Est-ce que cela marchera? ― 2011/10/05 20:17:30
さなぎと前からランチの約束してたので店の前でヤツを待つ。ドア前のプレートに「水曜日レディースデイ!」だって! これはラッキー♪
さなぎは前期期末テスト中。午前中でその日の試験は終わるが、競技会を間近に控えた陸上部は午後練習があるのでずっと「お弁当を持っていかなあかんねん~」。が、今日はマネージャーは参加フリーのお達しが出たので「お母さん、ほら、前から目ぇつけてた、会社の近くのお店、連れてってえ」。
土砂降りだというのに傘を片手にチャリンコで来た娘。いっとき、危険だからと「片手傘乗り」を厳しく取り締まっていたけれど、やめたのかなあ? 傘差してチャリで走っているとぴぴぴっと笛鳴らされて、「傘を差すなら降りてください。でなければ傘を閉じてください」と拡声器で怒鳴られたり。人通りの多い交差点には四つ角それぞれに警官がいた。ああいうキャンペーンめいたことをするときって、暇なんだよね、きっと、警察。携帯電話で喋りながら走っている子も停められてたなあ。いっとき集中的に取締りをして、効果が現れたってことなんだろうか。でも、傘差して走ってる人なんていくらでもいるけどなあ。私も娘もやめてない、傘。私はケータイ操作もやめてない。というか、やっと、最近、片手で操作できるようになったのさ(笑)。
「テストさ、けっこうできたで」
「ほんま? そらええニュース」
「うん。運がよければ50点ある」
「それは50点満点、100点満点?」
「100点満点。へへへ」
「どっち? 数学、世界史?」
「数学」
「そら上出来。世界史は?」
「無知の知ってゆーた昔の哲学者ってソクラテスやんな?」
「えっ……お母さん、知らん、そんなん」
「たぶん、合うてんねんけど、すぐに思い出せへんかって、アから順番に探してん」
「アからって……アルキメデスとか?(笑)」
「誰それ?」
「いや、忘れてくれ」
「ア、イ、ウ……って人の名前探してて、ソまで来てソクラテス思い出してん」
「それは素晴しい快挙や。でも問題、それだけとちゃうやろ?」
「うん」
「ほかの問題はできた?」
「びみょー」
「ソクラテスだけは確実に得点できたし、けっこうできたってことになんねんな」
「うん」
最近会った、いろいろな友達の話をした。私の友達だが、さなぎが見知っている人もいる。30年ぶりに会って盛り上がる同級生とか、ネット上の活動を通じていきなり親しくなる仲間とか、私の交友の在りかたのある面は、彼女には不思議に映るようである。とくに近頃、家ではMacにはりついて友達とメールしたり、ゆうちゅうぶで古いドラマ見たり、ほしいものを検索したりして、遅ればせながらネットサーフィンの日々を楽しむ娘である。高校生の恋愛相談掲示板みたいなやつも覗いている(笑)。以前、さなぎが開けっ放しにしていた画面を見ると、「先生のこと好きになっちゃった」女子高生が書き込んでいた(笑)。
ネタは何でもいいらしいが、ネット上でのコミュニティーに興味があるらしい。誰か不特定多数と意見交換してみたいみたいなことを言う。
福島第一原発が爆発した直後、あるとても若いタレントさんが「原発反対」を自身のブログで主張して、コメントが殺到して炎上した話をした。その14、5歳の少女タレントさんは、すごい売れっ子でもなかったけど、それで一瞬有名になった(でも私は名前忘れちゃったけど)。そんなこともあって、売名行為とも言われたし、現場の労働者の苦労も知らずに勝手なことを言う小娘と罵られてもいたが、大手電力会社の顔色を窺って何もいえない腰抜けの大人どもに比べて、純粋で素直でまっすぐな意見だ君はエライ、ウチの子にも君の主張を聞かせたい、といった賛辞もあったよ。
というような話をしたり、愛するウチダのブログもかつてはコメント投稿できたけど、ネチネチと難癖つけにしか来ない奴がいて、そいつを叩くために内田シンパがまた暴言を吐くから収拾つかなくなってコメントできなくなってしまったよ、という話もした。また、私が今でも所属している翻訳クラブは会員制の閉じた世界で、志を同じくする人の集まりだからいい加減な人間はいない、とか、またかつて盛んに活動した文章塾は開かれた場だったけど、紳士淑女の集まりだった、悪い人変な人ボケた人は全然いなかった、考えてみれば奇跡だったかも、という話もした。
インターネットの大海には、本当にいろいろなものが泳いでいるし、いろいろなものが浮いている。なにもかもが素晴しいものではない。ゴミもある。ただ、ある人にはゴミに見えるものが、ある人にはガラスの空き瓶に閉じ込められた宝の地図のごとく、有益なものに見えることもある。だから鑑識眼をもたないと、ネットとのつきあいはとても疲れる。
ということをいいたかったのだが、わかってくれただろうか。
学校では、探究という科目の中で情報リテラシーについて学んでいるらしい。しょっちゅう小論文を書かされているが、テーマを出され、インターネットでの事前調査を宿題にされている。キーワードをぽいっと提示されて、そのキーワードだけ追いかけていては堂々巡りだから、「その周辺の言葉を拾って情報範囲を広げていかないとあかん、その際の言葉の拾いかたできっと差がつくんやで」というと、「お母さんはそういう言葉の拾いかた、うまいやんな」とニッと笑う。前にも書いたかもしれないけどヤツは私を辞書代わりに使うばかりでなく検索ワード抽出機としても活用しておる(笑)。最近、鼻が利くようになったのかあまり「なあなあお母さん、○○は◇◇であるということについて調べるときはなにで検索したらいいと思う?」みたいな質問をしなくなった。小論文の採点結果はすこぶるいいらしい。「お母さんに見せたら赤ペンで真っ赤に添削したヤツ、あったやろ? あれ、面倒くさいから何も直さんと出したけど、満点やったもんねー」
呆れた論文指導教師がいたもんだっ(怒)(笑)
それでふと思ったが、中高生向けに小論文塾みたいな場を設けたら流行るだろうか?
*
ところで、今日は百恵ちゃんがさよならコンサートを武道館で開いた日だったって。夕刊紙の「今日は何の日」欄に書いてあった。夕刊を読むのは久しぶりだった。なぜ久しぶりに読んだかというと、弟のコラムが載る日だったからである。で、今日のはつまらなかった。というか、やっぱしヤツの文章はイマイチ独りよがりだ。学生のときからそう言ってやってるんだが、まああの頃よりはずいぶんコマシになったが、さなぎの小論文じゃないけど、アタシが事前に読んだら真っ赤にするところだ(笑)。ま、学者の書くもんなんてみんなよがってるけどな。まだヤツはひよっ子だから許されるんかも。
やっぱ小論文塾、やろか?
コメント
_ コマンタ ― 2011/10/06 00:09:56
_ midi ― 2011/10/06 10:43:17
マジっすか(中高生向けってゆーてんのに)。
さなぎは手ごわいよ(笑)。
_ きのめ ― 2011/10/06 12:58:15
「無知の知は世界の未来を救えるか」
論文担当教授:コマンタ先生
これなら、うちのぼんず2も参加させます(笑)
_ コマンタ ― 2011/10/06 14:14:26
>さなぎは手ごわいよ(笑)。
そのやうですね。さうだ、差し支へなかつたら、試しに、さなぎさんが満点取つたのと同じ課題をぼくに与へてください。同じ条件で答案を作成しますので、それを蝶子さんに採点してもらはう。
(ところで、タイトルのフランス語は「うまく行くだろうか」という意味?)
_ コマンタ ― 2011/10/06 14:20:02
論文は書くのはもちろんたいへん、添削する方はもっとたいへんだと思いますが、できたらいいですね、塾。
_ midi@二日酔い ― 2011/10/07 14:10:53
>(ところで、タイトルのフランス語は「うまく行くだろうか」という意味?)
Oui, c'est ça !
きのめさん、コマンタさん、賛同ありがとう。
真面目に考える気になってきました(笑)。
_ きのめ ― 2011/10/08 08:01:29
「フランス産ワインと非フランス産ワインの文化的考察」
端的な文章とフィールドワークを踏まえた見事な論理構成の小論文でした。
赤ワインのインクで添削仕様と思いましたが、
ええ、ええ満点です。添削しなくても。
息子2はまんざらでもないようです。仕事の合間に真面目に考えてみます。
コマンタさま、
息子1が蝶子先生、コマンタ先生の授業をよろしく、と言ってました。中高生に限ると言ったのですがねえ。
_ midi ― 2011/10/08 11:26:42
若者たちは、勉強する気はあるんですよね。勉強したいんだよ僕は、でもここ(学校とか塾とか)でじゃないんだよね、みたいな。
でも、私自身はインターネット上での学習、みたいなもんには懐疑的です。進研ゼミもZ会もウエブ(オンライン)学習へ移行していますが、筆記用具を持たずに何の勉強ができるっちゅーねん、という気持ちです。
鉛筆でもボールペンでも万年筆でもいいんだけど、ちゃんと「書くもん」を手に持って、紙に筆圧かけて、一字一字思い込めて書くのでなければその連なりの結果としての文章が自分の考えを表すものになるわけがないです。
だから、小論文塾をやるとしたら、遊び感覚、ゲーム感覚です。「知性ちょっぴり耕しごっこ」の域を出ないようにしたいです。(他のかたはともかく)私にとっての文章塾がそうであったように、視野が狭くなりがちな日々の周囲の障子をバリバリと破くような、一種のカンフル剤とゆーか清涼炭酸水というか、その程度の存在。
だからね、先生を置くのでなく、文章塾みたいに各自投稿してつつきあうパターンがいいんじゃないかと思うのよ。
_ きのめ ― 2011/10/08 13:31:11
昨日ね、現場にトラックで材料運んでるときに、ラジオで映画の紹介を聞いたんだ。
フランスのドキュメンタリー映画で「小さな哲学者たち」っていうんだけど。
幼稚園に通ってる子どもに哲学をぶつけるんだそうだ。
「愛ってなあに」「自由ってどういうこと」
とっても生き生き答えたり、ぐっすり寝込んだりするんですって。
でもだんだんと先生が主体の問いかけから自分たちで主体的に考えるようになっていくのが、とっても感動的だった、とそのパーソナリティは言ってました。
シアターキノってところで上映しているので、時間を作ってみてこようと思ってます。
ちょっと一連のことが絡み合って、何かが見えてきそうな気がしてます。
80歳のノルウェイの詩人トーマス・トランストロンメルがノーベル文学賞です。この前の蝶子さんの記事に出てた、ヴァージニア・ユウワー・ウルフのことといい、ちょっとなにかこころうきうきです。
_ midi ― 2011/10/08 14:25:27
「哲学」という日本語はとても好きだけど、この語のせいでものすごく高尚なもの、壁の向こうあるいは高い棚の上のものという印象を与えてしまうんだよね。本当は生まれたときからもっている「問う心」なんだけどね、フィロソフィって。
_ コマンタ ― 2011/10/08 16:41:19
おお!! 息子1君はもう大学生ですか。じゃ、ライバルだな(笑)。小論文の文章塾で競いあうのを楽しみにしています。ぼくは一度北大のキャンパスを歩いたことがあります。広くて地平線が見えた気がします。
_ midi@筋肉痛 ― 2011/10/10 13:47:50
昨日、地域の運動会だったんです……
_ きのめ ― 2011/10/14 13:26:55
あとでURLお知らせします。
どうやって運用していくか検討中。
同時進行でMovable Typeというブログソフトもインストールしてみた。
ブログとしてはこちらのほうが記事を投稿しやすい気がします。
どちらが対応しやすいかうちのぼんず1&2で試してます。
_ midi ― 2011/10/14 22:18:57
ほんとに考えてくれてるんだー。ありがとー。
でもなんかさ、「けっ」て通過されそうな気がするよ。「つまんねー」「しょーもな」とかなんとかゆって。
_ きのめ ― 2011/10/15 10:16:07
まあてごわい少数精鋭(?)ということで。気楽にはじめられるように。
今週も休み無しなので、ぼつぼつといきます。
_ midi ― 2011/10/16 23:42:38
中年も若者もみな総崩れだし、もう子どもに将来託すしかないんだよね、この国。
あ、上で言う中年とは40代〜50代あるいはそれ以上だけどほどほどのところまで、若者とは20〜30代、子どもとは10代以下をイメージしています。
_ コマンタ ― 2011/10/17 14:09:01
_ コマンタさま蝶子さまへ きのめ ― 2011/11/01 00:14:06
本日の記事拝見。過労で瀕死の状態でもバリバリ仕事をやっているようで、とりあえず安心してます。あと2週間、がんばれぇ~!
わたしのほうは昨日あたりからすこし体力が回復してきたかな。
ということで小論文の場のほうは試験運用できる程度で本日開業。
で、私的通信でコメントを使わせてください。
コマンタ様
メールをいただければ小論文の場のURLをお知らせしたいのですが。当方のメールアドレスは変更してません。