Il pleut, il pleut, il pleut...2013/03/01 20:27:35

よく降るなあ。

ひと雨ごとに暖かくなっていけばいいけれど、これがまたきっとどこかできゅうっと冷え込むんだよね。三寒四温なんていっても、その寒暖差が激しいもんだから、衰えゆく身にはキツイったらないよね。

今日は、生ぬるい感じの一日だった。
ずっと寒い日が続いていたのに、昨日今日と生ぬるい。いつものように着込むと、知らず汗ばむ。暖房をゆるめたり止めたり。
などしていると、雨が本降りになり、ぬるくなっていた空気をすうっと冷やしていく。
寒う……。

予報によれば、明日からまた寒い日が続くそうだ。


さて。
昨日までマジ、ウルトラMAXモードだったが、おかげさまで、収束に向かってコンセントレートを緩めております。来週アタマにひと山、ケリがつく。引き続き別件の山が続くが、全社よりはずっとなだらかな山。ただ、なだらかなのが災いしていつも、下り始めたように見えて実はやっぱし登っていたり、いい加減下山どきなのにちっとも転がらなくて足取りが鈍くなる。そんなこといってるとまた険しい次の山が眼前に迫る。ああ、ヤダ、もう、こんな生活。

なにはともあれ、明日とあさっては家事MAXモードにならなきゃ。



ハイ、娘は無事、23日土曜日の朝、帰国しました。結果は悔しいばかりだったようですが……。そのわりにはお土産、びっくりするほど買ってきた(笑)。取りこぼしのないように、友達全員にいきわたるように。だもんで、いきなり家の中のそこここに、お菓子の山(笑)。


本番の舞台では、音がうまく取れなかったみたいだ。
リハーサルを、主催者側の段取りの悪さをもろにかぶって、させてもらえなかったのが響いてしまったと。A・Bのうち1曲しかリハできない、と言われたから「Bで」と依頼すると、その後「2曲ともリハできるようになったよ」と通達され、じゃ、AもBもリハしようってことで、Aを踊ったところで、「やっぱ無理。1曲でおしまい」と悪魔の宣言。本当にリハーサルしておきたかった曲を一度も踊れずに舞台に立たねばならなかった。
もちろん、そんな目に遭ったのは娘だけではなく、出場者全員が被っている迷惑な話だ。
けっきょく、そんなアクシデントがあっても(こんなこと日常茶飯事らしいから)、ぶれずに踊れなくてはならないってわけなんだな。
もちろんウチの子も、「頭の中で合わない音に、何とか体が反応して取り繕った」らしいから、急場しのぎで最大限の努力、というより小細工はした、らしいが。

悔いは、残るなあ。

「2曲ともできるよ」といわれても、そこでやりたいほうの曲を優先して、エントリ順は違うけどBから先にリハします、と言うだけの機転と図々しさが必要なのね。
もっと場数を踏まにゃ、だね。

それにしても練習不足だった。
早くにエントリーを済ませていたのに、渡航2か月前くらいになって演目を変えるように主催者側からの要請。こちとら24時間練習してるプロダンサーじゃないんだから、あと2か月を切った時期に新しい演目なんて……と、その時は本人も親も教師も皆落ち込んだ。が。当の本人が逆境に強いので(笑)、なんとかへこたれずに頑張ったけど。
物理的な練習時間不足は否めない。

今回のコンクールで受賞した子に聞くと、踊った演目はもう3年くらい繰り返し練習している曲だという。そりゃ、その曲の人格になりきれるよね。素晴しい踊りだったそうだ。でも我が姫は「そうかもしれんけど、たぶんウチはそんなん途中で嫌になる(笑)。いろいろいっぱい踊りたいもん」
そやな。

そら、あたしも思うわ。3年かけたら、ダイアナだろうとスワニルダだろうと、キトリでもオーロラでもジゼルでも、パキータ、エスメラルダ、ドルシネア、シルフィードやリーズやオデットでも、オディールメドーラガムザッティアレルキナーダだろうとなんだろうと、うまく踊れるやろ。てか、踊れんでどうすんねん(笑)。


そんなわけで、またしても課題がたっくさん積み上がっちゃった娘は、やったるでえと言わんばかりに今、次のステップをどのように上がるか模索している。まずは4月の発表会できちんと踊ること。これがまたあまりに大きな壁なんだが、超えたら大きな達成感があるはず。それを糧に歩けば見えてくるだろう。

頑張れ!

J'ai enfin arrangé le sapin de Noël.2013/03/04 01:02:10

この週末、やっとクリスマスツリーを片づけた(笑)。
あまり綺麗に撮れてないけど、すっかり我が家の定番になったサパンドノエル。娘がまだ小さな頃に、店舗ディスプレイの仕事をしてる友達が手配してくれたものだ。

だから、ウチみたいな天井の低い日本家屋には、過剰なほど、ギャグにしか見えないほど、ばかでかい(笑)

でも、私も娘もこのサパンドノエルをこよなく愛しておるのじゃ。
初めてこれを飾った年には、ただただ見上げるばかりしかできなかった娘は、今やほとんどこのツリーと同じくらいの背丈になり(いや、正確には15センチくらい負けてるけど)、飾りつけも彼女が「上部担当」。
プラスチックでできた枝葉だけど、御苑や植物園など松のあるところへ出かけては拾い集めたまつぼっくりをくっつけると、にわかに「樹木」らしさが増す。
電飾がなくても、十分美しい。

吹き抜けからの日光が当たって、白く光っているが、雪化粧を施しているように見えて、これまた美しい。昨日・今日とまた極寒に逆戻りで、ずっと雪が舞っているわがまちである。
まつぼっくりと林檎の実の同居という、世界中探してもここにしかない、ほかのどこへ行っても出会え得ない、希少樹木(笑)。

リンゴのほかには単なる赤い玉飾り、赤いフェルトのサンタクロースなどいろいろあるけれど、赤い色のないツリーもほれ、こんなにシンプルで美しい。上の写真は、ちょっと下から見上げて撮ってみた。


さて、みなさんきっと、お気づきだと思う。
これら一連の写真は、昨日行った「ツリーのお片づけ」実況中継ではなく、「飾りつけ時」に撮影した写真を順番逆にして並べたものである。
飾ったのは12月の初め。片づけるのは2月の終わり。これが我が家の恒例である。なんでこうなったか、理由はいろいろある。その1。これをもらった頃、今とは別の職場にいたが、暮れにアホほど忙しくなるのは日本中どこにいたって同じざんしょ? だもんで、初めて飾って、大きさと美しさに感動して、3週間程度で仕舞うのがもったいないと考えて、娘の誕生日まで置いとくことにした。フランス滞在中は、ノエルのために飾りつけられた街路や店舗が復活祭まで全然そのデコレーションを変えないのをそこかしこで見たので、それも根拠になっている。その2。こんなにバカでかいので、飾りつけるのは結構骨が折れる。なもんで、はっきりいって片づけるのが億劫である。だいいち、その昔は体力あったけど、娘が全然役立たずだったのでほとんどひとりで全部やんないといけなかったからしんどかったし、今は、結構役に立つ娘と一緒に飾るが、体力じたいがなくなってきて、ずっと立ちっ放しもキツイし、オーナメントをとるためしゃがむ、ツリーにつけるため体を起こす、という動作の繰り返しで翌日体が言うことを聞きませんわ状態になるのである。クリスマスを過ぎた年の暮れにそんな事態になっては、肝腎の正月準備が何もできないのである。いくらクリスマスツリーが美しくても、正月準備とは重要さが比較にならない。だから体力を片づけなんぞに消耗しないのである。正月準備に使うのである。
で、みなさん再びお気づきと思うが、年始の我が家には正月飾りとツリーが同居しているのである(笑)。滑稽きわまりないけど、ええんである。


まあ、その、どうでもいい話で、申しわけないのである。
というか、こんなどうでもいい話を延々とし続けて、それで幸せで、それでいいやん、という世の中だったはずなんだが、そんなわけにいかないのが今の私たち。
考えて、議論して、なんとしても極右ジミントーのワシらが好き勝手やっちゃうわ政権を潰さなくちゃ。
潰して、また、どうでもいい話をのほほんとしていられるにっぽんに戻すのである。

気合い入れたところで(笑)Bonne nuit, bises !

Ils savaient tout. Mais ils n'avaient pas le dit. C'est dure. Ils sont absolument responsable, je crois.2013/03/05 13:19:19


また、3月11日がやってくる。
もう、2年も経つのですね。
生きていかなくちゃならないし、よりよく生きていきたいと誰もが思う。よりよく生きていくための道筋が幾とおりか示されて、選択の幅や余地があるなら選ぶ本人にも若干の責任はあるけれど、いまあるのは選択肢のないぎりぎりの生。「こうするしかしょうがない」という条件的に底をついたかたちでの、我慢を強いられての、生。ならば、せめて、法律をつくったり変えたりする立場、制度を整える立場にある人々が、ひとりひとりの生きにくさや生きづらさの軽減のために、もっと誠実に働いてほしいと思うのだけど。

***

2013-03-05
〔イアン・アッシュさん 2011・3・15 東京 停電の暗闇の中からの映像レポート〕 3・14の記者会見で日本の放射線医学の専門家は在京に外国人に、こうアドバイスしていた、「できるなら日本から逃げたほうがいい!」
「机の上の空 大沼安史の個人新聞」より
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2013/03/post-65ee.html

動画はここです。イアンさんのサイトへのリンクもあります。
https://www.youtube.com/watch?v=S4j4C9nixic

***

医師たちは最初から「やばい」とわかってたんだよね。なのに言わなかったし、今も言わない。医師としての良心がどこにあるのかって話になってきちゃう。放射線医学の分野に従事する人たちが、もっと積極的に発言してほしかったと、今でも思う。医療で放射線を扱う人たちだからこそ、その発言には説得力があったはず。高度先進医療のニーズも高まっているこのご時世、みんなが放射線を怖がったら困るとでも思ったのかな。広島、長崎の原爆被爆者や、チェルノブイリの被曝者治療にあたってきた医師たちの発言とはまるで正反対の見解しか出さなかった。その罪は重いよ。
「だいじょぶだいじょぶ、どうってことない」
それは彼ら自身の信念かもしれないけど、もし、ほんのわずかでも「危険かも」と思ったのならきちんと発言してほしかった。ガイジン向けの会見でぽそっと言うだけじゃなくて。なんでガイジンには逃げろと言って福島の人には言ってくれなかったのか。
その罪はほんとうに重いよ。

私もそうだけど、基本的に、医師の言うことは絶対であり、信じたい、みたいな「医師性善説」がこの国にはあるよね。権威に任せて好きなこと言っている某山下とかをいまだ信奉している人々もいるわけだから。でも、そのことに胡坐をかくなと言いたいよ。
まあねえ、実際、こんなことにならなかったら某山下はそれはそれは立派な大先生のまま生涯を終えることができたでしょうよ。ふん。

良心ある医師が、危険や悪影響について自身の知見をはっきり言えない事情を抱えているとしたら、その医師の問題ではなくこの国の医療界に巣食うビョーキのせいだよね。まあねーこんなこと言ったらミもフタもないけど、医療界+製薬業界+お役所+大手メディア&広告代理店っていわゆるムラだもんね。花粉症利権もしかり、だし。原子力ムラともムラどうし仲良しのはずだし。


こちらにも同感です。

***

何故、医師としての被曝対応が、日本の医者はできないのか。首都圏スポーツ関係男性に相次ぐ突然死。
2013-03-05 06:43:23 

ずっと思っていたことを書きます。僕は、バンダジェフスキー博士を来日させた時も、ずっと思っていました。そこに集まる医師たちの大半はなんなんのか。彼らは何がしたくて、集っているのか。

カルディコット博士の後も感じています。

最初から、来ないタイプの医師は論外とおもっています。少なくとも、本人の知見をきちんと確認すべきなのに。

もちろん、そうして集っている医師の方が、被曝問題を認識はしています。でも、それだけです。それで、いろんなデータを探して、集めて、この問題の批評をおこないたがっている人たちが多いです。

どちらかというと、放射能の問題に関心がある医師としての立場が大切なのかという方が多いです。

批評がただ悪いとは言いません。でも、そんなことは、汚染地では二の次だろうと僕は思います。汚染地である以上、健康被害が実際におきているのかどうかを、診ていくしかありません。細かく、一人一人の患者をチェックし、チェルノブイリ後に、ヨーロッパの医療機関がとってきたような、スクリーニング感覚を現実の患者たちに対応していくしかないと思います。まず、リスクを避けるためには、それしか医療的な対応はありません。

この被曝という時代に、これは、被曝なのかどうかというご高説をのたまうよりも、被曝症状に類似する可能性がある健康症状を、被曝影響かを前提として、考え続けるしかないと思います。被曝影響という要素を加えて、患者に向き合うしかありません。そうして初めて、患者への対応がうまくいくのが、被曝後、この時代の在り形と思います。

そして、そういうふうに立ち向かっている医師が、首都圏で圧倒的に少ない現実に驚かされます。

反原発の医師の中には、被曝影響を認めない人は確実にいます。それどころか、チェルノブイリで救援的な動きをした医者の中にも、今回の被曝を軽視しようとする感覚が強い事例があります。

本来、こんな悠長なことをしている時間の余裕はありません。

まず目の前の患者を確認してください。おかしな事態が起きているのかどうかをきちんと確認してください。

診療行為の中で、患者の肉体を見続けると、思わぬひび割れが目につくのかどうかということです。悪い兆候を見落とさないで下さい。あなたたち1人1人に、そういう医療をすすめて欲しいのですが。残念ながら、日本の医師は教わっていないことに鈍感で、踏み出そうとはしません。それよりも、プライドやデータ情報が優先します。

今の日本の被ばく状態が、どうなってくるかという、現場のつきつめの方が大切なんです。二次的な情報の評価などどうでもよいです。それよりも、目の前の状況を精査できるのかどうか。その現場感覚で、考えながら診察にあたる医師がどのくらい日本に存在するのか。

僕はこれが悲観的になりがちです。ごめんなさい。
(後略)

木下黄太のブログ「福島第一原発を考えます」より
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/b938fa74a2bfec0df539b4a49fa7f35a?fm=rss

***


先日、ウチの近所にも回ってきていた空き缶回収のおっちゃんが逮捕されたのよ。「空き缶回収のおっちゃん」とはつまり、ホームレスで、回収した空き缶をアルミ再生工場へ持ち込んでわずかな収入を得て生きる糧にしている人のこと。ああいうのにも「縄張り」があるみたいで、ウチの近所にはいつもおんなじおっちゃんが来てたんだよね。我がまちでは、資源ごみの回収はいくつかに日程が分かれてて、普通のプラゴミ回収の日とは別に「ペットボトル+アルミ缶+スチール缶」の日がある。その日に、各家庭からゴミが出されて回収車が来るまでの数十分のあいだに、アルミ缶だけを、出されたゴミ袋から抜き取っていく。たいへんな仕事だ(笑)。そうしないと生きていけないわけだし、またあるいは、それが彼の選択とはいえ、ね。一度その手際を見たことがあるけど、みごとなもんよ。ぐずぐずしてたら回収されちゃうしね。
でもある時京都市はそれを禁止する条例だか法律だか、とにかく規則をつくったのよ。それは京都市の環境局がやりまっさかい、一般の人は、よそんちのゴミに手え出さんといてって。一般の人って、アンタ、ホームレスさんしかしてへんねん、そんなん。つまり、ホームレスさんからわずかな生きる糧を奪った挙句、逮捕。
京都市の役人って、京都府警の警官って、そんなに偉いのかい?
正確には、規則に違反して空き缶集めてたおっちゃんに注意した役人に、おっちゃんが楯突いたので、役人が通報して、公務執行妨害とやらで逮捕されたの。
ウチの近所の人が言うには、「たしかにあのおっちゃん、ちょっと態度悪かったしな、横柄やったしな。役人から目えつけられとったで、前から」。
回収した空き缶をいっぱい荷台に積んで、さびた自転車をキーコキーコこぐおっちゃんたちの姿は、すっかりなくなった。

鴨川河川敷の整備が進んで、きれいになりつつあるけれど、橋の下のダンボールハウスで暮らしていた人たちはどこへ追われたのだろう。

ホントに、弱い立場にある人たちに冷たいよね、この国。
国民もね。

L'esprit de la recherche2013/03/09 04:30:39

史上最強の雑談を読む(1)


『人間の建設』
小林秀雄、岡潔 著
新潮文庫(2010年)


もとは1965年に出版された『対談 人間の建設』である。私の手許にある文庫本は、もう21世紀の文庫本だから字が大きい。1ページに並ぶ行数も少ない。それでも薄い本だ。こんなに薄いのに、なかなか読破できなかった。薄い本だろうと厚い本だろうと物理的な時間がないので読み進めないのもしかたないんだが、途中まで読めば結末が見えてしまうくだらない小説とは違って、なんつっても「史上最強の雑談」だからして、話がどう転びどう展開しどう曲がっていくのかが全然見えないし、ほいでもってさすがは「史上最強の雑談」だけあって、面白いけど難しい。難しいから同じところで足踏みして何度も反芻しながら読み、ますます面白いので同じところを何度も読む、をやっていくと全然読み終わらないのである。

1965年っていえば弟が生まれた年なのよね(笑)。そのときすでに、人間がとるべき道はこの史上最強の二人がちゃんと雑談の中で示唆してくれていたんだよね。示唆していたというよりは、これでもかっつーくらいに明言している。どうして日本人は、この雑談を銘として歩まなかったのか? 雑談かもしれないけど、史上最強だぞ。史上最強の売文屋であり批評家の小林秀雄に、史上最強の奇人であり天才数学者の岡潔だぞ。ああ、この人たちの言に学んでいれば、日本はこんな阿呆な国にはならなかった。日本人はもっとまともだった。極右ジミントーのわしら原発軍隊大好きだからどんどんつくっちゃうもんね違憲だけど政権、なんかをのさばらせておくような、痴呆国民に成り下がりはしなかったのに。

時間は取り戻せない。失った美しい豊穣の大地も取り戻せない。ああ。

愚痴っても何がどうなるわけでもないので、本の話を続ける。

まず、ほんとにとても面白いから万人におすすめする。でも一回ザーーーッと読んだだけでは何も面白くないわけである。読み手の理解力とか知識とかは関係ない。むしろ、読むそのときのコンディションにかかわる。気持ちにかかわる。どんな時にも読んでみてほしい。体調のいい時、アタマがスッキリしてる時、暇な時、忙しさに目を回しちゃいるがそれでもメシは食うんだよ、的な食事のあとのコーヒーブレイクに、荒んでいる時、苦しい時、悲しい時、八方ふさがりな時。
読むときの気持ちで、本からもらえるエネルギーやメッセージは異なってくる。それはもちろん、本書だけではない、他の本でもそうだ。でも、本書は、こんなに薄っぺらい文庫本なのに、オッサン二人の雑談なのに、それほど読み甲斐があるという点で、恐るべし、なのである。


《小林 (略)いまは学問が好きになるような教育をしていませんね。だから、学問が好きという意味が全然わかってないのじゃないかな。
 岡 学問を好むという意味が、いまの小中高等学校の先生方にわからないのですね。好きになるように教えなくてはいけないといっても、どういうことかわからないのですね。なぜわかりきったことがわからないか。なぜ大きな心配ほど心配しないのか。現状はわかりきったことほどわからない。どこに欠陥があるからそうなっているということを究めて、そこから直さぬといかんでしょう。
 小林 学問が好きになるということは、たいへんなことだと思うけれども。
 岡 人は極端になにかをやれば、必ず好きになるという性質をもっています。好きにならぬのがむしろ不思議です。好きでやるのじゃない、ただ試験目当てに勉強するというような仕方は、人本来の道じゃないから、むしろそのほうがむずかしい。
小林 好きになることがむずかしいというのは、それはむずかしいことが好きにならなきゃいかんということでしょう。(略)つまりやさしいことはつまらぬ、むずかしいということが面白いということが、だれにあでもあります。(略)むずかしければむずかしいほどおもしろいということは、だれにでもわかることですよ。そういう教育をしなければいけないとぼくは思う。(略)》
(「学問をたのしむ心」10〜11ページ)


もう1965年の時点で、学校は、勉強することを好きになるように教えてくれる場所ではなくなっていたのだった。そりゃ、ダメなわけだよ、いまの教育現場が。

さて、こんな感じで数回に分けて本書の感想を書いていこっかな。と思っている。


“Il était une fois, une catastrophe…”2013/03/11 17:53:52


La chaine humaine a rassemblé 20 000 personnes selon les organisateurs, 4 000 selon la police. | AP/Remy de la Mauviniere
La chaine humaine a rassemblé 20 000 personnes selon les organisateurs, 4 000 selon la police. | AP/Remy de la Mauviniere



2年前、私は何を考えていたんだろうとふと思い、マイブログのアーカイヴから抜粋してみた。……2年前に考えていたことと、今と、突き詰めれば同じことを考えている。同じことを願っている。自分自身も、けっきょく変わっていない。だが、惨状のなか、歯を食いしばって前を見て歩けた人と、何もかも失くして絶望に打ちひしがれたまま時が止まってしまった人との、生活環境の差は開くばかりだ。
 *
2011/03/13 01:15:15
ずっとラジオをつけっぱなしにしている。いつもインターネットで聴いているRadio France Internationaleである。15分ごとにニュースが更新されるが、必ず日本の地震と津波の最新情報を伝えてくれる。
地震が起きた時、私の町は震度3だったそうだが、私は出張先で取引先の営業さんが運転する車で移動中だったので何も感じなかった。地元に帰りJRの駅に降り立つと、新幹線乗り場方面がただならぬ人だかりで、また人々の表情は一様に険しく、なにがしかの異常事態が起きたということがわかった。間もなく駅のアナウンスが東北に地震があったために新幹線が運休となっていることを告げる。それはもう何度も繰り返されているらしいアナウンスだった。東北って、そんな遠いところの地震のために全線ストップしちゃうなんていったいどんなに大きい地震だったんだろう。とりとめもなく思い巡らしながら帰社すると、東京に家族のいる社員たちが「電話が全然つながらない」といって青い顔をしていた。
東京の混乱ぶりを把握でき、社員の家族たちの安否も確認できたが、インターネットには大津波の映像が配信されていた。それは仙台空港を飲み込む瞬間の映像だった。明らかに悪意をもった黒い泥波が、人間の築いたものを食いつくそうとするかのように、牙を剥いて襲いかかった瞬間だった。
とんでもないことが起きている。
内陸に住む私たちは、紺碧の空と海への憧れは強いがその怖さを想像することができない。波は海底の震動によって巨大になりどんな遠方からでも勢いを保ったまま陸地へ到達し道も家も人も飲み込んでしまえる、そういうものであることに、思いが行かない。
火災も発生した。
1995年の地獄絵のような映像が瞬時にして甦る。
どうか早く鎮火して! などといくら願っても祈っても届かないのだ。
気になるが、金曜は一日出張先にいて、社内での仕事が山のように残っていたので、まずはよそ見をせずに黙々と原稿を捌いていった。
帰宅してマイMacのメールを開けるとフランスからこちらの様子を心配するメッセージが届いていた。
1995年のあの日の翌日も、遠方からたくさん電話をもらった。高い電話代をものともせずに皆かけてきてくれた。数時間もの間まったく電話がつながらなかったので、私も神戸の友人につながらなかったし、私にかけようとした人たちも何度も試みたようで、ようやく私の声を聞いたとたん電話の向こうで大泣きする人もいた。
あの時も、今回も、同じだ。
私や私の町を案じてくれるその気持ちは痛いほど嬉しい。
が、私たちには何も被害がない。
「大丈夫だよ」
とのこちらの声に
「ああ、よかった!」
と心底安堵してくれるその言葉に複雑な気持ちになる。なにも、よくなんかない。問題は「ここ」ではない。何も喜べない。
自分が書くことをなりわいとしていることに、とてつもなく無力感や虚無感を覚える。ここでこうしてぐだぐだ書いていて、どうなるというのだ。誰ひとり救えはしないのである。どんな傷も癒すことはできないのである。何も、前に進められないし、何も、受けとめることができないのである。
身を挺して被災地のために働く人々に、神よ、力を!

2011/03/16 01:46:47
昨日、卒業式だった。
こんなときだけれど、子どもたちには心の底からおめでとうを言ってやりたい。この日を無事に迎えることができたことを、素直に、心から、喜びたい。
式典に先立って、全員で、今回の災害で亡くなった人たちに黙祷を捧げた。
また、卒業生を代表して元生徒会長が述べた答辞では、命の尊さを肝に銘じて……と、東日本の大地震に触れていた。
(……)
子どもたちが大人へのステップをのぼろうとするときに、こうした事態を見聞し考える機会を得ていることは、当事者の方々にはたいへん不謹慎で申し訳ないけれど、成長の糧にはなると思っている。願わくば、子どもたちが大人になり、それぞれの場所で役割をもち、社会に何らかの貢献をするときには、十代のときに自分の国を襲った未曾有の大災害にうつして、人事を尽くせる人になっていてほしいと思う。
おめでとう。この春卒業を迎える子どもたちみんなへ。
おめでとう。さなぎ。

2011/03/18 22:21:37
一日がすごく長い。
(……)
自分の時計が被災地情報で刻まれるので、被災者の置かれている状況に変化や進展が見られないと長く感じるのである。
(……)
普通に寝て起きて、洗濯して食事つくって、いつものようにコートを着込みマフラーと手袋を着け、自転車にまたがって職場へ向かう。原稿を急かすクライアントに心の中で舌打ちしながらもう少し待ってと懇願したり、今たいへん混んでましてと言い訳したり。そんな、ともすればチキショーバカヤローとわめいてばかりの日常がいかに幸せなものかを改めてかみしめては、いる。
いるが、それでも私には私の、まったくもって憂鬱にさせてくれるさまざまなモンダイが、眼前に数え切れないほど多くのハードルとなって立ちはだかってくれる。私は家も流されていないし、原発からも遠いし、現状に文句を言う筋合いは何もないかもしれないが、手に負えない、私ひとりでは解決に程遠い難題をいくつも抱えている。
(……)
母親は目に見えて衰えてきている。病気ではないが、いろいろとよく間違えたり忘れたりすることが多くなった。このことはもう数年来起こっているのだけれど、運動能力の低下は顕著で、やはり歩けなくなると外に出るのが嫌になるし、外に出ないと刺激がないので記憶力やコーディネート力が低下する。そんなわけで任せていたいろいろなことを任せられなくなり、といって何もさせないわけにもいかないのでできることとできないことをこちらで調整してやってコントロールしながら、できることはできるだけこなしてもらわなくてはならない。そんなに複雑でも難しくもないことなんだが、いかんせん私に時間がないのでじっくり検討する機会がないのだ。てことはつまり、母が担ってくれていた家事はなし崩し的に私の役割と化しており、まったく毎日一秒だって家では座っていられない。
娘は何でもひとりでできるようになったが、とりあえずオカネのかかるヒトなので、もっと副収入が欲しいのだけれど、現状では家で一秒も空いた時間がない。これではスーパー闇仕事も請けられない。
(……)
食糧確保もままならない被災地の皆さんを思うと、贅沢な難題だとはわかっているが、だからといって放棄できない。はあー。と、眼前の山積み問題あるいは無数のハードルってやつのひとつふたつを披露してみた。ま、がんばるさ。とりあえず私は母親で世帯主だからさ。

2011/03/19 22:47:43
パリの猫屋さんブログを読むと、リベラシオン紙によると《フランスはアレヴァ・EDFなど原発企業が所有する130トンに及ぶ核対応特殊マテリアルを日本に送る予定》なのだそうだ。つまり原子力のプロたちが「これ使いな」と困ったときのお役立ちツールをくれるというのだけど、原発事故からこっち、嫌というほど感じたのは、日本ってほんとアマチュアなのね、ということだ。原発なんて、一介の電力会社がやることじゃないんだろう。発電には違いないけど、扱うものは核である。核兵器を長年研究して開発して実験して、なんてことを専門企業がやっているような国とは、その実力においてプロ野球と草野球、いや三角ベースほども差があるのだ。
フランス語でニュースを読むといったって、難しい話になると辞書を引いたってわからないし、そんな暇はないので見出しだけ見て何を報じているかだけを目で追う程度のことしかしていないが、フランスは原発大国なのでおのずとその記事が多数を占め詳細になっていることはわかる。連日リアルタイムで原発の様子をレポートし、詳しい図表をつけたりしている。国内紙の記事を読むよりよほどわかりやすかったりする。
私には、放射能のほんとうの怖さはわからないし、国内にわかっている人がいるとも思えない。私たちは被爆国の国民だけど、そのことと、原子力発電によるエネルギー生産とは次元が違うと考えてきた。みんなそうだったはずだ。
日本では、「だからいわんこっちゃない」的な論調が目立つように思うがどうだろう。「世界唯一の被爆国が原発をもつなんておかしい」とか「地震国で津波の恐れもあるのに沿岸部に原発建てて」とか「そもそも東電の隠蔽体質がこの事態を招いた」とか。いちいち正論だが、けっきょくは犯人探しにすぎない。犯人なんかいないのに。要は私たちみんな身の程知らずの未熟者だったわけだからここは大人のいうことを聞きましょう、プロの助言を容れましょう、ということを、それなりの立場にある人にいってもらいたいし、そうした発言を広く国民に知らせてほしい。伝わってくるのはメディアサイドの揚げ足取り的な詰問に対する言い訳や、重箱の隅をつつくようなあら探しや失態のリストアップ的記事ばかりである。また現在懸命に実施している作業をレポートする記事の横に必ず「遅かった」だの「最初の判断ミスが招いた現状」だの、識者のコメントがくっついている。物事、多角的に見なくちゃいけないし、賛否両論ある時はその両論とも載せるのがメディアの仕事とはいえ、あまりにも、最前線で働いている人に失礼じゃないかい、と怒れるのである。

2011/03/23 01:16:53
ガイガーカウンター、送ってあげようか?
そんなことを言われたけど、要らないと言った。だって、そんなこといちいちしてるほど日常に余裕ないもん。だけど、いずれ、自分で携帯するほどではないにせよ、放射線計測器がぐっと身近なものになるのだろう。今火災報知器の取り付けが義務づけられているが(ウチはまだ付けてないけど)、そのうちガイガーカウンターの取り付けとか携帯とかが義務づけられるようになるんじゃないだろうか。なんてこった。
チェルノブイリの子どもたちが描いた自画像を集めた絵本を、何年か前に娘と読んだ。自画像にはのど元に必ず甲状腺がん治療痕とわかる傷が描き込まれていた。その意味がわからない娘に原発事故のとおりいっぺんの説明をし、絵本をめくりながら、ほんとうにこの子たち可哀想ね、なんて言っていた私に、いったい何の意味がわかっていたというのか。原発は自分の国にもあって、同じことが起こる可能性はもちろんある、などと理屈では言いながら実質事故の可能性はゼロだとどこかで過信していた自分たちの浅はかさ。
新聞に、ハンナリーズ(地元のプロバスケチーム)の外国人選手が契約を解除して帰国したと書いてあった。原発事故の影響を恐れる彼を誰も責められない。誰もが、文字どおり潮が引くようにいなくなる外国人たちのことを、ちぇ、なんだよ、と心の中で舌打ちし口をとんがらして、苦渋に満ちて見送っているだろう。だけど、外国人たちの気持ちは、わかる。自分がその立場だったらきっと日本へ飛んで帰ってきたに違いない。
(……)
知らされていないこともあるだろうが、知らされたとしてもわからないことだらけなのである。不安だが、不安を消し去ってはいけないと思う。村松さんも心が大事ブログで言っている。原発事故に過剰反応する人々を嘲笑する前に、とりあえずいま喫緊の状況にはない、余裕のある者がすべきは、よく考えることじゃないのか。なぜチェルノブイリでは子どもたちばかりが甲状腺がんで死んでいったのか。それは彼らが乳児や胎児であったときに汚染食物を体内に取り込んでしまったからだ。何も知らず、わかっていなかった大人たちが、とりあえず子どもには食べさせなくちゃととった行動が数年後の悲劇を呼んだ。いま、大人がすべきは「疑わしき」をすべて子どもから遠ざけることだ。
農作物の出荷が止められたが、ちょっと放射線被っただけの食材は洗えば大人には大丈夫だ(子どもはダメ)。放射能汚染は伝染病ではないから、現場にいた人から放射線が「うつる」こともない(だから差別はナンセンス)。危ないのは土と水である。土に、汚染物質が染みていき、汚染物質を蓄えた大地から湧く水も汚染される。そこに負けじと生える植物もまた、体内に汚染物質を孕む。チェルノブイリがそうであるように、現場はゴーストタウンジャングルと化す。
福島第一原発の周囲はこの先何十年も立ち入りできない、もはやそういう場所になってしまった。そういう場所を抱えて、日本という国は、この地球上で生きていくのである。
そのことを考えていかなくてはならないのだ。
 *

(アーカイヴのコピペ ここまで)
Des milliers de manifestants ont défilé samedi à Tokyo pour exiger l'abandon rapide de l'énergie nucléaire au Japon, près de deux ans jour pour jour après le début de la catastrophe de Fukushima. | AFP/YOSHIKAZU TSUNO
Des milliers de manifestants ont défilé samedi à Tokyo pour exiger l'abandon rapide de l'énergie nucléaire au Japon, près de deux ans jour pour jour après le d'ébut de la catastrophe de Fukushima. | AFP/YOSHIKAZU TSUNO


違憲ジミントーわしらヤなこと忘れて金儲けゴーゴー政権、の「アメリカLOVE!」ぶりには今さらながら呆れる、いや、ずっとそうだったんだけれど、こうまで恥ずかしげもなく尻尾を振られたんじゃ二の句も継げないってゆーかさ。アベ極右シンゾーの、笑わせてくれた衆院選のスローガン「日本を、取り戻す」、正確に最後まで書かなきゃズルイよね。「日本を、取り戻(して米国に渡)す」。でも、どこから取り戻す気だったのかな。米国のほかに日本を占領している国、思いつかないんだけどね。

……。
……。
3月11日です。

Zut! Abe, toi, tu es vraiment un con!2013/03/13 16:53:28

「村野瀬玲奈の秘書課広報室」
http://muranoserena.blog91.fc2.com/
から、数日前のエントリをそのままコピペします。
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-4179.html


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TPPについて覚えておきたい最近のツイッターを記録。短いツイートを集めたものなので、気軽に一個一個読み進めてほしいです。

TPPはとんでもないシロモノであることが一つ一つのツイートから読み取れます。


塩見俊次 @sshiomi
安倍首相、国民の命と健康を守ることが政府にとって「聖域」そのものであることをしっかり理解してほしい。日本の医療を売り渡してはいけません。国民皆保険制度を壊してはいけません。アメリカの保険会社や製薬会社の利益を優先してはいけません。
10:10 午前 - 25 2 13


想田和弘(@KazuhiroSoda) - Twilog
http://twilog.org/KazuhiroSoda/date-130224/asc
2013年02月24日(日) 34 tweets
反対する間も与えず、あれよあれよという間に日本を売ろうってんですね。これは計画的犯行。→安倍首相、施政方針での表明調整=TPP交渉参加(時事通信) http://t.co/hFZkeYiA3E
posted at 00:44:34
消費税とTPPペテン師的内閣続く日本国民の悲劇 http://t.co/YblP3riYLX
posted at 00:48:28
みんなが反対する隙を与えず、さっさと国を売っぱらおうっていう首相が「愛国者」の代表だっていうんだから、これがホントのアベコベ。
posted at 00:52:36
それにしても、「愛国者」を自称する人たちは、自分らのヒーローが白昼堂々国を売ろうとしていることに少しは反応したらどうなのよ。「愛国=中国と韓国に強い態度に出る」という尺度だけじゃ、国なんか守れないよ、みなさん。
posted at 01:03:23
そもそも、デフレ脱却を第一の目標に掲げる安倍政権がTPP推進って、下痢止めと便秘薬を同時に飲もうとするような行為なんだが。TPPに入れば外国から安い農産物が関税無しにバンバン入って来るわけで、物価が下がらないわけがない。その矛盾をどうするんだよ。
posted at 01:16:51
RT @mmasao: TPP交渉参加、安倍政権の裏切りは許さない!JA全中の会長が怒りの談話 http://t.co/qK1YYpTZz5
posted at 02:39:50
必読?→2013/02/21【ブログ記事:「TPPは現代の植民地政策」 米韓FTAの惨状からTPPを考える ~郭洋春氏(立教大学経済学部教授)緊急インタビュー】 http://t.co/b39GAL3YbL @iwakamiyasumiさんから
posted at 02:53:29
RT @magosaki_ukeru: ニコニコ動画発信2:日本にtppを最も強く働きかけているのは米国保険業界。国民健康保険が機能しなくなるとどうなるか。米国では3万ドル以下の層は健康保険なし。日本医師会や日本歯科医師会は反対しているが、国民のどれだけが知っているか。
posted at 03:10:35
福島第1原発事故が「第2の敗戦」であるなら、TPP参加は「第3の敗戦」といえるかもしれない。下手すると、この「第3の敗戦」がもっとも手痛い負け戦になるかもしれない。負けたという認識や実感すらなしに。
posted at 03:16:06
それにしても大半の日本人の無防備さ、危機感の欠落ぶりは、異常。生存を脅かす危機に対するセンサーが壊れているとしかいいようがない。積年の1億ノンポリ化・飼いならし計画の大きな成果ってやつか。
posted at 03:27:35
TPPに参加したら実際どうなるかなんて、実はいま正確に予測できる人なんていない。しかし、日本が国家主権を事実上失いアメリカの経済的植民地になり得る可能性は、少なくとも否定できない。これほど重大な危険性がある道はとりあえず避けておくというのは、生存戦略の基本ですよ。
posted at 03:33:08
TPPのメリットは「車とかの輸出が多少増えるかもしれない」ことくらい。それに対して懸念されるデメリットは、農業の壊滅、デフレの進行、国民皆保険制度の崩壊、食の安全が脅かされる、事実上の国家主権の喪失、などシャレにならんものばかり。どう考えてもリスクが大き過ぎる。
posted at 03:43:42
読むべし。→安倍首相がオバマ大統領にTPP交渉参加を約束し、国民皆保険・解雇規制など国民を守る制度を米国に売り渡す http://t.co/r1Oy6AerA8
posted at 04:11:14
RT @ja_tpp: 民主党政権で米国との事前協議などの最前線に立っていた大串博志元内閣府政務官は「共同声明に盛り込まれた文言の多くは民主党政権時代と基本的に同じ。これで「聖域」を担保できたとする理由が理解できない」と指摘。「安倍内閣は米国から何も譲歩を引き出せず逆に大幅な譲歩を取られただけ」
posted at 13:06:03
RT @ja_tpp: 日米首脳会談・ジェーン・ケルシー教授(NZ・オークランド大教授)「日本がTPP交渉に参加したとしても、現在の交渉内容に意義が唱えられるとは思えない。米国政府が日本の農業事情に配慮したとされるが、農産物が実際の交渉で配慮される保証はない」日本農業新聞
posted at 13:07:52
RT @ja_tpp: 日米首脳会談・ジェームス・シンプソン教授(米国ワシントン州立大学教授)「もし、米国が日本だけを特別待遇すれば他国から反発がある。実際の交渉で米国は従来の姿勢を保ち、全ての分野で自由化を迫る。日本の食料自給率は大きく低下し、中国など海外への依存が強まるだろう」日本農業新聞
posted at 13:08:09
「マスゴミに騙されるな!我らが安倍ちゃんはTPP交渉に参加表明したわけではない!」と言ってる人は、実際に彼が参加表明したら支持するの辞めるんだろうか。
posted at 13:36:19
RT @koike_akira: 昨日、紀伊國屋ホールで松元ヒロさんのステージ「ひとり立ち」へ。「安倍さんは選挙で『日本を取り戻す』といってたね。アメリカから取り戻してくれるのかなと思っていたら、今日アメリカで『日本は戻ってきました』って。アメリカが『日本を取り戻す』ということだったんだね」ヒロさん最高です。
posted at 14:01:06
ちょっと古い動画だけど必見です。非常にわかりやすいだけに、絶望的になるよ。→中野剛志氏が語る 米韓FTAよりひどいTPP交渉となるだろう http://t.co/iDZjM0OVFs
posted at 14:58:08
RT @saitoyasunori: #TPP に加盟すれば、 国の法律や条例よりもTPPルールが優先される。国民の命を守る皆保険制度も、農産物の安全基準も、相互扶助の理念で作られた共済も、TPPによって破壊。これは究極の売国政策で、これを推進する自称保守政治家はインチキ保守。
posted at 15:20:27
RT @mizuhofukushima: 総理は、聖域なき関税撤廃ではないとの感触を得たとして、TPP参加へ。しかし、聖域とは何か、関税以外の保険や医療などの制度はどうなるのかなど、不明。自民党が公約で示した6項目の判断基準が満たされたとはとうてい言えない。
posted at 15:24:04
それにしても、大新聞が軒並みTPP推進だっていうのは、ホント絶望的だな。記者って勉強しないんだろうか。どういうことなんだか、ちょっと理解できない。
posted at 15:41:47
RT @Risa_star7: 「まさかね。。」って事がここ数年現実になってるのが怖いです。。“@ainokuroko: そうかもしれませんよね…。 QT @Risa_star7: 健康被害が爆発的に増えた時には、TPPによる国民皆保険制度崩壊しちゃってるんだろうか。”
posted at 15:55:49
RT @TsutsumiMika: 米国では600社の企業顧問だけがTPP交渉内容をリアルタイムで読め、コメントをしたり内容改訂の権限を持っています。一方国会議員は決められた部屋で閲覧できるのみで、携帯、紙、筆記具の持ち込みと、メモ取りは一切禁止。マスコミも国民もアクセスできません。@takeshikunhi
posted at 15:59:01
国民主権から外資主権への移行を意味するISD条項 [重要:岩月浩二弁護士「法律家が斬るTPP、ISD条項」まとめ] http://t.co/XdLDi3zuvH
posted at 16:30:17
RT @tsuda: TPPに参加すると日本の著作権法はどのように「変えなければならなくなるのか」を解説した津田メルマガの記事を無料公開しています。TPP参加で知財周りにどのような変化がもたらされる可能性があるのか知りたい方はぜひ>http://t.co/7jjTBKi2MN
posted at 16:44:30
必読。→ニュージーランドは、初期のTPPを推進した加盟国だが、後から来た米国に滅茶苦茶にされている http://t.co/IZLUXsLb5o
posted at 23:41:40
Permalink - 2013年02月24日


http://twilog.org/KazuhiroSoda/date-130225/asc
2013年02月25日(月) 26 tweets
TPPのISD条項というのは無茶苦茶。例えばアメリカの投資家が金を出して日本に工場を作る。ところが工場が汚染水を垂れ流したので環境省から操業停止命令が出る。すると投資家は「利益が損なわれた」と私設の国際裁判所に日本政府を提訴できる。裁判は非公開。日本政府は汚染企業に損害賠償。
posted at 00:15:15
TPPでなぜ「共済」が問題になるのか?米国の保険ビジネスの狙い (農業協同組合新聞)http://t.co/GWemNu99hZ
posted at 00:39:46
加盟することに賛成の日本人がいる理由も謎なくらいですから、僕には分からないです。 @sadtky: @KazuhiroSoda TPPって良いことなしな気がするのですが何故あれだけの加盟国がいるのでしょうか?そして何故加盟国たちは抜けないのか…
posted at 00:49:51
はい。 @sicilian_: カナダがそのパターンでやられてましたよね RT @KazuhiroSoda: TPPのISD条項というのは無茶苦茶。例えばアメリカの投資家が金を出して日本に工場を作る。ところが工場が汚染水を垂れ流したので環境省から操業停止命令が出る。すると投資//
posted at 00:50:53
RT @kushiro_yasu: 「ギリギリの交渉」とか「日本政府の交渉力」とか「苦渋の決断」とか「コメは聖域」とかの大見出しが続くね@KazuhiroSoda: それにしても、大新聞が軒並みTPP推進だっていうのは、ホント絶望的だな。記者って勉強しないんだろうか。どういうことなんだか、ちょっと理解できない。”
posted at 00:51:11
この人には日本を守ろうなんて気は、ひとかけらもないんだよな。→「TPPの例外設定で自民追及」橋下・維新の会共同代表 - 朝日新聞デジタル http://t.co/Kvl0yuYJot
posted at 00:55:19
TPP推進派は日本企業のアメリカ進出も容易になると素朴に信じてるみたいだけど、アメリカは政治力を駆使して徹底的に例外を作って国内の業界を守る。逆に日本は政治力がないから全然守れずやられっぱなしになる。要するに旧ザクのくせにガンダムと勝負しようと言ってるようなもので、無謀極まる。
posted at 01:07:45
ナショナリズムっぽく聞こえると嫌なんだけど、アメリカの政治家がアメリカの企業を守るように、日本の政治家なら日本の農業や産業を守ることに力を注ぐべき。だけどこの人とか、アメリカと一緒に日本の農業を攻撃してるんだから、始末に負えない。http://t.co/13mFuN4t7F
posted at 01:14:45
ええ、でもTPPは生き残りを更に厳しくするだけです。 @enju1948: @KazuhiroSoda TPP、色々問題点があるのはわかりますし、参加しないならしないでいいと思いますけど、それならそれで、今後の世界経済の中で日本がどう振る舞うべきかは考えなければいけないと思いま
posted at 01:22:23
@enju1948 対案を示せ、ですか。貴殿らしからぬご意見ですね。対案は、こんな不平等条約みたいな協定には参加するな、です。貴殿はTPPで農業が再生すると信じてるのですか?
posted at 02:15:18
RT @levinassien: おはようございます。朝刊を開いたら、TPP参加に国民の47%が賛成、安倍内閣支持率は70%だそうです。国民経済の解体に、それで確実に被害をうけるはずの国民自身が同意している。なぜなんでしょう。ほんとうにわからなくなってきました。
posted at 23:06:57
RT @levinassien: でも、今思うと、菅首相の支持率が63%でしたね。それが急落するまで、ほんとうに短い時間でした。内閣支持率はほとんどが「期待」で構成されていて「同意」とは言いがたいし、ましてや「敬意」や「感謝」はほとんど含有されていません。
posted at 23:07:02
これ、必読。やっとISD条項についてマスコミが報じた。再三つぶやいた通り、ISDは国家主権と国民主権を凌駕する。【金融スクープ】日本のTPP参加を左右する「毒素条項」 韓国で初のISD条項発動 - ZAKZAK http://t.co/GB7O5JHQQB
posted at 23:13:52
全くだ。→TPP「うそは駄目」=改めて反対―万歳JA会長(時事通信) - Y!ニュース http://t.co/CEeEJTj7vV
posted at 23:17:45
TPPに反対して選挙で通った自民党議員は大人しく黙ってるわけ? ただの票合わせ要員ですか、皆さんは。→TPP交渉参加の判断、首相に一任 自民党役員会 - 朝日新聞デジタル http://t.co/UNCEepe71f
posted at 23:27:04
RT @hiramatsu_osaka: お気に入りに入れました。 RT @KazuhiroSoda: ちょっと古い動画だけど必見です。非常にわかりやすいだけに、絶望的になるよ。→中野剛志氏が語る 米韓FTAよりひどいTPP交渉となるだろう http://t.co/5u3aLSvMpm
posted at 23:28:39
時事ドットコム:自民反対派、勢いに陰り=TPP「聖域」へ条件闘争 http://t.co/rMeUcOLFbb
posted at 23:31:47
仰ることはわかりましたが、それに対する答えはTPPではないと思います。TPPの本質は、「アメリカのグローバル企業が利潤を最大化するために、参加国独自の法令や規制を撤廃すること」ですから。@enju1948
posted at 23:54:56
RT @hinatabokko_zzz: @KazuhiroSoda 韓国でも、すごく心配していた部分です。最初はISDについてなかなか知られてなかったが、後では韓国でも色々な議論はありました。まあ、結局そのままとおりましたが。政治家よりも、話の通じないのは、官僚達ですね!日本でもしっかりしないと。^^
posted at 23:55:30


http://twilog.org/KazuhiroSoda/date-130226/asc
2013年02月26日(火) 30 tweets
アメリカのグローバル企業に参加国の経済や労働力や環境を骨までしゃぶらせようというのが本旨のTPPに、日本人が賛成しちゃうのは、自分たちもしゃぶりつくせる側になれるんじゃないかというスケベ心があるからなのだろう。スケベ心があるから、これやると儲かりますよ?的な詐欺に引っかかる。
posted at 00:04:11
そう、「なんとなく儲かりそうだから」支持するのでしょう。「なんとなく電気足りなさそうだし」といって日本中が原発だらけになったのと同じです。 @waraino_naikaku: @KazuhiroSoda よくわかってなくてなんとなくよさそうて思ってるだけじゃないですか
posted at 00:15:50
TPPを推進するに当たっても、農業だけじゃ生活なんか成り立たない農家を標的にして「既得権益打破」的な語法が使われている。つくづく、「既得権益打破」というスローガンは万能だと思う。わたしたちは誰もが既得権益であり、打破すべき対象だ。みんな打破されて粉々になればよい!
posted at 00:20:10
日本では、公務員も、正社員も、教師も、農家も、高齢者も、障害者も、生活保護受給者ですら、「既得権益」だ。既得権益だらけの国ってわけで、永遠に攻撃対象があるので困らない。
posted at 00:25:11
結局TPP参加問題とは、新自由主義という「金だけがすべて」の拝金主義と、金儲けのために多様な文化や地域性や国民主権を蹴散らして世界を「消費地」として画一化することに対して、YESと言うか、NOと言うか、が問われているのだと思う。
posted at 00:35:10
彼らこそが「既得権益打破」のスローガンを連呼する側ですからね。 @masterneodio: @KazuhiroSoda 「裏の統治層である1%」は含まれないですね。本来ならそいつらが真っ先に糾弾断罪されるべきなのですが、「保守」「愛国」の方々は靴を舐め尻尾を振るばかり・・・。
posted at 00:37:16
つまり、公務員や、正社員や、教師や、農家や、高齢者や、障害者や、生活保護受給者らを「既得権益だ!」と攻撃しているのは、新自由主義で巨大な利益を貪る「1%」の側なんだよ。彼らこそが本当の「既得権益」であるにもかかわらず、この不条理。
posted at 00:41:41
うーん、TPPの問題を農業の問題だと勘違いされているんじゃないですか?農業の問題は、わかりやすい攻撃対象をつくるための方便であり、本質はそこにないですよ。日本の農業が厳しい状態であることに異論はありませんが、それはTPPとは切り離して考えるべきです。@enju1948
posted at 00:43:28
その認識が誤りだと申し上げているのです。ISD条項とか、国民皆保険制の問題とか、ご存じですか? @enju1948: @KazuhiroSoda 要は保護貿易か自由貿易か、ということだと思いますから、かつて護送船団といわれた日本の経済・産業のあり方が問われてるんじゃないですか?
posted at 01:38:33
それとも、国境を取り払って世界をひとつにするためには、国家主権も国民主権もいらないというお考えなんでしょうか。@enju1948
posted at 01:41:08
TPPは農業問題じゃない! 医療も、食も、まともな暮らしも、民主主義も、国民主権まで崩壊させる恐ろしい協定。加盟したら日本は終わり。「サルでもわかるTPP」で、今すぐその真実を知って! http://t.co/i22u2JXGr3 @MieYasudaさんから
posted at 02:25:28
RT @magosaki_ukeru: 日米・安倍:うまいうまい。安田雅則?@yasuta_masanori 「安倍は昔から日本を美国にすると言っていたでしょ。忘れた有権者のほうが悪い・・・か、なぁ」
posted at 02:45:40
RT @hirakawamaru: TPPはまさに米国の企業が推し進める政策であり、米国の企業の利益のための協定なのに、何故日本人は無防備に賛成してしまうのか。米国企業益と、米国の国益ですら相反するというのに、それが日本の国益に資するなどとどうして思えるのか。
posted at 02:47:10
うまい比喩です。RT @xiantao: TPP参加でフェアトレードって、ボクシングの階級取っ払うようなもんだと思うんだが、違うの? ちなみに日本はヘビー級じゃないと思いますが…
posted at 02:49:29
RT @project99jp: TPP参加表明で調整進行…JA全中会長が懸念 (読売新聞) http://t.co/OuI8YxaXuw JAグループは昨年末の衆院選で160人以上の自民党候補を推薦している。7月の参院選の対応については「判断する段階に至ってない」と述べるにとどめた。
posted at 02:51:29
RT @abe_yoshihiro: 「拙速な判断は国益毀損」全漁連会長がTPP交渉参加に反対コメント http://t.co/XtGqvbSz8g  「日米首脳会談の結果に対するJF全漁連会長談話」http://t.co/mX3KbcE24h
posted at 02:52:34
同意→RT @TPP_kantei: 全労連 【談話】日本政府のTPP交渉参加に強く反対する http://t.co/AsuwGZXXDZ
posted at 02:57:09
国民皆保険制の解体を危惧→RT @TPP_kantei: 民医連 【声明】日米首脳会談での国民を欺く安倍首相の態度表明に強く抗議する http://t.co/iPSgqnRYzf
posted at 02:58:40
RT @project99jp: 全国農政連(農協の政治組織)が、第46回衆議院議員選挙で「TPP交渉参加反対」を条件に推薦した議員一覧 http://t.co/PkxiGu2yS6  ここに名前のある議員が、本当にTPPの交渉参加に反対するかどうかチェックしましょう。
posted at 02:59:43
RT @project99jp: TPP参加の即時撤回を求める会 『新会員名簿(平成25年2月22日現在)』 http://t.co/BCx6Km3o5t 衆議院:184名、 参議院:56名、総勢:240名
posted at 03:00:45
「日本の農業は弱り切っているから、TPPという外圧で変革するしかない」といった言説は、重病人に対して「マラソンにでも参加すれば治るんじゃね?」と言うようなものである。その「鞭打てば奮起してなんとかなる」という発想は、生活保護カット論や体罰肯定論とも似通っている。
posted at 03:07:54
TPP参加問題は、煎じ詰めれば世界の富裕層1%に日本で好きなように制限なく儲けさせるかどうかっていう問題なんだよ。賛成するってことは、1%に日本人の主権と文化と国土と労働力と経済と健康を差し出すっていうことだよ。
posted at 04:10:05
「TPPに参加したいなら、日本は軽自動車を廃止しろ」とアメリカの自動車業界は主張している。なぜなら、彼らが作る大型車が不利だから。やめるの、軽自動車?→クローズアップ2013:日米首脳会談 TPPなおハードル http://t.co/a2isqqX4gg
posted at 07:48:07

金子勝 @masaru_kaneko
メディアのTPP大キャンペーンが始まった。ISD条項、国民皆保険や食の安全安心の基準を守る、政府調達や金融は我が国の特性を守るといった自民党の6原則の報道はほとんどない。関税撤廃を主張するニュージーランドを考えると例外は米だけ? http://goo.gl/GsTB0
2:06 午前 - 24 2 13
TPP、貿易以外にも幅広い恩恵 成長後押し期待
 【ワシントン=原田逸策】日本が環太平洋経済連携協定(TPP)に加われば、関税引き下げによる貿易の拡大にとどまらず、サービスや投資など幅広いルールの共通化で日本企業は海外の成長を取り込みやすくなる。安
日本経済新聞 電子版 @nikkeionline

Mnemosyne @sea_of_memory
ISD条項に基づいて投資家が政府を訴えた場合、数名の仲裁人が審査する。しかし審理の関心はあくまで「政府の政策が投資家にどれくらいの被害を与えたか」という点だけに向けられ「その政策が公共の利益のために必要なものかどうか」は考慮されないhttp://bit.ly/sHiZPX
3:44 午後 - 24 2 13

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「ちっ。おい、アベ。お前ほんまに、カス!」(本エントリのタイトル和訳)

誰かコイツを燃やせるゴミ用袋に入れて燃やせるゴミの日に出してくれっ ゴミ収集車、さっさとそれ、持ってってっ

おい、ラジオっ「アベノミクス」「アベノミクス」「アベノミクス」言うなっ。安倍・蚤・屑! 耳腐るっ

MUMYO, c'est l'ignorance profonde ou exprès2013/03/14 00:00:44

史上最強の雑談を読む(2)


『人間の建設』
小林秀雄、岡潔 著
新潮文庫(2010年)


天気予報がよく当たる。今朝のラジオで「今はすっきり晴れていますが午後曇り始め夕方には雨になります。夜にかけては強い風をともなう大雨となります。春の陽気から一気に気温も下がります、ご帰宅の遅い方は防寒具を」といっていたが本当にそのとおりになった。いま外は土砂降りである。昼間はへんに温かったけど、肌寒くなった。でも、寒くても、雨がいい。春は粒子がいっぱい飛ぶ。花の美しい季節だが、三日に一度の割合で降ってくれるほうがいい。降って街を洗い流してほしい。マジ。

放射性物質のついたスギ花粉に中国製大気汚染煤のついた黄砂。んでもってダチョウやエミュの卵の殻でつくった高性能マスク。曇らない特殊加工を施した密閉度の高いゴーグル。目のかゆみを緩和する点眼薬。くしゃみ、鼻水、鼻づまりを押さえる点鼻薬。早期から飲めばアレルギー症状を軽減する内服薬。国民の多くが苦しんでいるというのに何の対策も取らないで、あの手この手で金儲けする奴ばかりが登場する。この国、そういうシャレにならない国なんだ。汚染されるずっとずっと前から花粉も黄砂も飛んでいた。黄砂はよその国から飛んでくるし、へっぴり腰だから文句も言えないんだろうけど、さんざん植林した挙句使わずじまいで花咲き放題の杉くらい、自己責任なんやから切りなさいよさっさと、と言いたい。ヒノキも。イネ科のカモガヤも。しゃしゃしゃああああっと刈り取ってくれっ。

知る権利は民にあるが、中途半端に知ることが苦悩や対立を生むことも確かだ。偏向な知識を互いにひけらかすことが、脱原発と原発推進の間の無意味な溝を深めている(そう、深まるのは溝なのよ、絆じゃないの)。知ることは大切だが、何が正しいかの物差しのない状況では、むやみに知ったために却って辛い生を生きねばならないこともある。

知らぬが仏とはよくいったが、仏教の言葉に「無明(むみょう)」という語がある。意味は、どうしようもないほど、醜悪といっていいほどの無知、だそうだ。『大辞泉』には「最も根本的な煩悩」とある。「無明」、つまり明るくない、というか明かりが無い、つまり真っ暗。落ち込むだろうな、「お前って、無明」なんて言われたら。立ち直れねえ(笑)


《小林 岡さんは、絵がお好きのようですね。ピカソという人は、仏教のほうでいう無明を描く達人であるということをお書きになっていましたね。私も、だいぶ前ですが、同じようなことを考えたことがある。どこかの展覧会にいきまして、小さなピカソの絵をみました。それは男と女がテーブルをはさんで話をしている。ピカソの絵ですから、男か女かわからない。変なごつごつしたもので、とてもそうは見えないけれども、男と女が話しているなと直感的に思った。そうすると、いかにもいやな会話を二人がしているんですな。これは現代の男女がじつに不愉快な会話をしているところをかいたのだなと、ぼくは勝手に思っちゃった。
 岡 それは正しい直観だと思います。
 (略)
 男女関係の醜い面だけしかかいていません。あれが無明というものです。人には無明という、醜悪にして恐るべき一面がある。(略)釈迦は、無明があるからだということをよく説いて聞かしているのです。人は自己中心に知情意し、感覚し、行為する。その自己中心的な広い意味の行為をしようとする本能を無明という。(略)
 小林さんの学問に関するお話は、いかにももっともと思います。それを無明ということから説明すると、人は無明を押えさえすれば、やっていることが面白くなってくると言うことができるのです。たとえば良寛なんか、冬の夜の雨を聞くのが好きですが、雨の音を聞いても、はじめはさほど感じない。それを何度もじっと聞いておりますと、雨を聞くことのよさがわかってくる。そういう働きが人にあるのですね。雨のよさというものは、無明を押えなければわからないものだと思います。数学の興味も、それと同一種類なんです。》(「無明ということ」12~15ページ)


小林秀雄の「無常といふ事」が大好きで何度も繰り返し読んでいるわたくしであるが、岡潔いうところの「無明ということ」もなかなか手ごわそうである。このくだりを読んで、岡潔の著作に一気に関心が高まったことを白状する。
無明とは、全然イケてないくらい、まさに終わってるほど無知だけど、そのうえジコチューな行動をとらせる本能だけど、それさえクリアしたら、にわかに人生ワクドキに展開する。イマふうに言えばこういうことなのか?(笑)
無明とは、学びが足りないゆえの知識の欠乏などではなく、どちらかといえば、知ること学ぶことができるのにあえてそれをせず、というよりそれから逃げて、むしろ無知無学を標榜してあたかもそれが強みであるかのようにふるまうことではないか。そりゃ、醜悪だな。愛するウチダいうところの、学びから逃走する子どもたちだな。

本書によれば、無明の輩はすでに1965年(本書のもとの出版年)に跋扈していたわけだから、そりゃ、今、日本が文字どおり「世も末」をリアルにゆくのは道理だな。

Hier, c'était WHITE DAY!!!2013/03/15 18:25:36

Merci! パリから愛のスパークリングよ♪ この次はとびきりのシャンパーニュ、飲みましょうね!
(↑ カーソル置いてね、ダーリン)


この世にはものすごく重要な日というのがあるだろうけれど、それらのどんなたいそうなお題目のついた日よりも、現在を生きる私たち日本人にとって、3月11日は重い日である。3月11日。ちゃんと、「さんがつじゅういちにち」と呼びたい。「にーにーきゅーじけん」とか、「きゅーてんいちいち」とか「ないんてぃーんえいてぃふぉー」とか、数字ゆえに記号化されちゃいがちな年号や日時だけれども、祈りを込めて3月11日をさんてんいちいちなんていわずに、「三月十一日」と、胸に刻みたい。

と、ことほどさように重要な日が3月の11日にある。こうなったからには、3月のほかのいろいろな日がかすんでしまうのは致し方ないのである。3月には上巳(じょうし)の節句(=ひなまつり)がまずあって(ウチらのまちでは4月3日ですけど。へえ、旧暦で祝うんどす)、オンナコドモが大はしゃぎするのだが、地域によって、学校によっては3月1日が卒業式だったりするし、早くも別れの涙でキャンパスが濡れるわけだ。ウチらのまちの公立校では、高校が3月1日、中学校が15日、小学校が20日か21日(春分の日に合わせたりずらしたり)に卒業式が行われる。それらに前後して「6年生を送る会」があったり、「先輩を送る会」が部活ごとにあったり。さらには入試の本番や合格発表があったりと、何かと「試練」が続くいっぽう、「宴会」づいてもいる小中高大学生たちである(笑)。

そんな、日本史に刻まれる墓標たるべき3月11日と、青春のビッグイベント群の合い間に、「ホワイトデー」という、商魂たくましい菓子業界が仕掛けた、ヴァレンタインデーになんかもろたらお返しせなあかんやろ、そやからお返しする日つくったで、的な、男子のための愛の儀式の日というのがある。

と、いうことをすっかり忘れていたのだった。

昨日、なぜか我が家には美味しそうなお菓子がぽろりぽろりと届き、私宛にメッセージカードが届き。何だろう、クリスマスも正月も、私も娘も誕生日済んだしなあ。と思いながら、最後に開いた友人からのメールには「ホワイトデーのご挨拶」とあって、「あ」と、やっとこさ気がついた。

私はここ数年ずっと、「お世話になっているあのかた」へのおちゃめなメッセージや、日頃不義理している友人へのご機嫌伺いや、賀状を出せなかったかたへの寒中見舞いをする日としてもっぱらヴァレンタインを使っている。こういう使いかたをするようになって、から、ああヴァレンタインデーってのも悪くはないもんだと思うようになった。

ところが、である。今思い出しても可笑しくて可笑しくてたまらないんだけど、毎年のように軽いノリのヴァレンタイングリーティングを送った相手のうちの一人が、真剣な怒りのメールを送ってきたのだ。イマふうに言うと「ガチギレ」(笑)

「あのさ、君のカード、あれ何? 受け取った人間の気持ちって考えないの?」 (言い訳するつもりはありませんけど、「悪いこと」は何も書かなかったのよ。笑)
「あのさ、バレンタインデーっていうのは愛の告白をする日なんだよ、いちおう日本では」 (……笑 完全説教モード。ぷぷぷ、いちおう日本では、だって)
「で、チョコレートがないなんて、けっこう傷ついたな、俺」

私はもう、どうすればコイツの機嫌が直るのかわからなくて、でもってべつに機嫌直したくもなかったから面倒になって適当にあしらって返信したのよねー。忙しくって目を回しているさなかに、相手してられないよ。
昔話のカテゴリに入るとはいえ、これ、もう40代になってからの話なのよ。あたしより一つ上なのよ、このオッサン。何が「愛の告白をする日なんだよ」なのよ、何が「傷ついたな、俺」だっつーの。

「ごめん、あたしね、単に季節の便りのつもりだったの」
「ごめん、あたしはね、日本の菓子業界の煽りに乗ってさ、2月14日にチョコレートを男に贈った経験はこれまでの人生皆無なの。そもそも、愛を告白する日だという認識はゼロでした」
「で、持病のために糖質制限してる君にチョコレートあげようなんて発想はますますゼロよ。傷つけちゃったんなら悪かったけど、あたしの贈ったチョコレートで持病悪化したらシャレにならないでしょ」(この人ね、お酒はいくら飲んでもいいんだけど糖質の高いものは食べてはいけない人なのよ)

そしたらさ、なんて返してきたと思う?

「ねえ、君……知らないの、糖質ゼロのチョコレートだって売ってるんだぜ」

知るか!
てめーでたらふく買って食え!

でさ、挙句の果てに

「君がそんなに常識のない人だとは思わなかったよ」
「これっきりにしてくれ」

で最後のメールを締めてくれたんだがや!
は? 目の前、てんてんてん。
あっけにとられて、あたし。
顧客と誌面デザインのことで侃侃諤諤、電話でやりあってる最中にね、何度も何度も長ーいタスキみたいなメールが来てさ。2/14にチョコじゃなくてただの季節の便りしかもらえなかった恨み節を、このときもう2週間後の3月に入ってたのよ、何なのよ今頃、でしょ、ねちねちねちと、つらつらつらと、連ねるのよ。ここに書き出したの、ほんの一部なの~~。

ブログを覗いてくださったかたには断じて勘違いしてほしくないんだけど、あたしこのオッサンとなんっっでもないんだよ。あたしだって独身女だからさ、おいしそうだからつきあう男もいれば、おいしくなさそうでも会う奴もいるし、友達以上恋人未満も、アッシー以上友達未満も、単なるパシリアッシーも、複数抱えて使い分けているわけさ(念のためゆっとくと、大事に誠実におつきあいしてる友人諸氏の殿方は別格だよもちろん)。で、このオッサンは、昔馴染みだけに邪険にしたら申し訳ないから未分類のまま外野席か場外に置いといたつもりだったのさ。ああそうね、中途半端はよくないって見本だったね今思えば。


このオッサンさ、あたしに見切りをつけて「ふった」気でいるのだよ。
2/14に季節の挨拶しかしない女なんかサイテーなわけよ(笑)。
ったく、面倒くさいやつがいるもんだあ。

ああ、やっと、この話を書くタイミングを得て嬉しい~ すっとしたあ
読んでくれてありがとう、みんな!

10代や20代でこんなこと経験してたらさ、私も「こっちに悪気がなくても人を傷つけることあるのね」って殊勝に反省したけど、人生半分以上過ぎた今となっては全然そんな気がないのよね(笑)。ああ、気持ち悪かった、お子ちゃまオトコ。勝手に去ってくれ。

たく、当時アタマに来てしょうがなかったんだけど、ほら、最初に言ったように、たとえ震災が起きていなくても、メモリアルやイベントの多い時期だからね、いろいろな、もっともっと大切なことに思いを馳せてたらさ、コヤツの話なんて融けたスライムより使い道ないから後回しになっちゃって。

 *

昨日、ホワイトデーだった。
メッセージやプレゼントをくださった殿方へ。
心から愛をこめて御礼申し上げます。
不束者ですけれども、とこしえによろしくお願い申し上げます。



そして今日は、さなぎの母校の中学校で、卒業式でした。
今年の卒業生は、何を歌ったのかな。
さなぎたちの時は、この歌でした。


桜ノ雨

absorb
作詞:森 晴義(halyosy)
作曲:森 晴義(halyosy)


それぞれの場所へ旅立っても
友達だ
聞くまでもないじゃん
十人十色に輝いた日々が
胸張れと背中押す

土埃上げ競った校庭
窮屈で着くずした制服
机の上に書いた落書き
どれもこれも僕らの証し

白紙の答辞には伝え切れない
思い出の数だけ涙が滲む
幼くて傷付けもした
僕らは少し位大人に成れたのかな

教室の窓から桜ノ雨
ふわりてのひら
心に寄せた
みんな集めて出来た花束を
空に放とう

忘れないで
今はまだ…
小さな花弁(はなびら)だとしても
僕らは一人じゃない

下駄箱で見つけた恋の実
廊下で零した不平不満
屋上で手繰り描いた未来図
どれもこれも僕らの証し

卒業証書には書いてないけど
人を信じ人を愛して学んだ
泣き
笑い
喜び
怒り
僕らみたいに青く青く晴れ渡る空

教室の窓から桜ノ虹
ゆめのひとひら
胸奮わせた
出逢いの為の別れと信じて
手を振り返そう

忘れないで
いつかまた…
大きな花弁を咲かせ
僕らはここで逢おう

幾千の学び舎の中で
僕らが巡り逢えた奇跡
幾つ歳をとっても変わらないで
その優しい笑顔

教室の窓から桜ノ雨
ふわりてのひら
心に寄せた
みんな集めて出来た花束を
空に放とう

忘れないで
今はまだ…
小さな花弁だとしても
僕らは一人じゃない

いつかまた…
大きな花弁を咲かせ
僕らはここで逢おう

いつかまた
大きな花弁を咲かせ
僕らはここで逢おう

No matter how hard it hurts me.
I'll never say good bye.
Your presence will always linger in my heart.
...wanna see your smile again.
______________
JASRAC作品コード 154-1919-3

Les boissons alcooliques qui symbolisent le pays2013/03/19 19:31:00

史上最強の雑談(3)



『人間の建設』
小林秀雄、岡潔 著
新潮文庫(2010年)


私の父は大酒飲みだったが、そう強くはなかった。飲むほどに酔い、最後は必ずへべれけになった。だんだん自分だけの世界に入っちゃって一人問答が始まるが、ろれつが回らなくなるので、何を言っているのか周囲にはわからない。そのうちむにゃむにゃ言いながら居眠り。毎日の晩酌がこの調子で、「お父さん、もう寝てんか」と母が促すまで、首をこくりこくりさせながらでも飲んでいた。
いつでもどこでも、そんな状態になるまで飲まなければ飲む値打ちがないとでも思っていたのか、たとえば外へ飲みに出かけても、「これ以上飲んだら明日に差し支えるし」「これ以上飲んだら家に帰り着けへんかもしれんし」「これ以上飲んだら寝てしまいそうやし」今日はここで飲むのを止める、ということのいっさいできない人であった。だからひとさまに言えない失敗談には事欠かない。私が知っているだけでもけっこう凄まじい(笑)。おまけに父は、前夜の酒の記憶が翌日に全然残らない人だったので、失敗による学習もいっさいなかったわけである。

いっぽう、父の兄と弟はシャレにならない大酒飲みである。シャレにならないと書いたのは、この二人は全然酔わないからである。本物の酒豪である。そりゃ、いい気分にはなってるようだし、舌の回りはよくなるし、愚痴や昔話ばかり出てくる日もあるけど、その程度。どれだけ飲んでも平気な顔をして、たいてい陽気ないい酒で、さらには翌日も前夜のことをよく覚えているのが常だった。伯父と叔父、この二人の飲みかたは、「酒に飲まれるのんべのダメ親父」を父にもつ私から見れば奇跡に近かった。

家業を継ぎ祖母と暮らしていたのは父だったので、正月には伯父一家と叔父一家が我が家へ集まりいつもたいへん賑やかだった。祖母も、もともと大酒飲みだがあまり強くないほうだったから(つまり父は自分の母親に正しく似たようだ)、正月の酒盛りサバイバルで生き残るのは伯父と叔父。泊まっていくこともあったがたいていは朝から来て夜までずっと飲み続け、「ほなごっつぁんでしたー」と、しゃんとした姿勢で家族を引き連れて帰っていった。あとには、酔いつぶれてトドのように横たわる祖母と父、そして箱膳や盆の上に徳利や猪口が転がっていた。そしてほぼ空になった一斗樽。

一斗樽をひとつ、一升瓶を2〜3本。いつもの晩酌用の酒の納品とは別に、出入りの酒屋が暮れに届けるのが慣わしだった。祖母と母は御節の準備に余念なく、私たち姉弟は手の届くところの拭き掃除をしたり、塗の椀や膳を拭いたり、玄関に屏風を置きお鏡さんを飾ったり、注連飾りの買い出しを言いつけられたりなど、今思うとたくさんたくさん手伝わされた。どの家もそうだった。暮れは家族がみんなで正月準備をした。で、私は、どの家にも日本酒が一斗樽で届くものだと思っていた。必ずしもそうではない、というか、一斗樽のほとんどを元日で空けてしまう家というのはかなり少数派だということを(笑)知ったのは、かなりのちのことである。

祖母が病に臥し、父たち三兄弟も年をとり、正月三が日を過ぎても一斗樽が空かなくなったので、ある時母が「樽で買うのはもう止めまひょか」と言ったが父は樽にこだわったらしい。父は銘柄などはどうでもいいほうで、酒屋のご主人の奨めを快く受け入れて持ってこさせていたと思う。正月に我が家に鎮座していた一斗樽の銘が何だったか、私には全然覚えがない。そんなふうだから、正月の酒は樽で買わなあかん、という父の言い分にしても、単にたくさん飲みたかっただけだろうと思っていたが、樽酒の旨さをそれなりに楽しんでいたのかもしれないな、と、本書の下記のくだりを読んで思った。


 
《小林 ぼくは酒のみでして、若いころはずいぶん飲んだのですよ。もう、そう飲めませんが、晩酌は必ずやります。関西へ来ると、酒がうまいなと思います。
 岡 酒は悪くなりましたか。
 小林 全体から言えば、ひどく悪くなりました。ぼくは学生時代から飲んでいますが、いまの若い人たちは、日本酒というものを知らないのですね。
 岡 そうですか。
 小林 いまの酒を日本酒といっておりますけれども。
 岡 あんなのは日本酒ではありませんか。
 小林 日本そばと言うようなものなんです。昔の酒は、みな個性がありました。菊正なら菊正、白鷹なら白鷹、いろいろな銘柄がたくさんございましょう。
 岡 個性がございましたか。なるほどな。
 小林 店へいきますと、樽がずっと並んでいるのです。みな違うのですから、きょうはどれにしようか、そういう楽しみがあった。
 岡 小林さんは酒の個性がわかりますか。
 小林 それはわかります。
 岡 結構ですな。それは楽しみでしょうな。
 小林 文明国は、どこの国も自分の自慢の酒を持っているのですが、その自慢の酒をこれほど粗末にしている文明国は、日本以外にありませんよ。中共だって、もういい紹興酒が飲めるようになっていると思いますよ。
 岡 日本は個性を重んずることを忘れてしまった。
 小林 いい酒がつくれなくなった。
 岡 個性を重んずるということはどういうことか、知らないのですね。
 (略)
 アメリカという国は、個性を尊重するようでいて、じつは個性を大事にすることを知らない国なんです。それを真似ているんですから。食べ物にも個性がなくなっていきますね。(略)
 小林 (略)ぼくらが若いころにガブガブ飲んでいた酒とは、まるっきり違うのですよ。樽がなくなったでしょう。みんな瓶になりましたね。樽の香というものがありました。あれを復活しても、このごろの人は樽の香を知らない。なんだ、この酒は変な匂いがするといって売れないのです。それくらいの変動です。日本酒は世界の名酒の一つだが、世界中の名酒が今もって健全なのに、日本酒だけが大変動を受けたのです。
 (略)その代り、ウイスキーとか葡萄酒がよくなってきた。日本酒の進歩が止まって、洋酒のイミテーションが進んでいる。
 岡 日本酒を味わうのと小説を批評するのと、似ているわけですね。
 小林 似ていますね。
 岡 近ごろの小説は個性がありますか。
 小林 やはり絵と同じです。個性をきそって見せるのですね。絵と同じように、物がなくなっていますね。物がなくなっているのは、全体の傾向ですね。
 岡 世界の知力が低下しているという気がします。日本だけではなく、世界がそうじゃないかという……。小説でもそうお思いになりますか。
 小林 そうでしょうね。
 岡 物を生かすということを忘れて、自分がつくり出そうというほうだけをやりだしたのですね。
 よい批評家であるためには、詩人でなければならないというふうなことは言えますか。
 小林 そうだと思います。
 岡 本質は直観と情熱でしょう。
 小林 そうだと思いますね。
 岡 批評家というのは、詩人と関係がないように思われていますが、つきるところ作品の批評も、直感し情熱をもつということが本質になりますね。
 小林 勘が内容ですからね。
 岡 勘というから、どうでもよいと思うのです。勘は知力ですからね。それが働かないと、一切がはじまらぬ。それを表現なさるために苦労されるのでしょう。勘でさぐりあてたものを主観の中で書いていくうちに、内容が流れる。それだけが文章であるはずなんです。(略)》(「国を象徴する酒」19〜24ページ)



なぜ、「よい批評家であるためには、詩人でなければならない」のだろう? 手許の『コクトー詩集』(堀口大學訳/新潮文庫)の、堀口によるあとがきにこう書いてある。《コクトーには、彼が「評論による詩」Poésie Critique と呼ぶ一連の作品がある。『閑話休題』Le Rappel à l'Ordre『ジャック・マリタンへの手紙』Lettre à Jaques Maritain(略)などがそれだ。昔から優れた詩人は同時にまた優れた批評家でしばしばあったが、コクトーもまた極めて優れた批評家だ。(略)「一作をなすごとに、僕はわざとその作に背を向けて反対の方向に新たに歩き出した」とは、彼が自らの創作態度を語る言葉だが、まさにその通りを彼は実行した。》(「あとがき」235〜236ページ)

私には優れた詩人と優れていない詩人の見分けかたはわからない。詩を鑑賞するのは好きであるが、読んでもつまらない詩は好きでないし、世間で評価されていなくても好きな詩はある。だが、私の好み云々は横へ措くとして、人に強い印象を与えうる詩とそうでない詩はたぶん歴然としてある。人の心に強く迫る詩を、迫られた読み手が好むとは限らないが、迫る詩を書いた詩人はおそらく優れた詩人の範疇に入る。読み手が、読んだ詩の感想を「ふーん」「あ、そうですか」程度で片づける場合その詩は読み手の心を捉えてはいないが、心を捉えなければ詩の存在価値はない。つーっと読み流されては「詩」として受け容れられなかったに等しい。詩が詩であるためにはその一行一行ごとに読み手を立ち止まらせなければならない。先を読みたいけどこの一行に、この一語に心がひっかかって進めないのよどうしよう離してよああもう、てな感じで身悶えしながら、奥歯ですりつぶして嚥下するまでたっぷり時間のかかるのが、詩である。そんな詩を書けるのが、優れた詩人である。

つまり、批評も同じであろう。なにしろ批評である。賞賛にしろ罵倒にしろ、もってまわった言いかたや、まわりくどい表現や、遠回しな(まわってばかりだけど。笑)言葉遣いをしていては批評にならない。批評の対象、批評の対象を愛好する者、そして批評の読み手、誰もを立ち止まらせ、うーんと唸らせ、ああ心がひっかかる、と容赦なく身悶えさせなければ優れた批評文とは言えないだろう。
ということは、批評家と詩人の仕事は、言葉や文章の表現方法、あるいは単に操作技術といってもいいが、その点において同じであるのだ。こと表現するという行為において、何か、あるいは誰かに対する「気遣い」「気兼ね」「憚り」「手加減」「配慮」「遠慮」「忌憚」「斟酌」なんぞが垣間見えたとき、それは詩に非ず、また批評に非ず、である。

コピーライターというやくざな商売は詩や批評の対極にあるといっていい。私はいつも、スポンサーを称賛する文章を自分ではない別の誰かの口を借りて書いている。「別の誰か」は、スポンサー商品の愛用者またはその予備軍、あるいは広告代理店そのものを想定する。つまり顧客だ。お客様は神様である。お客様に対して「気遣い」「気兼ね」「憚り」「手加減」「配慮」「遠慮」「忌憚」「斟酌」なしに口を利くことなど、できるわけがないのである。というわけで、私は詩人にも批評家にもなれないのである。


Les cerisiers qui fleurissaient!2013/03/21 20:40:07

御苑の桜がほころんで、早いものは一気に開花した。

ちょっと寄ってみる。

きれいね。

つい立ち止まる。みんな思いは同じだね。

こちらは桃。

桜のあとに見ると、派手やね(笑)。


空は真っ青。


旅立ちの日に

作詞:小嶋登 作曲:坂本浩美 編曲:松井孝夫


白い光の中に 山並みは萌えて
遙かな空の 果てまでも 君は飛び立つ
限りなく青い 空に心ふるわせ
自由をかける鳥よ 振り返ることもせず
勇気を翼にこめて 希望の風に乗り
この広い大空に 夢を託して


懐かしい友の声 ふとよみがえる
意味もない いさかいに 泣いたあの時
心通ったうれしさに 抱き合った日よ
みんな過ぎたけれど 思い出強く抱いて
勇気を翼にこめて 希望の風に乗り
この広い大空に 夢を託して


今 別れの時 飛び立とう 未来信じて
はずむ 若い 力信じて
この広い 大空に


今 別れの時 飛び立とう 未来信じて
はずむ 若い 力信じて
この広い 大空に


JASRAC作品コード:006-6326-3



娘の母校の小学校(私の母校でもあるのだけど)で卒業式があった。
旅立つ若者、子どもたちに、心からエールを贈る。
賢者であれ。知恵者であれ。同時に愚かなほど、素直であれ。
他者にやさしく、他者を愛せ。気配を察し、機微を感ぜよ。
鋭敏であれ。深穏であれ。慈悲深く、聡明であれ。
切り拓け。君のあとに、道はできる。


希望に満ちる健全な魂にふさわしい、未来ある健全な郷土を継承するために、大人は全員、十字架を背負ってダニ掃除をしよう。
電力傀儡極右違憲ジミントーとその腰巾着、という名のしつこいダニを、いざ、駆除するぞ!