Alors, c'est pas ça ce qu'il faut dire maintenant...!!!2011/04/09 22:09:36

で、その入学式のあとには始業式があって、在校生たちも集結して新学期開始の儀式が執り行われたのだが、そのとき、例の内閣総理大臣と文部化学大臣による新学期を迎える中高生へのメッセージ映像が流されたそうだ。


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新学期を迎える中学校,高等学校段階の生徒の皆さんへ
菅内閣総理大臣・高木文部科学大臣からのメッセージ
(平成23年4月6日)

新学期を迎える皆さんへ

皆さん、入学、進級おめでとうございます。
皆さんは、この4月、希望に満ちた春を迎えるはずでした。
しかし、この春は、私たちにとって、とてもつらい春になってしまいました。
御存じのように、3月11日、あの未曾有の大地震と津波が日本を襲ったのです。
皆さんの中にも、ご家族を亡くされたり、あるいはいまも避難所から学校に通ったりしている生徒さんがいることでしょう。
避難所の中では、皆さんが率先して、お年寄りや身体の不自由な方を助け、掃除をしたり、食事の準備をしたりしてくれているという話をたくさん聞いています。皆さんがボランティアで活躍しているという知らせも、たくさん届いています。本当にありがとう。
直接被災をした皆さん。皆さんは、十代のもっとも人間が成長する時期に、この大きな試練に立ち向かわなければならなくなりました。
いま抱えているすべての悲しみや不安から、完全に逃れることはできないかもしれません。でもいつか、皆さんが、その悲しみと向き合えるようになる日まで、学業やスポーツ、芸術文化活動やボランティア活動など、何か一つでも夢中になれるものを見付けて、この苦しい時期を乗り越えていってもらえればと願います。
学校は、あらゆる面で、皆さんが、この逆境を乗り越えていくためのサポートをしていきます。
災害にあわなかった地域の生徒の皆さんにも、お願いがあります。
どうか、皆さんの学校にやってくる、避難してきた仲間たちを温かく迎えてあげてください。すぐ近くに、そういった友達がいなくても、遠く離れて不自由な生活をしている同世代の友達を、同じ仲間、友達だと思ってください。そして、被害を受けた仲間の声に耳を澄ましてください。
この大震災を通じて、日本国と日本社会は、大きな変化を余儀なくされます。この大震災からどうやって国を立て直していくのか。自然と共生して生きてきたはずの日本社会が、その本来の姿を取り戻すためには何が必要なのか。
もちろん復興の過程では、「がんばろう」という元気なかけ声が必要です。しかし、それと同時に、新しい社会、新しい人間の絆(きずな)を作っていくために、大きな声にかき消されがちになる、弱き声、小さな物音にも耳を澄ましてほしいのです。
東北が生んだ詩人宮沢賢治は、科学と宗教と芸術の力で、冷害・凶作の多かったこの東北地方の農民を、少しでも幸せにしようと考え、そのことに一生を捧げました。
どうか、他人の意見もきちんと受け止めながら、自分で合理的な判断ができる冷静な知性を身に付けてください。しかしそれだけではなく、他人のために祈り涙する、温かい心も育んでください。そして、芸術やスポーツで人生を楽しむことも忘れないでください。
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』には、こんな言葉があります。
「僕、もうあんな暗(やみ)の中だってこわくない。きっとみんなのほんとうのさいわいをさがしに行く。どこまでもどこまでも僕たち一緒に進んでいこう」
賢治の言う「ほんとうのさいわい」とは何でしょう。この大きな災害と混乱の中で、皆さんに、このことを考えて欲しいのです。
もしも、それを皆さんが本当に真剣に考えてくれるなら、きっと皆さんは、どこまでもどこまでも、一緒に進んでいけるはずです。そしてその先には、もっともっと素晴らしい新しい日本の国の姿があるはずです。
忘れないでください。一緒に進んでいくのは、決して日本人だけではありません。今回の東日本大震災では、世界中からたくさんの支援が寄せられています。また、この非常時にあっても秩序正しく、理性を失わない日本人の姿に、世界中が驚き賞賛の声を揚げました。私たちは、世界と共にいます。
原子力発電所の事故に対して、危険をかえりみずに立ち向かう消防士や自衛官、電力会社の人たちの姿。各地の被災地で、救命救急活動にあたった警察官や医療関係者、そして何より、本当に命がけで皆さんを守ってくれた学校の先生たちの姿を忘れないでください。そして、みなさんも、もっともっと身体を鍛え、判断力を養い、優しい心を育んで、他人のために働ける人になってください。
日本の未来は、皆さんの双肩にかかっています。
あなたたちのその笑顔、ひたむきな表情が、いま家族や地域の人々を支えようと懸命にがんばっている大人たちに、勇気と希望を与えています。
私たちも、全力で、皆さんの支援に取り組みます。
本当の幸せを求めて、一緒に歩んでいきましょう。

内閣総理大臣  菅 直人
文部科学大臣  髙木義明
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よく考えてある文章だとは思ったが、肝腎なことを何も言っていない。原発事故に関する一連の問題と現状に対する報告と謝罪と今後の対策である。専門的なことを言わなくてもいい。安全だと思われていた原発は実はまるで張り子のトラでした、有効な手だてを講ずることができず放射能をまき散らしています、海にまで汚染水を垂れ流してしまって、日本だけの問題じゃなく全世界に迷惑をかけています、皆さんが外国へ行ったら、日本人だというだけで責められることでしょう、ほんとうにゴメンナサイ……というべきじゃないの?
と思っていたら、武田邦彦先生もおっしゃっている。


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原発  首相が、今、宣言すること
福島原発の処理が長引いているこの時期、私は首相が宣言することは、次のことと思う.

1.
「原発の事故を起こしてしまい諸外国にご迷惑をかけたことを謝罪する」
首相は国民にも謝罪していないが、まずは外国。
2.
「今後は、外国に迷惑をかけないようにする」
具体的には原発の横にプールを掘り、海水に放射性物質を流さない決意を示す.重機を使えば短期間に5万トンレベルのプールはできる。防水工事が間に合わなければ
「日本の大地を汚しても、海は汚さない」
という日本の決意を内外に示す.
3.
「原発付近の農作物、酪農品、海産物をすべて政府が買い上げ、さらに一次産業の活動を止める」
国民の食の安全を確保する。「風評」などと言わずに、放射性物質を含む食材は絶対に国民の口に入れないという決意を示す.輸出も同じ.
4.
「年間1ミリシーベルトを越える可能性のあるところ(1時間に0.1マイクロ以上)の児童生徒を疎開させる」
絶対に子供を被曝させないという決意を示す.すでに福島原発の近くの子供は防空が破れて爆撃を受けている状態だから、戦時体制で疎開させる。
私は是非、やってもらいたいと思う.
(平成23年4月9日 午前10時 執筆)
武田邦彦
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肝腎なことを言えてないことはウチのお気楽娘にだってわかる。
「地震後1週間くらいに聞いてたら、ええこと言うやん、って思ってあげられたけどなあ」
外国からの支援を生かしきれず、集まった義援金の分配もままならず。どっちを向いても問題山積で、何から手をつけろってんだよー、とわめいているナオトカン&his friendsの姿が目に浮かぶ。ぐずぐずしてるうちに原発は腐って崩れる豆腐のように墜ちていく。毎日、危険な場所で決死の作業が続けられていると信じたいが、現場の苦労を嘲笑うように、非情にも汚染物質は大地と海にすっかり広がってしまった。私たちの国土には、もう誰も近寄れない「超聖域」ができあがり、全世界の人びとに、海水浴や海の幸をたやすく楽しめない「異常な海」とつきあうことを押しつけてしまった。何百年かけて償っても償いきれない大罪だ。これは原子力の罪ではなく、原子力を甘く見たアマチュアのあまくだりちゃんたちの罪である。
……なんてことは、中高生でもちょっと意識のある子なら、知ってるんだよっっ


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(前略)
名越康文先生と橋口いくよさんとの鼎談のとき、いちばん感動したトピックは橋口さんが震災からあとずっと「原発に向かって祈っている」という話だった。
40年間、耐用年数を10年過ぎてまで酷使され、ろくな手当てもされず、安全管理も手抜きされ、あげくに地震と津波で機能不全に陥った原発に対して、日本中がまるで「原子怪獣」に向けるような嫌悪と恐怖のまなざしを向けている。
それでは原発が気の毒だ、と橋口さんは言った。
誰かが「40年間働いてくれて、ありがとう」と言わなければ、原発だって浮かばれない、と。
橋口さんがその「原発供養」の祈りを捧げているとブログに書いたら、テキサス在住の日本人女性からも「私も祈っています」というメールが来たそうである。
たぶん同時多発的にいま日本全国で数千人規模の人々が「原発供養」の祈りを捧げているのではないかと思う。
私はこの宗教的態度を日本人としてきわめて「伝統的」なものだと思う。
ばかばかしいと嗤う人は嗤えばいい。
けれども、触れたら穢れる汚物に触れるように原発に向かうのと、「成仏せえよ」と遙拝しながら原発に向かうのでは、現場の人々のマインドセットが違う。
「供養」しつつ廃炉の作業にかかわる方が、みんなが厭がる「汚物処理」を押し付けられて取り組むよりも、どう考えても、作業効率が高く、ミスが少なく、高いモラルが維持できるはずである。(後略)
(内田樹の研究室「原発供養」日時: 2011年04月08日 11:08)
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コメント

_ 儚い預言者 ― 2011/04/10 08:08:37

そうだ、そう、そう。姫とこのお風呂と同じ。コンパッションして、愛と光を送りましょう。
外なる状況は、内なる心の反映。真実は易しいのに、誰も本気にしない。
恐れの本質は、対峙したら、何もない事だと分かるでしょう。
でもここからが肝心で微妙なのですが、いままで隠し、埋もれていた観念、信念も浮上してくるので、大体は諦める。でもそこです。コンパッションして、愛してあげるのです。
時は今、奇跡はあなたの心から。

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