Bravo Monsieur Maja Josida!2011/09/07 19:03:47

ボーっとニュースを眺めていたらこんな記事が目に入った。

《(前略……)吉田は2日の北朝鮮戦でロスタイムに決勝点を決めて一躍ヒーローとなった。しかし、FIFA(国際サッカー連盟)は公式HPで得点者を「Michihiro YASUDA(安田理大)」と表記。吉田は主役の座を安田に奪われ、自身のブログで、「俺Maya Yoshida!!!!!!!!どうしてくれるんだよ、俺の手柄!泣」と悔やんでいた。
 そしてウズベキスタン戦でもスタメン出場した吉田だったが、同サイトのメンバー表には、「Maja JOSIDA」と表記されてしまった。2試合連続で誤って伝えられてしまった吉田を含めて守備陣は安定感を欠き先制点を献上。同点に追いついたものの、吉田にとっては踏んだり蹴ったりの結果となっている。なお、吉田以外の選手名の表記に間違いはなかった。》(SOCCER KING 9月7日(水)15時33分配信、「FIFA公式HP、「決勝点YASUDA」に続き吉田を「Maja JOSIDA」と紹介」より)

「Maja JOSIDA」と書いて、ラテン系言語では「マヤ・ヨシダ」と読む。小泉純一郎「Junichiro KOIZUMI」をフランスのラジオニュースでは「ユニシロ・コイズュミ」と呼んで彼の退任まで改めることがなかった。私たちが「ヨルダン」と呼ぶ国は国際的に「Jordan」(じょーだん、じゃないのよ)と表記する。ただしフランス語では「Jordanie」と書いて「ジョルダニ」と発音する。何でこのときは「ジ」音になるのか、私は知らない。南アフリカ共和国の首都「ヨハネスブルグ」は「Johannesburg」である。英語などアングロサクソン系は「ジョハネスバーグ」と呼んでいる(はず)。フランス語はどうか、というといつも聴くラジオでこの都市の名を呼ばれるのを聴いた記憶がないので知らない。知らないことが多くて申し訳ない。留学時代のクラスメートのひとりヨアンはスウェーデン人でその名を「Johan」と書いたが、周囲から「ジョアン」と呼ばれるのをいつも「僕はヨアンだ」と訂正していた。だから、というか、しかし、でもないな、つまり世界はそういう事情であるからして吉田選手が自分の名を「Maja JOSIDA」と表記されたといって嘆く必要はないということが言いたかったのである。「Maja JOSIDA」と書いた人は「マヤ・ヨシダ」と書いたつもりだったのだから、絶対。

余談だが。
ジョージ君はGeorge、同じ綴りでドイツ語だとゲオルグ君、フランス語だとジョルジュ君になるが、カスティーヤ語(マドリッド首都圏のスペイン語)ではJorgeと綴り、ジョージでもジョルジュでもなく「ホルヘ」と発音する。有名なところではホルヘ・ルイス・ボルヘス(Jorge Luis Borges、本名はもっと長いのよ)がいる。
カスティーヤ語では「J」音を「ハヒフヘホ」としか発音しないので、吉田選手の名が「Maja JOSIDA」と表記されていたらマドリッドっ子は「マハ・ホシダ」と呼んだであろう。たしかに、それは吉田君にとって由々しき問題だな。

カスティーヤ語、というのも「Castilla」と書いて「カスティーリャ、カスティージャ、カスティーヤ」と三とおりの発音がスペイン国内にはある。「L」(エル)が二つ連なるとラ行音でなくヤ行音になることが仏語にはあるので、私はついカスティーヤとゆってしまうが、マドリッド首都圏で話される本場の(?)カスティーヤ語では「カスティージャ」が優勢らしい。かの国の有名な観光地は「マヨルカ島」と私は決めつけていたが、「Mallorca」と書くので現地では「マジョルカ」だったり「マヨルカ」だったり「マリョルカ」だったりするわけだ。で、調べてみるとフランス語ではMajorque(マジョルク)なんだって(英語ではMajorca=マジョーカ)。規則性に富んでいるようでないようでいるようである。


「J」音にまつわる話で忘れられないのは、もう数年前だが、自宅の最寄りのバス停から堀川通を北上する市バスに乗ったときのことである。若いフランス娘のグループがすでに乗っていて、ベチャベチャブチョブチョ騒いでいた。
(ちなみに、日本の若い女の子が騒ぐことを「キャーキャー」と表現したりするのはわりかし音声面で的を射ていると思うのであるが、それに鑑みて、とてもフランスコギャルの騒ぎかたを「キャーキャー」と表記はできない私である。彼女らのお喋りは粘着系のヴィジョヴィジョブジュブジュベチャベチャ~~~という感じである。あんまり綺麗じゃなさそうだが、フランス人みんなが上流貴族階級ではないし、フランス人みんながアカデミーフランセーズに従順なわけでもない。経験から申し上げるが、庶民の話すフランス語は、耳にしても美しくはない。件の若いフランス娘のグループも見た目、お嬢様たちではなかったが、ということは一般フランス女性なのである)

バスが二条城に近づいたとき、城を「二条城/NIJOJO」と指し示す標識を見て娘のひとりが「オー! ニ・ホ・ホ!!!」と嬉しそうに叫んだのである。ニホホ、ニホホ。よほど語感がよいのか(笑)何度も何度も口にして、バス停「二条城前」を通り過ぎるまで「ニホホ、ニホホ」とまるで歌っているようであった。
自国の近隣地域には「J」音を「ハヒフヘホ」と発音するところもある、という知識は、もっていたわけである。

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