Je t'aime, Munich!2013/10/17 23:20:22

娘から絵葉書が届いた。アイラヴミュンヒェン! 「ミュンヒェン」だけドイツ語(笑)。

来月の公演で踊ることになったのでいま練習がたいへんなようである。たいへんだというのは、彼女には経験のないコンテンポラリー作品であるということがひとつ。そして使用する音楽を四六時中聴いて音と振りを覚えたいのに、娘のiPod nanoは彼女に持たせたPC(VAIO/Win 8/iTunes 11)とは同期しないことが判明した(とほほ)。それがもうひとつ。さらに、教師から「もっと肉をつけなさい」といわれたそうである。娘は、むっちりついていた陸上競技用マッスルを全部そぎ落とすためにダイエットして成功したんだけど、肩から二の腕だけは落ち過ぎてしまってガリ細なのである。実際の腕力がなくなったわけではないし、春にオデットを踊ったときは細いゆえ弱々しさが際立ってちょうどよいくらいだったんだが、しかし、ふつうに見れば細すぎるぞというご意見には大賛成である。二の腕を細くしたくて奮闘しているご婦人方の多い世の中で、意図してもいないのに必要以上に二の腕の筋肉が落ちてしまって嘆くのは贅沢の極みかもしれないけれども、なんといわれようとも今のままでは全然美しくないのだ、ダンサーとして。しかし、だからといって筋トレでつけちゃうとこれまた全然美しくないのだ、バレリーナとして。さあどうするさなぎ in Munich!


台風が通り過ぎ、一気に朝夕寒くなった。出社時はもうお日さまがすっかり照りつけているのでそうでもないが、退社時はまともに夜更けなので冷え込むことこの上ない。帰路用にダウンジャケット&マフラーが必要である。しかし数日前まで、そりゃ朝夕涼しくなり始めてはいたけど、日中は真夏日だったのに。よくこの寒暖差に耐えるよな、人間。ちょうどいい時候というのは花の命よりも短いのだ。私は昔から、四季の中では秋がいちばん好きだった。自分の名前に「秋」の字が入っていてほしかった。だから将来晴れて歌手デビューした時は(爆)千秋という芸名を名乗っているからなと周りに向かって豪語したものだ。小学2年生の頃だ。歌手への夢はもともとスチュワーデスからすり替わったものだったがその後漫画家へと一気に変容を遂げ、そのあとは漫画家〜絵本作家〜エディトリアルデザイナ〜とマイナーチェンジに終始し、けっきょく何も実現せず、芸名どころかネット上のハンドルにすら千秋という名は使わずに生きている。私がこれほどまでに「秋」に対して執着しなかったせいで、地球は秋を演出しなくなったのであろうか。だとしたら世間の秋愛好家には申し訳ないことをした。したけれども、私が秋への愛をちょっとばかし蔑ろにしていたからってそんな暴挙に出るとは地球もいささか大人げないのではないか? 台風ばかり律儀につくってないで、皆が喜ぶ突き抜ける青空に鱗雲鰯雲飛行機雲、黄金の銀杏と濃緋の紅葉を山に、焼き芋の香りと落ち葉焚きの煙を道端に、そんな秋を地上に届けてほしいんだけど、聞いてるか地球?

次の日曜は満月だけど、狼男が出ませんように。
ミュンヘンにも、出ませんように。

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