Hollande, ce n'est pas le nom de Pays-Bas cette fois-ci.2012/05/07 10:35:54

フランスに再び社会党政権が誕生。ミッテランがジスカールデスタンを破って初当選した1981年以来の熱狂(と、かたや落胆)がフランスを覆っている。
La place de la Bastille, le 6 mai 2012. Francois Guillot afp.com
La place de la Bastille, le 6 mai 2012. Francois Guillot afp.com
Discours de Francois Hollande place de la Bastille le 6 mai 2012. (Photo Bertrand Langlois. AFP)
Discours de Francois Hollande place de la Bastille le 6 mai 2012. (Photo Bertrand Langlois. AFP)

なんか、うらやましいね。
あたしも旗振って叫んでみたいよー。

リベラシオン紙の号外の表紙だそうだ
5月7日キオスクで一斉発売されるリベ紙特別版。
(画像のコメントに「号外」と書いたけど日本で言う「号外」とは違いました。失礼しました。訂正します)
「NORMAL!」……タイトルは「ノーマル!」と読まずに「あったりまえじゃん!」くらいのノリで理解してくれ。
あったりまえじゃん。ほんまよ。

社会党政権になったが、日本の社民党(かつては社会党と名乗っておられた)と同列に考えてはいけない。政治の質とか政党としてのレベルの高低をいいたいのではなく、王制を流血で打倒し、その後王政が何度か復活した挙げ句共和政にたどり着いたという歴史をもつ国と、なんだかんだいいながら結局のところ万世一系の皇室を意地になって維持している(ダジャレってみた。えへ)国とでは、政治の役割についての考えかたも自然や社会というものの捉えかたも全然違う。地球上に社会党と名のつく政党は掃いて捨てるほどあると思うが、自由党や民主党や共和党や共産党や緑の党……という名の政党と同じく、その実体・事情は各国さまざまなんである。
だから何がいいたいのかというと、私は社会党支持派ではないということを念押ししときたかっただけやねん(選挙では共産党候補者に投票したりもするけど、共産党員でもないしな、絶対。笑)。もちろん、私の思考回路は中道左派である。でもでも、パキパキの左翼である社会党を、党首として11年率いたフランソワ・オランドが中道寄りであり、ゆえに現社会党が若干中道寄りであり、新政権の打ち出す政策がかな~り中道寄りになることが予想されるとしても、自分がかの地で生活していたら違和感を否めないに違いない。
留学生として長期滞在していた頃、フランソワ・ミッテラン政権は10年を経過していた。バブリーなお気楽国家から渡仏した私の眼にこの国は中央集権の強い社会主義国家に映った。公共施設で働く人々には労働を尊ぶ姿勢や来客への敬意がまったく見えず(それはもしかして今でもそうかな?)、都市には浮浪者、ホームレス、みみっちいスリ、無賃乗車や万引き常習犯があふれていた(たぶん今でもそうだろうな)。社会党政権下で人々は辟易し疲弊し苛立ちを隠そうとしていなかった。
右派政権が続いても同じように人々は疲れ果て、無能な国家元首に怒りの矛先を向ける。オランド政権が何期続くかはわからないけど、政権交代がまた訪れたそのときにまたフランス全土が熱狂するのであろう。

どうなんだろう?
いやその、ウチとこの国の場合よ。

自民党の亜流の民主党に政権が移ったことじたい、私はたいして大きなこととは見ていなかった。ただ自民党が少しは敗北を味わい与党でないことがどんなに「つまらない」ことかを思い知ったであろうことがザマアミロで気分がよかったのはたしかだ。そういう、「あースッキリした。それみたことか首根っこ洗って出直してきやがれ」的な気持ちで自民党をサイナラ~と「見送った」国民はかなりいるやん?
熱意を持って対抗馬の民主党を支持して政権奪取を実現させたというのとは、違うっていう人、きっと多いやん?
なんといっても自民党にいた面々が民主党の根幹を成しているし、自民党の正式名称が自由民主党でもともとは旧自由党と旧民主党の二つの政党の合併の末路、あ失礼、末裔であることに思いを馳せても現民主党は現自民党の親戚というか分家というか……だから政治的志向は似ているはず。そのことは承知の上、政党としても未熟もん、それでも、自民党には辟易していた、疲弊していた、愛想が尽き果てていたから、目先だけでも「違うもん」がほしかった。
というふうに、賢明な日本国民は最初から考えて、民主党をとりあえずは選んだと思っている。だから自民党時代にその総裁=時の内閣総理大臣=いちおう日本の政治リーダーがころころ変わるのに慣れっこだったとしたら、民主党になって同じことが続くのにも驚かない。相変わらず、「そんな狭いとこでハンカチ落としみたいな政治をされてもなあ」的な政権運営だけど、それ以上の、ハンカチ落としじゃなくてせめて「どろじゅん」くらいの政治(どんなんや)してほしいなと思わなくもないけど、ま、無理やろな。――的な心情。

というふうに考えていくと、結局は、現状に飽き飽きしたから「積極的に支持はしないけど、何か違うもんがほしいから」という理由で一票を投じるという意味ではどちらさんも事情は同じということなのね。

次の選挙で、ウチとこの国では何か起こるかな?
次の選挙っていつだっけ?(笑)