Voilà c'est comme ça ! ― 2011/11/15 08:16:48
C'est rigolot, l'histoire des ados ! ― 2011/11/15 19:21:30
『空色メモリ』
越谷オサム著
東京創元社(2009年)
いたってありきたりな高校生たちの、日常のありがちなひと騒動をユーモラスに描いた学園ミステリーである。けっこう面白い。何でも読んでみるもんだなあ、とつくづく思う今日この頃。この越谷さんという書き手のことも、私はぜんぜん知らなかった。ノリのいい筆致で、とても人気があるようだ。本書も、主人公の「桶井陸」という少年が軽妙な語り口でストーリーを引っ張っていく。語りは軽妙だが、彼は90キロを超えるおデブさんで、口の悪いクラスメートからはブーちゃんと呼ばれていたぶられている。彼が自身を形容するとき、読者はたしかに暑苦しいおデブキャラを思い浮かべるのだけれど、デブを十分すぎるほど自覚し、自分のデブさのせいで他者に与える不快感を少しでも軽減しようと身だしなみを整える努力をするさまはとても微笑ましいというか涙ぐましいというかはっきり言うと滑稽であったりするのだが、自虐的なところまでいかないのが高校生らしい爽やかさを残していて好感がもてるのである。
さて、主人公の陸は、メガネをかけた勉強小僧みたいな「ハカセ」こと「河本博士」くんの「文芸部」に、正式入部しているわけではないのに入り浸っている。ハカセと仲がいいからだ。けれども、自分が来なくなると文芸部にはハカセしかいなくなるし、それではハカセも気の毒だし、自分も文芸部の部室以外に居心地のいい場所はないし、来るのやめたら放課後の時間を持て余すし、などなど、消極的な引き算の結果、陸は文芸部に顔を出しているのだ。が、ほんとうは、ここが誰にも邪魔されずに「日記」のような小説を書くことができる貴重な時間であり場所であるからなのだ。陸は日々の出来事を、文芸部のパソコンを借りて綴っていて、それを、決してパソコンのハードディスクにではなく、自分のUSBメモリに保存している。
そう、「空色メモリ」とは、「青春色した思い出」のことではなく、陸が愛用している記憶メディアの名称なのだ。
空色メモリには、陸が毎日綴ったハカセとの会話、顧問の先生の口癖、誰も来ないと思っていたのにやってきた新入部員の「野村さん」、ひょんなことから知り合った女生徒たちの印象や評価や彼女らとの会話が記録されている。絶対に他人に見られてはならない内容、それが「空色メモリ」にはぎっしり詰まっている。もし読まれでもしたら陸は破滅する。
なのに、空色メモリは人手に渡る。そして「全校生徒に公開するぞ」と、陸を苛む何者かからの脅迫メール……。
ストーリーはそれほど突飛ではなくて、もしかしてこれがこうなるんじゃないのかな?という方向にちゃんと落ちていく。だが、これが越谷氏の技なのだろう、実に上手く高校生の会話をポジショニングして、それなりにスリリングかつほのぼのとした学園ドラマに仕立てているといっていい。作家は、男子の視点で展開していくのが得手のようだ。非モテ系の主要人物「ブーちゃん」「ハカセ」にデリカシーのない体育会系のクラスメートを絡ませ、さらに超イケメンのバスケ部の新エースや遊び慣れている風の自惚れ男子生徒など、人物設定に配慮が行き届いていて(行き届きすぎの感もあるが)バランスがいいように思われる。で、「元」女子高生の視点で読むと、対して描かれる女子高生たちの会話や行動に少し無理があるような気もしないではない。派閥をつくりたがり気に入らない子を無視するような典型的な女王様タイプも登場させるが、(重要人物ではないからだろうが)イマイチ描ききれていない。ま、とはいえそうした点が物語の展開を邪魔しているわけでは、もちろんない。
オバサン視点で読んでやはり違和感を覚えるのは、ひとつ間違えれば深刻な問題に発展するはずのひとつひとつの出来事が、「おおごと」にならないまま消化され、「とりあえずこっちへ置いといて」扱いされ、笑い飛ばされている印象をついもつからだろう。高校生の親の視点で読めば、こんなことが娘にあったらあたしゃ相手の少年をただじゃ置かないわよ、と思うようなこと満載。ま、小説だからよいのである。
Quelques idées... ― 2011/11/19 20:45:38
あ、牛乳がないでえと娘が言う。おばあちゃんが朝コーヒーに入れたらそんだけになってしもた、と母が申し訳なさそうに言う。とりあえず今は足りるしええで、と自分のココアに残った牛乳をすべて入れながら娘が言う。牛乳あらへんなあ、と確かめるように母が言う。ええやん、と娘が言う。どうしよう、とさも大変なことのように母が言う。ええやん、ともう一度娘が言う。ちょうちゃん今日買い物行かへんか、と母が言う。行かへんと私が即座に言う。牛乳あらへん、と母が言う。知ってるよと私が言う。あらへんし、とその次の語を継ぎたそうな声で母が言う。このどしゃ降りの中あたしに牛乳を買いにゆけとゆーんですかあーたは、私たちは人間です牛のおっぱいなんざ摂取しなくても生きてゆけるんですっ、と私が言う。そやな、と簡単に引き下がり、ほな明日にしよ、と母が言い、牛乳ストーリーは終結。
雨足はちっとも弱まらない。
今日、薬局に行って買いたいもんがあったのにねえ、サービスデーやし。ちょっと面倒な距離にあるからいつも自転車だが、歩いていってもたいした時間はかからない。だけどわざわざびしょ濡れになるために外に出ることもないやんなあ。しょうがないので部屋の片付けと掃除をする。いや、これは本来しょうがないからすることではなく、日々積極的にしなければならない重要な家事なのだよ、などと言いながら。
夕方、少し小降りになってきた。
行こうか。
どこ行くの、と母が訊く。薬局、と娘が答える。薬局に牛乳売ってるか、と母が訊く。売ってるけど買いませんっ、と私が横から叫ぶ。
傘をさして、娘と歩く。
あれこれと話をしながら歩く。
家事の合間に、私がパソコンとにらめっこしていたのを指摘して、何書いてんの、と娘が訊く。えっとね、原田芳雄のこと、と私が答える。え、それまだ終わってへんかったん、と娘が笑う。うん、でも、やっと終わりそうやで、と私も笑う。
薬局で、娘のダイエット食品と、私の二日酔い止めサプリを買う。お母さんもそんなん飲むようになったらもうアカンな、と娘が言う。こんなん飲んでまで飲まんでええのにな、と私が言う。大げさな飲み会や食事会だけでなく、ちょっと友達と立ち寄ってきただけでも、翌日ひどい頭痛と腹痛に襲われて何も手につかなくなることしばしばで、そんな母親の健康を心配するというよりは、朝ご飯とお弁当ちゃんとつくってくれんと困るしな、と目下超ダイエット中で食事の中身に小ウルサイ娘が横目で私を睨む。超ダンサー向け低カロリーかつ栄養満点必勝献立に文句は言わせませんよと私が唇の端だけで娘に笑う。
暗くなってから、レッスンに向かう娘の背中を見送る。
明日、勝負の日やねん。
な。
まず一勝、しなあかんしな。
ここんとこずっと維持しているベストコンディションをもう数日。
いい緊張キープしよう。
な。
いまここってときにベストを尽くすため、日頃手も気も抜いて生きてるんだし(笑)。
な。
雨が止んでよかった。明日は晴れそうやし。
あれこれ思いながらあくびをひとつしたら、いつものように猫が私の膝へ来て、数分間踏み踏みしたあと丸くなって、くうと寝た。
Elle s'est qualifiée aux éliminatoires! ― 2011/11/21 01:27:09
日曜日、まず一勝しました。
『決戦は金曜日』は大好きな川西蘭の小説。
さなぎの「決選」は「水曜日」。
どちらさまもこちらさまもどぞ静かな応援よろすくおねがいいたしやす。
Enfin elle a perdu, moi je suis completement fatiguee!!! ― 2011/11/24 10:26:05
なんだかもう、かすりもしなかったって感じで(笑)まだまだ未熟でござるということです。はー現実はキビシイ。
応援くださったみなさま、ありがとうございました。
いまは「どっ」と疲れが出て、へにょへにょ~となっておりますが(私もよ)、気持ちを切り替えてまた今日から頑張ります(私は当分頑張らないわよ、もうほんとに疲れたよ)。
学校ではテスト前週間に突入(笑)。こら、勉強しろよ、全然、ほんんんっっっっとに全然勉強してへんやろっ
えーそんなわけでございます。
愛のこもった数々のメッセージ、エール、波動(?)に心から感謝します。
ほんとにありがとう。
へこたれないから、これからも見守ってやってくださいね。
以上とりあえずご報告。
