあったが(笑)、風は、怖い。数年前のある日、台風が上陸して各地で警報が出されていたが、だからって経済活動を止めない日本人のひとりであるわたくしは、風にあおられてクチャクチャになった百均アンブレラを閉じ、雨に濡れながらとある交差点に差し掛かったところ、私の少し前を歩いていたご婦人が、横断歩道の真ん中あたりまで到達したとき、彼女が通り過ぎるのを待って動き始めた右折車が、彼女をはねたのである。
ご婦人は気丈にも傘をさしたまま歩いていた。その傘が風にあおられ、いきおいで、傘を離さなかった彼女の体は横断歩道を逆進して右折車の前にいきなり出てしまったのだ。

はねたと言っても車のスピードは落ちていたから、だいじにはいたらなかったようだが。

もろに目撃した私は、以来、風が怖い。

いまも、ひゅうーという恐ろしげな音と、我がぼろ家があちこちでみしみしカタカタ音を立て、明日までこの家保つだろうかと本気で心配になるほど、危なっかしい(笑)。

今日はとくに、猫の様子がおかしい。動物のもつ本能で、危険を予知しているかもしれない。にゃあにゃあとずっと啼いていて、うろうろとあちこち移動しては何が聞こえるのやら聞き耳を立ててじっとしたりする。かと思えば取り憑かれたように何かを追いかける。

私たちの住むまちは、大きな自然災害とは無縁である。影響を受けて、たとえば明日は暴風雨の予想だし、どこどこの神社のご神木が台風でなぎ倒されるとかそんな話は毎年ある。あるが、その程度である。北部ではゲリラ豪雨で川が氾濫して車が流されたとかそういう話は山のようにある。しかし、阪神淡路大震災のときも半端じゃないほど揺れたけど、揺れただけだった。

地球の自然現象は月との引っ張り合いで起こる(と思っている)。猫のひげやしっぽが、大きな自然災害の接近を予知する力があるとしたら、それは、つきつめれば月の引力をも感じるスグレモノのアンテナであるから、ということになるんだろう。悲しいかな、人間はその猫の察知したなにものかを解釈する能力は皆無なのである。