Moi, j'adore ces deux mecs ! ― 2011/11/14 18:29:21
今更ですが小出さんの発言をまとめている場所はここ。
■小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ
http://hiroakikoide.wordpress.com/
武田のおっちゃんは時に脅迫めいた文体になるのが面白い。次々出版してるけど、明晰なわりには雑だから、きっと編集者泣かせじゃないかなと想像する(笑)。
■武田邦彦(中部大学)
http://takedanet.com/
全国の校長先生・・・これをどう思われますか?
(前略)
日本人を被曝から守る法律がいくつもあり(たとえば原子力なら原子炉等規制法、放射線なら電離放射線障害防止規則など)、それはいずれも1年1ミリと被曝限度が決まっていることをご存じと思います。
事故の直後は、あるいはご存じなかったかと思いますが、事故から8ヶ月経ちましたから、ご存じと思います。そしてこの1年1ミリが「内部被曝と外部被曝を足した1年間すべての時間の合計」であり、その中で児童生徒に及ぼす学校の影響が大きいこともご存じと思います。
問題は「ダブルスタンダード」であることです。たとえば文科省は1年20ミリと言っていますが、これは「暫定」がついています。また給食などに使う食材はセシウムだけで1年5ミリですから、常識的には1年10ミリです。従って、児童生徒は学校にいて給食を食べると1年30ミリになり、そのうち、1日の3分の1を学校にいるとすると、1年10ミリを浴びます。
1年10ミリとは1年に胸のレントゲン200回分です。
(中略)
関東、東北の学校の校長先生の動きを見ますと、いずれも「1年30ミリの暫定基準の方を採用する」というお考えのようですが、ダブルスタンダードの時代に児童生徒の健康を預かる校長先生がなぜ、被曝量の多い方の基準を採用されているのでしょうか?
日本には「法律や電力が定めている1年1ミリでなくても良い」という学者などが存在することは確かですが、もともと学校は児童生徒に「法律や学校の規則を守るように」と呼びかけて、教育をしているのではないでしょうか? 学校で1年1ミリを守ることはできますし、できなければ疎開をさせなければなりません。
ある学者が「酔っぱらい運転でも年間200人しか犠牲にならない。だからお酒を飲んで運転しても良い」と言ったら、校長先生は法律や規則を無視してそのように教育するのでしょうか?
(中略)
日本の子供はお母さんの宝であるとともに、日本人全体の宝です。家庭ではお母さんが必死に子供を守っておられる重要な役割を負っておられるのですから、学校では校長先生が身を賭して児童生徒を被曝から守り、あわせて「遵法精神」を子供たちに教育してください。
(中略)
ある講演会で「給食を担当しているのですが、保護者から心配だと言われます。そうかといってベクレルを測定する訳にもいかず、困っています」という質問がありましたので、「保護者のかたのご心配はまともです。測れないなら給食を出さないでください」と答えました。
セシウム137の経口致死量は青酸カリの1000倍以上です。つまり毒物が入っている可能性のある食材を給食に出す、その理由は毒物でも何でも給食を出すのが使命だからという間違った認識ではないでしょうか。わたしは「とにかく給食を出すのが私の役割」と思い詰めているような感じがしました。
また給食を心配する子供にいろいろな形で教育者がいじめを行っているようですが、むしろ子供たちが給食を心配している子供(親)をいじめることはいけない、人は自分で自分が食べるものを選ぶ権利がある、理由があれば給食を食べないことはもちろんかまわないと教育していただきたいと思います。
(平成23年11月14日(月))
武田邦彦
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よっぱさんのブログつながりで、たしか「瓦礫マラソン」なんていう非常識な企画が持ち上がって頓挫した経緯を知ったことがある。いくらなんでもそれはないでしょ、と多くの人が考えたのだけれど、それは、地震と津波の傷痕なまなましい中を「スポーツとして健康的に走る」イベントを開催する意味があるのかという、どちらかというと人々の良心とか精神の在りかたとか気分のよしあしとか、そうしたことで取り沙汰されたと記憶している(もちろん安全保障の面でも)。
そういうことで中止になるくらいなのだから、ましてや健康を害するかもしれない、体内に致命的なダメージを受けるかもしれない、そんな環境においては「健康的な」イベントなんてありえないから、わたしは東日本女子駅伝の福島開催なんて絶対中止だと思っていた。当たり前のように中止されるか会場(コース)変更がなされるだろうと、真面目に考えていた。「東日本」にこだわるなら線量の低いどこか別の都市で実施すればいいし、こだわらないなら京都とか広島とか駅伝経験都市に申し入れればいいやん。というようなことを娘とも話していたのだが、迂闊にも私たちはついプロ野球の日本シリーズとかフィギュアスケートに気をとられていたために、夜になってから知ったのであった。
「東日本女子駅伝は福島県で実施された」のである。しかも選手に「後年何か問題が起こっても主催者の責任は問いません」(←文言は正確じゃないと思いますが許されて)と記した誓約書にサインまでさせて。福島県陸協はじめ主催者。君たち。それ、ひどすぎるよ。「人殺し」と呼ばれても文句言えないよ。放射能汚染からいちばん遠ざけないといけない、将来子どもを生む可能性のある少女たちが、屈指の高線量地域をめいっぱい呼吸しながら走ったんだ。なんのためなん? なんで彼女たちは、将来の我が身よりも、福島復興のシンボルや放射能なんか怖くないキャンペーンの片棒担ぎの真似事を選んだん? いったいなんて言って大人たちは、彼女たちを言いくるめたのだろう?
娘やその仲間を見ているとよくわかるが、陸上競技に夢中になる中高生は、ただ走るのが好きで走っているというだけだ。走るのが気持ちいいのである。「期待に応えたい」とか「力を出し切ってチームに貢献」とか、お題目並べたようなコメントをすらすら出す選手もいるが、そういうのは「定型文」として顧問の教師やコーチから刷り込まれているだけで、「走りたい気持ち」とは関係ない。
ちゃんと正確な情報を与えてやって、ちょっと冷静になって考えさせれば、「もし走ったら取り返しがつかなくなるかも、少なくともそういう目に見えない不安に苛まれて生きていかなくちゃいけないんだ」、そうなるとわかっているそんな状態で「わーい♪走ります~」なんて、絶対に言わない。顧問のセンコーがどうしたコーチのメンツがなんだよ陸協のオヤジがなんぼのもんやねん。
だが、当地のムードはまるで違うのだろう。中高生はじめ駅伝選手たちにはそのような考える機会も選択の余地もなかったのだろう。「被災地の復興のために」走るのは名誉なこと、これを断ったりしたら一生後ろ指を差される。そっちのほうを、命を縮めるより恐れたとしても、給食を食べない児童を非国民呼ばわりする教師のいるところだから、驚かないな、たしかに。
コメント
_ おさか@長文です ― 2011/11/15 13:58:45
_ midi@負けずに長文だよ ― 2011/11/15 20:44:20
コメントありがとうございます。
ご無沙汰でしたね。もうお見限りだろうと思っていたから、来てくださって喜んでいます。
orz ← これ、何? すみません、無知で。
私は流されやすく、人の影響をとても受けやすくて、いたって情緒的な人間です。コウモリみたいにあっちになびいたりこっちに隠れたりする、ずるくて、卑怯な思考回路の持ち主です。だから、おさかさんが私のことを「本来知的で論理的な」と思ってらしたとしたらむしろそちらが勘違いでして、正しい方向へ軌道修正されてきているということですから、いいんです。そのまま続けてくださって、以前の印象を修正ください。
地震以来、いろいろなことが変わりましたから……。
東日本大震災と、東京電力福島第一原子力発電所の事故のせいで、こんな私の周りでもごくプライベートなことで小さからぬ変化がありましたから、もちろん、以前の私ではないと思います。というより、以前と同じではいられません。おさかさんの持たれた印象は正しいのです。そのことについて、申し訳なく思われる必要はありません。
また、「おさかさんにクソミソにいわれた」と書いたのは、たまたまおさかさんだけがこのブログで小出・武田両氏に言及なさったからで他意はないことをわかってください。おさかさんが両氏を信用されていないのは知ってます。そういう人がすごくたくさんいることも知っています。なんにでも二極ありますからね。この2人を徹底的に叩いている人々もいますし、それはこの2人に限ったことではないですしね。自分がシンパシーを覚える側の、反対側の極にいる人たちと、一戦交える気は、私にはありません。
彼らについては、私は両氏の発言や書くものを興味深く読んでもいるし、そこから推察される人物像を楽しんではいますが、「信用」しているとはいえないな。だからそのように言ったことはありません。
東日本女子駅伝大会に関しては、やめたほうがいいのにな、絶対やめてほしいなと思っていたのに実施されたことがとても悔しく悲しかったのです。ばかやろー走っちまったのかよー、と当地の事情も知らない一個人がつぶやき叫んだだけなので、そんなに責めないでください。私はジャーナリストでもなく研究者でもなく、まして放射線医療の専門家ではありませんし、陸上競技のアナリストでもありません。ここは匿名の、中年女が時間のあるときだけ気晴らしに好き勝手なことを書き散らす場所なので、放射線量の正確な値や情報のソースや議論の裏づけのないことなどを攻められたらぐうの音も出ません。いろいろなところでいろいろな方々が書いていることにふらふらといつものように「影響されて」書いたのです。読んでくださったおさかさんのご気分を害したことは事実で、たいへん品のない行為だったかもしれません。でも私は「その程度」の認識でこのブログを好き勝手なことを書く場と位置づけているので、ここでは、私が私である限り、何を書いてもいいと思っています。
埼玉県のことはほとんど情報がないので(東京のことはよく報道されてますけどね)、残念ながらどういう様子かわかりません。関東地方の放射能汚染マップはときどき見ていますが、見たからといって私が得るものは、正直何もありません。ただ私のブログの、私が把握している読者の中には関東・東北方面へ頻繁に動く人がいるので、ときどき注意喚起したくなる、単なる気まぐれなおせっかいです。
おさかさんがおっしゃるようにごく部分的に濃度の高い地域があるようですが、だからって、ねえ。どうしようもありません。群馬や栃木、茨城、山梨、そして東京在住の友人たちはときたま状況を教えてくれます。状況の語りかたは、友人たちそれぞれ、なんですよね。便りのひとつひとつが、送り主にとっての真実であると考えて真面目に聞いています。
埼玉のことは、今回のようにおさかさんがおっしゃってくださらないとわかりませんでしたから、感謝します。平穏に毎日を過ごされているなら何よりですし、よく熟慮された結果の平穏であることも喜ばしいと思います。私は、各地の皆さんがどんなにか努力と工夫を重ねて日常を送っておられるか、とてもじゃないけど「わかっています」なんて偉そうにはいえないけど、想像してはいます。並大抵ではないだろうとも思うし、意外とどうってことないのかも、とも思います。
京都の、私の周囲のことをいえば、ほんとに、震災の「し」も原発の「げ」も放射能の「ほ」も話題に上りません。誰もが新聞を読み、(ウチにはないけど)テレビを見て、インターネットで細かな情報を得ているでしょうけど、口にしません。当事者でない限り軽はずみなことはいえないと思っているのか、いったん口に出して議論になれば終わりのない蟻地獄に落ちるかもしれないことを恐れているのか、単に関心がないのかはわかりませんが、とにかく、ひとことも、ないです。あ、もちろん、プロの報道機関や識者等の発言や、学生、NGOやまた一介の市民たちが被災地のために行動し発言しているということは別にして、ですよ。
私は日々仕事に忙殺され、友人と語り合ったり、エスカレートして口論したり取っ組み合いの喧嘩をしたりということに進展する可能性がまるでないので、ときどきマイブログに吐き出したりします。
でも、ただそれだけのこと。そのことは、無理にとはいわないけど、おさかさんにわかってほしいなと思わなくもありません。
なんかさー、なんか書いてはおさかさんに「おめー何言ってんだあー」って叱られて「ふえーん」って言い訳してる、という構図ばかりのような気がするなあ……。
いきなりこんな気分ですわ…あの、midiさんどうぞ落ち着いて。
前も言ったかもしれないけど、あの地震以来
midiさんは以前のmidiさんじゃないです。
子を思う母の心が、本来知的で論理的なmidiさんを
狂わせてる。大変申し訳ないけど、私にはそうとしか思えません。
えーと何から言っていいのかわかりませんが、
私が小出氏や武田氏を受けつけないのは、肩書きではなく
単純に言っていることが信用ならないからです。
事実やデータに基づく本当のことと、自分の考え・推測にすぎないことを
巧妙に混ぜて話している。よほど気をつけていないとどちらなのか
わからない。
悪意はないのでしょうが、不安を煽るようなことを、自分が責任とれる
範囲以上に言い過ぎている気もします。
本当に真摯な思いで訴えているのであれば
無力な母たちに本を売り講演料をとるのではなく、
国や東電に正面から喧嘩売れと思います。
大々的に避難キャンペーンを張るとか、現地に滞在して、
子供たちの生活を逐一指導するとか、
ここまで有名になれば出来ることは多いと思うんだけど
そんなことこれまでしてないしするつもりもないみたいよね。
テレビやラジオにはまめに出てるけどさ。あ、最近は少ないかな。
とにかく私にはあのお二方は言い逃げしてるようにしか見えない。
福島のマラソンの話ですが、これも・・・ため息しか。
高線量って、どこがどう高線量なのでしょうか。
空間線量は毎日新聞やネットに出てると思うんですが、
それのことではなくて?どなたか「正確に」測られたのですか?
あとマラソンに限らず何らかのスポーツを行う場合、
(特に大会などは)
誓約書めいたものは取ります。
うちの子供のスイミングでも、何かあったときの責任云々は主催者には問いません
というようなの書かされますぜ。
その類の書類じゃないの?
福島は放射線量が他の土地より高いからその障害がもしかしたら出るかもしれません、それでも文句言わないでね、て書いてあったんですか?
一次ソースを探したんですがわかりませんでした。midiさん知ってるなら教えてくださいませ。
私は埼玉ですが、西から見ると多分いっしょくたなんでしょう。
高い線量出た地域も県内にはありますからね。
なので乱暴ですが私も「当事者」として言わせてもらいましょう。
私たちは現在おおむね冷静に、平穏に日々を送っております。
(給食拒否する子は周りにいないし、東北からの転校生もいますが、今のところいじめの話はまったく聞きませんね)
しかしそれは何も考えてないわけでもなく、
安全だと思い込もうとしているわけでもなく
いろんな情報を見聞きし、考え、判断している結果であると
いうことをわかってください。
その内容は誰かに声高に主張する類のものではないし
まして強要するものでもない。だから、他人が他人の責任で行なっていることをあからさまに批判したり嗤ったりすることも、しません。
福島に一歩でも入ったら被曝する!と心配なのであれば
入らなければいい。それは自由。
だけどそう思っていることを周りにアピールする必要はありますか?
福島で懸命に活動している人を「人殺し」などという根拠のない言葉で貶める権利はどこにあるのですか?
ひとつひとつの事実を、耳触りの良い言葉に惑わされず
シンプルに考えてようと思っています。
日々揺れてはいますが、中心がブレないよう、今後も踏ん張っていこうと思います。
長文失礼しました。