Ils sont fragile en tout cas.2012/05/13 03:54:43

久しぶりに美容院ヘ行った。
美容院というところは客を女王様気分にしてくれるところなので、それでなくても普段から〈地球はわたくしを中心に回っているのよ頭が高い控え居ろう〉思考の私にとってはいつにもまして快適満開な場所なのである。毎日美容院でふんぞりかえって生活できたらどんなにかスバラシイであろうか。しかし毎日いても髪の伸びるのが追いつかないので、してもらうことと言ったらシャンプーくらい? それでは滞在時間が短過ぎるなあ(笑)。

美容院で過ごす楽しみの中で欠かせないのが女性週刊誌を読むことである。その内容の濃さと言ったら! そのへんの大新聞なんかよりずっと読み応えがあるのである。侮っちゃいけません。
といって、私が読むのは普段まったく接することのない芸能ネタである。
私は、真面目にこの国のていたらくを憂うひとりであると自認している。子どもたちの未来は心配だし、国土の荒廃に歯止めがかからないのも歯がゆい思いである。微力だが、どんな経路でも何を媒介にしてもかまわないからなんとかさまざまなことがいいほうへ向かうように、自分なりの手は尽くしているのである。
しかしそんな私でも、問題山積みのこの国、この社会をよそに、まったく、よくもまあそんなことで騒いでいられるわねと開いた口も耳も鼻の穴もふさがらないぜっていうようなことで賑やかなのが芸能界である。ジイサンみたいな熟年タレントがムスメみたいな若い女性と結婚するとか長年の事実婚の事実をしらばっくれるベテラン俳優とか二股かけた挙げ句に泣いて詫びる若手俳優とか、こういっちゃなんだが「そのていどのことで」電波や紙やインクを使うなよといちいちドナリコミタイくらいである。当事者はともかく、追っかけている記者さんたち、えらいね。
という、いかにもな内容の記事を平和な気分でたっぷり読めるところ、それが美容院なのだ。

もうひとつ、女性向けの月刊誌……ちょっと判の大きい、あのタイプね。こっちはメイン記事などは面白かったためしがないが、投稿欄とか、連載などときどき見入ってしまう。

今日たまたま見たのは、タイトルと筆者は忘れたが、別れを経験した時により落ち込むのは男か女か、という話だった。結論から先に言うと、筆者の見方では女は男の数百倍も強い、男は平静を装うが実は深く長く傷つき、そのプライドはずたずたにされておるのである、女も深く長く傷つくが気分転換が上手なのである、男は下手なのでいつまで経っても自分を振った相手を恨み続けるのである……そうすることで自分で自分をまた傷つけ、ぼろぼろになってなかなか新しい出会いをつかめないってことがありがちなのが、男なんだそうだ。

この記事をじっくり読ませていただいたところ、「うわ何これあたしのこと?」「げっこれあいつやん」みたいなくだりが山のようにあり(笑)、この書き手はもしや本当に「あいつ」に取材したんちゃうん? と思うほど、面白おかしく数分間を過ごしたのであった。やっぱもっと頻繁に行きたい美容院。

ったく、ずるくってみみっちくってよわっちい動物なんだね。