ゴジラが出そうな空だった ― 2010/07/16 18:23:11

「宵々山、セピア色に 祇園祭
祇園祭は15日夕、宵々山を迎えた。断続的に雨が降り続いた京都市内では、低く垂れ込めた雲が夕焼けで赤く染まり、町全体がセピア色に沈んだ。南北の観音山や放下鉾などがひしめく中京区・新町通の山鉾町でも、提灯(ちょうちん)のともった山や鉾が幻想的に浮かび上がった。
京都地方気象台によると、西側に立ちこめた雲や大気中に大量に含まれた水の粒に西日が当たり、光が散乱したために起きた現象とみられる。(……)午後10時までの人出は12万人(京都府警発表)で、昨年より12万人少なかった。」(地元紙より抜粋、フォトキャプションも)
昨日の夕方、雨の止んだ空が赤みを帯び、まるで天変地異の前触れのように下界をも怪しげな赤茶色に染めた。一昔前の、毛染めに失敗してちりちりに赤くなった女の髪を光に透かしたときのような、不健康なよどんだ色。陸上競技場のトラックの色に似た粉塵が立ち込めているようで、窓を開けて遠方を見ればそこにゴジラの勇姿があった。……みたいな空だった。
外へ出て西の空の写真を撮りたい気分だったが、とにかくガチガチに原稿山積みで気持ちに余裕がなかった。今日、ひとつプレゼンが終わって、山積み原稿のもとへいま帰社したんだけど、何にも書く気になれなくて(そのわりにいまぐだぐだとブログを書く私)、昨日の赤い空を懐かしんで窓の外を見ている。今、夕方突然落ちてきた、これでトドメだどうだ参ったか的な超豪雨が止み、切れかけた雲の隙間から透き通った青空がところどころに見える。ようやく、梅雨明けだ。
娘は毎晩、お稽古から帰ったあと宵山へ繰り出して祭三昧。私も10代の頃は行かなきゃいけないようにして毎晩出かけた。誰とも誘い合わせなくても、町へ行けば囃し方に父や弟や男友達がいて、粽売りに女友達がいて、パトロール隊に近所のおっちゃんがいた。出くわしたクラスメートに混じって一緒に歩きもしたけど、わりとひとりでくまなく山鉾を巡ったりもした。16日の真夜中になるとあばれ観音が見られるし、各山鉾の御旅所囃子もあるし、なもんだから可愛らしく子どもの時間に帰宅するわけにはいかなかったのである。
それを思えば娘は常識的な時間に帰宅しているなあ。今夜一緒に行くさくらは少し家が遠いから早めに帰宅するだろう。そのあとで「お母さん、もう一回一緒に行こう」と言いそうな気がする。それまでには帰っておいてやろうかな。
さ、原稿書こ。