Toutes mes félicitations ! ― 2011/03/16 01:46:47
こんなときだけれど、子どもたちには心の底からおめでとうを言ってやりたい。この日を無事に迎えることができたことを、素直に、心から、喜びたい。
式典に先立って、全員で、今回の災害で亡くなった人たちに黙祷を捧げた。
また、卒業生を代表して元生徒会長が述べた答辞では、命の尊さを肝に銘じて……と、東日本の大地震に触れていた。
わたしはといえば。
花粉の飛散がひときわ多い日でもあった。でも、晴れ着にゴーグル、マスクでは洒落にならんので、目薬を携帯し、薬も忘れずしっかり飲んで出かけた。隣でも後ろでも、凛々しい我が子の姿を見て号泣しておられたが、なんつってもまだ15歳、手も金も本格的にかかるのはこれからだぞという思いが強いわたしは、念入りにリハーサルを重ねたらしき立派な式典には感動したけれど、号泣して顔をくしゃくしゃにせずには済んだ。というよりも、着物を着ていると、(めったにないことなので)頭のてっぺんからつま先まで極度に緊張するのだろう。感動の涙も出なければ花粉による目のかゆみ、くしゃみ、鼻水も出なかった。しかし帰宅して着替えたとたん、室内にいたのに花粉症の症状が今年度最重篤状態で噴出した。ということは、つねづねいかに緊張してないか、ということだ。例年、この時期はほとんど月光仮面だけれど、そんな姿で重要人物にインタビューできない。その時間だけはプロテクター類を外すんだけど、それで困った記憶はない。やはり緊張していると症状は出にくいのだ。ずるずるくしゃくしゃこりこり、しているときは頭も神経も気持ちも緩んでいるんだわ。
花粉症ではない我が娘は、式典の前半は余裕の表情だったが、最後のほうはもう鼻も頬も真っ赤っか、涙で顔全体をぐしょぐしょにして退場していった。よかよか。今しか流せない涙だからね。
近隣に不幸があったので、我が娘はお通夜に参列し、その足でレッスンに行き、夜遅くに帰宅した。わたしは、ほぼその時間まで目と鼻の絶不調にあえいで寝転がっていたが、ようやく起き上がって一緒にニュースを見ると、静岡で地震が発生していた。
お世話になった人が住んでいるし、友人知人にはかの県出身の人もなぜか多く、たいへん気がかりだが、いまのところ大きな被害はないようだ。
気がかりと言えば原発がこの先どうなるのか、ということが恐ろしい。しかし知識もないので思考できないし、あれこれ情報が飛び交うけれど、信用するものを間違えないように慎重になるしかないだろう。
子どもたちが大人へのステップをのぼろうとするときに、こうした事態を見聞し考える機会を得ていることは、当事者の方々にはたいへん不謹慎で申し訳ないけれど、成長の糧にはなると思っている。願わくば、子どもたちが大人になり、それぞれの場所で役割をもち、社会に何らかの貢献をするときには、十代のときに自分の国を襲った未曾有の大災害にうつして、人事を尽くせる人になっていてほしいと思う。
おめでとう。この春卒業を迎える子どもたちみんなへ。
おめでとう。さなぎ。